【ドラマレビュー】大人に響く別れと出会いの季節の「薬膳」がいい! NHKドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』第7話の神回レビュー
まるで温泉のような読み心地に、虜になる人が続出している『フォアミセス』(秋田書店)にて連載中の漫画『しあわせは食べて寝て待て』。
原作の世界観をそのままに、リアリティ溢れるドラマとなった2025年4月スタートのNHKドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』に、もともと原作の大ファンだった編集部員も夢中です。
すでに物語は第7話まで進んでいますが、原作でのベストシーンがこれでもかとぎゅぎゅぎゅ~っとつまったこの回が素晴らしく、一ファンとしてぜひともレビューしたい! と思い、記事作成に至りました。
その第7話の物語の魅力、そしてドラマに出てくる薬膳の知識をまとめてご紹介させてください!
出会いと別れを濃密に描いた第7話。原作にはないふたりのイケメンとのやり取りがたまらない♡
写真提供:NHK
『しあわせは食べて寝て待て』の主人公の麦巻さとこさん(桜井ユキさん)はデザイン事務所で週4回のパート勤めをして質素に暮らす38歳の独身女性です。
もともとは建築関係の会社で、バリバリ働いていたさとこさんは、一生付き合わなくてはならない病気になったことで生活が一変してしまいます。会社を辞め、それにともない収入が減った彼女は、住んでいたマンションの更新料の負担をきっかけに今後のことを考え、もう少し安い家賃の住まいを探すことを決意します。
そして引っ越した新しい住まいは、築45年、お家賃月5万円の小さな団地。
その団地で、借りるお部屋の大家・鈴さん(加賀まりこさん)と、訳あり“料理番”の司さん(宮沢氷魚さん)によって、食事で体調を整える薬膳を知ったさとこさん。さとこさんが団地での暮らしをはじめ、団地や新しい職場での人々との交流と、薬膳の知識を通して少しずつ元気になっていく様子が描かれる作品です。
原作の漫画も、ゆるやかなほっとするタッチの画風で読み進められますが、生きることの難しさについても考えさせられる奥深さを持つ作品で、このドラマではその世界観がよりリアルに、そして鮮やかに描かれています。
このドラマのすごいところは、何よりもまず、登場する俳優さんたちが原作の登場人物(キャラクター)にそっくり! なのです。
さらにメイク、そして俳優さんの演技力で、まさに漫画から登場人物が飛び出してきたかのよう。特に私が漫画でも夢中になっているふたりのイケメン、訳あり“料理番”の司さん(宮沢氷魚さん)と、麦巻さんの職場のデザイン事務所の社長である唐さん(福士誠治さん)がこれまたそっっっくり……!
そしてこの第7話は、原作でも神回だと思っていた、司さんと唐さんが初めて対面する回でした。
―麦巻さんが温泉地への移住を検討したことで、縁がつながった唐さん、青葉さん(田畑智子さん)、八つ頭さん(西山 潤さん)、反橋さん(北乃きいさん)、鈴さん、司さんの会食。唐さんは左から2番目です。髪形や目つき、そして包容力ある頼れる人間性が原作とぴったりなのです。
写真提供:NHK
この作品の登場人物は、それぞれが様々な事情を抱えています。
それ故か、はっきりとした「恋愛関係」などは描かれないのですが、唐さんも、司さんも、主人公の麦巻さんのことを憎からず思っているような描写が散見されます(麦巻さんを演じるのが桜井さんだから、なおのこと納得です……!)。
その絶妙な距離感にむずむず……きゅんきゅん! としてしまうのですが、ドラマでもその素敵すぎる描写は健在!
実写ドラマで素晴らしい俳優さんたちが演じられるのだから、その楽しさはひとしおでした。
さらに、原作では描かれなかった司さんと、唐さんの洗い物トスのシーンの尊さときたら……!
もう画面の前でお祈りポーズをささげてしまうくらい、ドラマのスタッフの皆さんに感謝の気持ちでいっぱい。
「好き」だとか、「愛してる」だとか、そんな強いセリフや演出があるわけではないのですが、司さんも、唐さんも、麦巻さんに健やかに生きていってほしい、どうか穏やかに日々が過ごせますようにと願っている様子が自然に伝わってきて、それはとてもささやかな好意かもしれませんが、それこそが「愛おしい」という気持ちを言葉にする以上に語っていたように感じられました。
そしてシンプルにイケメンふたりの交流の様子は、目の保養……!
楽しすぎるシーンを堪能させていただきました。
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