カテゴリー

人気タグ

大人のおしゃれ手帖 6月号

大人のおしゃれ手帖

最新号&付録

大人のおしゃれ手帖
2025年6月号

2025年5月7日(水)発売
特別価格:1540円(税込)
表紙の人:木村佳乃さん

2025年6月号

閉じる

記事公開日

この記事の
関連キーワード

大人のおしゃれ手帖
の記事をシェア!

【ドラマレビュー】老いとどう向き合う? 腎をいわたる薬膳に注目した「最終回」は帰れる場所を手に入れた司さんの笑顔が最高! NHKドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』

大人のおしゃれ手帖編集部

この記事の画像一覧を見る(3枚)

腎のケアにいい食材はわかめ!
自分をいたわる大切さにハッとする

写真提供:NHK

そんなとき、自身の耳鳴りに気づく麦巻さん。

ドラマでは、耳鳴りは「腎」の衰えによって出てくる症状のひとつ。
ちなみに薬膳の考えでの「腎」は、老化によってダメージを受けるといわれていて、腎をケアすることでアンチエイジングにもなるといわれています。

ドラマ内では書籍を読み、「老化」というキーワードにショックを受ける麦巻さん。

でも腎をいたわる食材を食べてみようと、わかめたっぷりのおでんを作ります。

そこへ、旧友から「話を聞いてほしい」との連絡が。
この友人、悪い人ではなさそうなのですが、これまでとにかく愚痴を麦巻さんに聞いてもらっていたようで、元気なときでさえ、麦巻さんにとって少ししんどい時間だったようです。

思い切って、友人のお願いを断る麦巻さん。
友人からの返事はなく(個人的には麦巻さんの友人さん、それってどうなのと思ってしまいましたが……)、心をざわつかせながらも、自分を守ったことに目を向けようとする麦巻さんがなんともいじらしいシーンでした。

さらに、司さんの不在が、鈴さんにとっても、麦巻さんにとっても、団地の人たちにとってもどんどん大きくなっていきます。

思い切って、司さんに電話をかける麦巻さんですが、はじめは司さんにつながりません。

そのとき司さんは、施設を抜け出して「家に帰ろう」として山道に迷い込んでしまったおじいさんを救出中でした。

施設の人を待つ間も、「家に帰るんだよ」と言っていたおじいさんに、司さんは、自分のおばあさんが同じく家を飛び出してしまったとき「帰ってこなければいいのに」と思ってしまった過去の記憶を話してしまいます。

きっと、ずっと、それがわだかまりとなっていて、自分は誰かの帰る場所を守る資格はないし、同時に、自分も帰れる場所を持つことはできない、と思ってしまっていたのかしらと感じられてしまいます。

でも、認知力が弱まっているように見えるそのおじいさんは、司さんに一言「気にすんな」といいます。

その言葉にはっとする司さん。

そしてそのおじいさんを送りだした後、偶然電波のつながる場所にいた司さんに2回目の麦巻さんからの電話が。

電話を取った司さんと、麦巻さんは、他愛もない話をします。
麦巻さんは、件の友人とのやりとりを話し、そこで「自分はやれるだけやった、そう思うことにします」と司さんに決意表明のようなものを伝えました。

その後、そっけなく電話を切ったように見えた司さんでしたが、その麦巻さんの言葉は、司さんにもしっかり響いていて、いつものどっしりとしたおだやかな司さんの笑顔に戻っているようでした。

そして暑さが厳しくなるであろう夏に向けて、ベランダで梅干しを仕込む鈴さんと麦巻さん。
そこへなんと長ねぎを持った司さんが山から帰ってきます。

嬉しさのあまり、涙がにじんでいるようにも見える鈴さんと麦巻さんは「おかえりなさい」と何度も何度もいいます。

満面の笑みで「ただいま」と答える司さん。
(長ねぎでピースサインを作る司さん、可愛すぎます…!)

それを見て、きっと、しあわせというのは、「ただいま」といって帰れる場所があることなのかもしれない、と思えました。

そして、その「居場所」は老いることだったり、体調が悪くなったり、お金がなくなったりなどの事情でなくなってしまうこともあるかもしれませんが、一方で「やれるだけやる」ことで、また新たにひょいと見つかるのかもしれないですよね。

司さんが「ただいま」といって帰れる場所を見つけたように。
麦巻さんが、「おかえりなさい」といえる場所にいるように。

そんな穏やかで、でもじんと響くようなエールをもらったような気持ちになりました。

そんなドラマのなかに出てきた薬膳のレシピがHPに掲載中です。
ぜひ、こちらもチェックしてみてください!

ドラマに出ていた薬膳のレシピはこちらから

写真提供:NHK

ドラマ10「しあわせは食べて寝て待て」(最終話)は
 NHKプラスで、6月3日までご覧いただけます。


ドラマ10「しあわせは食べて寝て待て」

週4日のパートで質素に暮らす38歳、独身の麦巻さとこさん。「一生つきあわなくてはならない」病気にかかったことから生活が一変し、会社を辞め、新しい住まい探しを余儀なくされる。見つけたのは築45年、 家賃5万円の団地。隣に住む大家さんと、訳あり料理番を通じて、旬の食材 を取り入れた食事で体調を整える【薬膳】と出会う。 地味だけど身体においしそうな薬膳ご飯とたおやかな団地の人間関係を通して、 心身を取り戻していくさとこは、身近にあった自分次第のしあわせに気づいていく。 お粥(かゆ)のように、おなかの底からじんわりと温かくなる物語が始まります。

【原作】 水凪トリ「しあわせは食べて寝て待て」【脚本】 桑原亮子 ねじめ彩木 【音楽】 中島ノブユキ 【出演】 桜井ユキ、宮沢氷魚、加賀まりこ / 福士誠治 田畑智子 中山雄斗 奥山葵 北乃きい 西山潤 土居志央梨 中山ひなの 朝加真由美 ほか 【演出】 中野亮平 田中健二 内田貴史 【制作統括】 小松昌代(NHKエンタープライズ) 渡邊悟(NHK)

この記事のキーワード

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

大人のおしゃれ手帖編集部

ファッション、美容、更年期対策など、50代女性の暮らしを豊かにする記事を毎日更新中!
※記事の画像・文章の無断転載はご遠慮ください

執筆記事一覧

Instagram:@osharetecho
Website:https://osharetecho.com/
お問い合わせ:osharetechoofficial@takarajimasha.co.jp

記事一覧へ戻る

大人のおしゃれ手帖の記事をシェア!