【大人の京都旅】小学校だったモダン建築がラグジュアリーホテルに!「ザ・ホテル青龍 京都清水」宿泊体験《前編》
こんにちは、奈良在住の編集者・ふなつあさこです。私は子どもの頃から、明治から昭和初期あたりにかけての和洋折衷の建物に萌えるタイプだったのですが、最近そうした建築が「モダン建築」と呼ばれるようになり、にわかにブームになっています。京都、大阪、神戸、東京など各地で「モダン建築祭」なるイベントが開催されていて、活況を呈しています。
そんななか、京都でも屈指の人気エリア、清水(だいたい、八坂神社から清水寺にかけてのあたりです)に2020年に開業した「ザ・ホテル青龍 京都清水」に泊まりにきませんか? とお誘いいただいて、大喜びで出かけてきました。というのも、こちらのホテル、もともとは昭和初期に建てられた小学校を保存・活用したホテルだからです!
約7,000平方メートルの敷地に一歩足を踏み入れれば、外の喧騒が嘘のように静かで、アプローチを進めば目の前に八坂の塔がドーン! もうこれだけで気分が上がりますよね! 前編では、まずその素敵な建物とお部屋の様子をたっぷりお届けするとともに、ゲストラウンジで5~8月の期間限定で楽しめる「ザ・ホテル青龍 京都清水 × 祇園辻利 コラボレーションラウンジ」の模様をレポートします。
大人の京都旅ってこういうこと! 贅沢な非日常を満喫
京都駅からタクシーで20分ほど、世界遺産 清水寺の参道の中ほどに位置する「ザ・ホテル青龍 京都清水(以下、青龍)」。そのエントランスは至ってシンプル。ここなの……? と思いながら進んだ先には、“これですこれ、こういう京都に来たかったんです!”という光景が広がっています。
客室は48室だけとあってホテルの敷地内は、ついさっき人をかき分けるようにしてタクシーに乗ってきたとは思えないほど静か。そして視線の先には、清水エリアのシンボル、法観寺の「八坂の塔」が絵のように見えているんです。
歴史を感じさせるホテルの建物は、ちょっと珍しいコの字形をしています。というのも、実はこちら、もともとは80余年におよぶ歴史のある学び舎・清水小学校だった建物なのです。昭和8年に建てられた当時の外観やディテールを大切に守りながらも、モダンな息吹を吹き込んで生まれた“京都で最も世界遺産・清水寺に近い”ラグジュアリーホテルです。
探してみると、小学校として地元の子どもたちが通っていた当時の面影が……。京都では明治維新後、町の人々のなかから児童教育に力を入れるべきだという声がいち早くあがり、国による制度に先駆けて当時の住民自治組織だった「番組」単位で学校が作られていったそう。1869年(明治2年)に旧下京二十七番組小学校として創設され、移転改築後、2011年度の閉校まで現在の建物が地域の学び舎として愛されてきたそう。
ホテルのなかは、クラシカルな外観に融和するモダンなしつらい。階段の手すりなどそのまま残せるものは洗浄して再び元の場所で使用したり、かつて使われていた照明を新たな空間に活かしたりと元校舎の建築を最大限に残しながらも、古びることなくラグジュアリーな空間に仕上げられています。京都をはじめとする国内アーティストの作品にも注目してみて。
パノラミックスイートを見学させていただいたのですが、京都のパノラマビューを一望でき、特にベッドルームからは八坂の塔を自分たちだけで堪能できるという青龍ならではのシグネチャースイート。朝目覚めたらそこにこの絶景が広がっているかと思うと、忘れえぬひとときを過ごせることは間違いありません。
試泊させていただいたデラックスキングは、天井などに元校舎の建築をそのまま活かしたお部屋。子どもたちが勉強に集中していた空間だからなのか、私も取材の合間のデスクワークに集中できました。
お部屋に用意されているウェルカムスイーツは知る人ぞ知る名店「御菓子司 緑菴(りょくあん)」の麩焼きせんべい「みどり」、お茶は一保堂さんのティーバッグと超一流。その他の飲料も、ノンアルコール、アルコールともに無料とのこと。アメニティはスペイン・バルセロナ生まれのスキンケアブランド「Natura Bisse(ナチュラビセ)」のものでした。スリッパもふかふかで、気に入れば持ち帰りもOKだそうです。
余談ですが、合間にちょっとホテルを離れて、一澤信三郎帆布へお買い物に出かけました。創業120周年を迎え、記念の新色「あさぎ」が登場したのですが、東京に帰っていたときにちょうど開催されていた松屋銀座のポップアップショップでは完売していて手に入れられなかったんです。お店に電話したら今なら全型揃っているというじゃないですか! そんなわけで、迷った末に、牛乳瓶の配達かばんを改良して登場した「牛乳かばん」をお迎えしました。お部屋に戻って引っ張り出し、うっとり♡
宿泊中入り浸りたい…… ゲストラウンジが祇園辻利とコラボ中!
推しポイントが多すぎる青龍ですが、こちらに泊まったらまず真っ先に訪れたいのがゲストラウンジ。普段からスイーツやキッシュなどの軽食、アルコールを含むドリンクを好きなだけ楽しめるのですが……なんと今年は、1860年(萬延元年)創業の老舗・祇園辻利(ぎおんつじり)と、初となるコラボレーション中! 8月いっぱいまでの期間限定です。
祇園辻利が誇る宇治茶のなかから、煎茶・ほうじ茶・抹茶・抹茶オレなどさまざまな茶種の味わいが楽しめるほか、祇園辻利の抹茶を使用した「Petitパフェ 」や「宇治抹茶ロール」といった人気のスイーツもずらりと用意されています。なかでも祇園辻利 大丸心斎橋店限定メニューの「宇治茶カヌレ」は必食。
ちなみに「がとーぶぶフィナンシェ」、「ぎおんの里」「つじりの里」など個装の焼き菓子はお部屋に持ち帰ってもOKとのこと。う、嬉しい。
ゲストラウンジでは、宮川町の舞妓さんの舞を鑑賞できたり(火・木曜)、茶道体験(月・金曜)や箏(こと)の体験ができたりと、アクティビティも充実。茶道体験のみ要予約です。
祇園辻利コラボ中は、終日(7時半〜22時)、祇園辻利メニューを楽しむことができるので、夕食後にも訪れ、祇園辻利が手がける揉み茶専門の新ブランド「ぶぶる」の日替わりで味わえる新感覚ティーでほっとひと息。このときは和紅茶×ジャスミンフラワー×マジョラムの華やかなお茶をいただきました。宿泊すればビジターをお招きすることもできる(別料金)ので、京都にお友だちがいたら呼んであげるのも喜ばれそうです。
京都人も憧れる! ルーフトップバー「K36 The Bar & Rooftop」
京都の友人に「青龍行くねん」というと全員が全員「ええなぁ〜。ルーフトップバーが最高らしいねん」と言うてはりました。行ったことがあるというという方も「また行きたい」というほどのルーフトップバー、それが青龍の4階にある「K36 The Bar & Rooftop」です。
こちらは宿泊客以外も利用できるのですが、私が予約時間に訪れると大行列ができていました。15時から(季節により変動あり)利用できますが、やっぱり一番人気のある時間帯は、夕暮れどき。眼前に広がるポストカードのように美しい“ザ・京都”な風景が、たった15分ほどの間に刻々と鮮やかに色づき、夕闇に沈んでいくひとときは、息を呑むほかありません。なんて綺麗なんでしょう。
訪れた日の日中は曇り空でしたが、ルーフトップを訪れるころにはちょっと薄陽がさしていて、ちょっぴり期待。「季節のフルーツカクテル」をオーダーしたところ、いちごやベリーのフルティーな一杯が供されました。
こんなロケーションで八坂の塔を見られるなんて……と思いながらあたりを見渡すと、京都タワーや背後には清水寺の三重塔なども。そうするうちに、みるみるあたりがピンク色に染まっていきました。日中の天気から予想していなかった夕焼けは、自然がくれたサプライズギフト。
2杯目には看板メニューの「K36 ジン トニック」を。トニックのビンがグラスにそのまま刺さってるフォトジェニックな一杯を八坂の塔と一緒に写真に収めるべく、大慌てで撮影しました。
青龍に宿泊する場合は、当日でも席のみの予約が可能。ビジターは、「ブノワ 京都」同時予約ブランまたは最低料金プランのいずれかでご予約を。予約なしでの利用もできるので、当日行ってみて待ってもOKですが、夕暮れどきを狙うなら早めに並び始めたほうが良さそうです。ちなみに、ルーフトップは荒天時は利用不可ですが、その場合も「The Bar」は利用できます。
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