【50代のこよみ養生 Vol.31】梅雨の不調を防ぐために見直すべき8つの生活習慣
梅雨の不調対策は、生活習慣の見直しから
脾には食べたものを分解し、そこから吸収した水分や栄養を体の各部位へと分配する働きがあります。この脾の働きによって体内の水分代謝がスムーズに行われ、不要な水分を汗や尿として排出することができるのです。しかし脾の働きが低下していると、摂取した水分の分配が十分に行われず、水分の流れが滞りがちに。汗や尿による排水もスムーズでなくなり、体内に湿気がたまってしまうわけです。
脾の調子は生活習慣との関わりが深いため、生活習慣を見直すと脾の調子がよくなる場合が多いもの。雨の日に不調が起こりやすい人は、次の生活習慣に該当するものはないか見直してみてください。
◉長時間座りっぱなし
仕事がデスクワーク中心だったり、テレビの前に座りっぱなしだったりと、長時間座り続けることが多い生活は脾の働きを低下させてしまいます。30分に1回は立ち上がって、軽く体を動かすように意識しましょう。
◉悩みや考えごとが多い
東洋医学では、脾は「思」の感情と結びついていると考えられています。これは、思い悩み過ぎたり考え過ぎたりすると、脾の働きが低下して食欲不振などを引き起こすということ。悩み過ぎるとおなかが痛くなるのは、このためです。思い悩む感情を抑えるのは怒りの感情なので、怒りの発散が描かれている映画やドラマ、コントなどを鑑賞すると気分がすっきりするでしょう。
◉朝食を食べない
胃が一番活発に働くのは朝の7〜9時、脾は9〜11時です。脾や胃の最も重要な役割は、飲食物から栄養を吸収して気(き=エネルギー)、血(けつ≒血液)、水(すい=水分、体液)を作り出すこと。その働きがいちばん活発になる朝に食事をとらないでいると、気・血・水が十分に作られないため、体全体がエネルギー・栄養不足になり、脾の働きも低下してしまいます。脾の働きを高めるためには、朝食をとることが必要不可欠。朝に食欲がわかないという人は、消化がいいおかゆやスープなどをとることからはじめてみましょう。
◉夜遅い時間に食事をする
胃の働きが最も弱くなるのが19~21時、脾は21〜23時なので、夜遅い時間に食事をとると脾や胃に負担をかけてしまうことに。夕食は19時までにすませるのが理想的ですが、難しい場合は遅くとも19時台には終わらせることを目標にしてみて。夜遅い時間の食事は極力控えましょう。
◉水分のとりすぎ
脾は湿気が苦手なため、必要以上に水分をとり過ぎると脾が悲鳴を上げてしまい、さばききれなくなった水分がたまってしまいます。水分の摂取量はのどの渇きを潤す程度にし、無理に飲みすぎないようにしましょう。
◉甘いもの・脂っぽいもの・乳製品のとりすぎ
甘いもの、脂っぽいもの、乳製品は脾に負担をかけ、水分代謝を低下させる原因となります。食べすぎないように適量を心がけましょう。
◉ストレスが発散できていない
五臓の肝(かん)には脾の消化活動をサポートする働きがあります。しかし、肝はストレスに弱いため、ストレスがたまると肝の働きが低下して脾の働きも低下してしまうことに。ストレスを感じたら、ためずに発散することが大切。息抜きや楽しい予定の時間を必ず確保しましょう。
◉寝室の風通しが悪い
外気に湿気が多いと、体内の湿気も多くなり脾の働きが低下しやすくなります。特に睡眠時に長時間過ごす寝室の湿度が高いと、脾に影響して働きが低下する一因に。寝室が締め切ったままにならないようこまめに換気をしたり、除湿機を活用したりして、湿度が高くならないように調整しましょう。寝具の除湿や乾燥も忘れずに。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
Twitter:@MomoOtsubo
Website:https://toyoigaku-shizen.com/
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