【50代のこよみ養生 Vol.32】“寒い梅雨”と“蒸し暑い梅雨”の食材の選び分け方
梅雨の薬膳は「脾(ひ)の働きを高める食材」をよくとることが基本
前回の「50代のこよみ養生 Vol.31」でもお伝えしたように、梅雨の不調対策は体内にたまる余分な水分を排出することであり、その要は脾(ひ)にあります。脾とは五臓のひとつで胃腸の働きに相当し、体内の水分代謝を整える役割を持つ臓。そのため梅雨の薬膳は、「脾の働きを高める食材」をよくとることが第1のポイントとなります。まずは、次に挙げる「脾の働きを高める食材」をベースの食材として、献立を組み立ててみてください。
・お米
うるち米は脾の働きを高めて食欲低下、倦怠感、むくみ、下痢などを抑える食材です。同じ穀類である小麦は、五臓の心(しん)を補って体内の余分な熱をとる性質に優れているので、真夏向きの食材。梅雨の時期の主食はお米を中心にするのがいいでしょう。
・そば
そばは気(き=エネルギー)のめぐりをよくして脾の消化作用を促進する食材で、胃腸虚弱、食欲不振、下痢などが気になるときに適しています。冷たい飲食物は脾を冷やして働きを低下させるので、温かいかけそばがおすすめです。
・とうもろこし
脾の力を補い、利尿作用によって体内の余分な水分を排出してむくみ、食欲不振、おなかのはり、尿の出が悪いなどの不調をやわらげます。今はとうもろこしだけでなくヤングコーンも旬なので、ぜひとり入れて。とうもろこしのひげ茶にも利尿作用があり、梅雨どきの飲み物として最適です。
・豆類
大豆(枝豆)、いんげん、そら豆、グリンピースなどの豆類は脾の働きを補って水分代謝を高め、むくみなどを改善します。炊き込みごはんの具にすれば、お米の効果と相まって梅雨にぴったりの薬膳となります。
そのほか、いも類、ブロッコリー、牛肉、さばなども脾の働きを高めるので、梅雨の季節におすすめです。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
Twitter:@MomoOtsubo
Website:https://toyoigaku-shizen.com/
関連記事
-
-
-
-
-
PR
-
PR
-
PR