桐島かれんさんが案内する初夏の鎌倉
吹く風が心地よい今の時季、少し足を延ばして時間がゆっくりと流れる古都・鎌倉や自然に囲まれた葉山まで出かけてみては?
横浜で育ち、現在は葉山と東京の二拠点生活を送るかれんさんが、ふたつのエリアの魅力とお気に入りのスポットを紹介します。
お気に入りの場所を探してゆったりと過ごして
横浜育ちの私にとっては、鎌倉は子どもの頃からなじみ深い街。葉山の自宅からも近いので、素敵なレストランや器のお店が集まった鎌倉まで買い物に行くことも多いんです。
観光シーズンの鎌倉はどうしても混雑しますが、鎌倉駅前から離れた場所まで足を運んだり、平日の午前中を選ぶようにすれば、意外なほどのんびりと過ごすことができます。
今回訪れた報国寺も、喧噪から逃れて静かな時間を過ごせる場所のひとつ。
2000本もの見事な竹林は、訪れる季節や時間によっても見え方が変わり、差し込む光を眺めているだけで時間を忘れるほど。
お寺で心静かに過ごしたあとは、大好きな工芸品や人形を扱うお店へ。繊細な手仕事の魅力が光る国内外のアイテムは、いつ見ても心を惹かれます。
海や山といった自然と、歴史あるものが共存しているのが鎌倉の魅力。
「大人のおしゃれ手帖」世代なら、無理をしてあちこちを回るのではなく、お気に入りの場所を見つけてゆっくりと過ごすのがいいのではないでしょうか。
鎌倉
報国寺
静寂と緑に包まれる“ 竹庭の寺” へ
奥鎌倉にある、竹林の庭で知られるお寺。すみずみまで手入れが行き届いた境内には、清涼な心地よい空気が流れています。
日曜には誰でも参加できる「座禅会」も開催されているそう。
「青々とした竹林の木漏れ日を眺めているだけで癒やされます。茶室で抹茶をいただきながら、初夏の美しい眺めを楽しんで」
鎌倉市浄明寺2 -7 -4
0467 -22 -0762
〔営〕9 :00 ~16 :00(抹茶は15 :30まで)
〔休〕年末年始
(2025 年12月29日~2026 年1月3日)
創建は1334年。足利尊氏の祖父・足利家時を弔うため、上杉重兼によって創建されました。
境内には当時の石庭を再現した枯山水が。
茶室「休耕庵」でいただける抹茶と竹をモチーフにした干菓子。
参道や庭の石の多くは苔生しており、雨上がりには青々とした美しい様子が見られます。初夏にはあじさいも見頃を迎えるそう。
明月院
あじさいの見頃には境内が“ 明月院ブルー” に
あじさいの名所として知られる北鎌倉のお寺。
初夏には2500株ものあじさいが咲き誇り、境内がブルーに染まります。「あじさいのシーズンは混雑しますが、やはり1度は訪れたいもの。
ほかにも、春は桜やレンギョウ、初夏は花菖蒲、秋は紅葉、冬は水仙や椿……と、四季折々の自然を楽しめます」
鎌倉市山ノ内189
0467 -24 -3437
〔営〕9:00 ~16:00 *6月は8:30~ 17 :00(最終受付16 :30)
〔休〕年中無休
〔拝観料〕高校生以上¥500、小中学生¥300
本堂にある丸窓は「悟りの窓」と呼ばれ、禅宗の教えを表しているそう。
窓の外に広がる庭園は、通常非公開となっていますが、ハナショウブの開花期と紅葉の時期だけ特別公開に。
ブルーのあじさいに囲まれた参道は圧巻!
生育しているあじさいの9割は日本古来の品種であるヒメアジサイ。
古都・鎌倉の歴史文化を辿る「日本遺産」を観光のヒントに
「日本遺産」とは地域の歴史的な文化・伝統を語る“ストーリー”として、文化庁が認定する文化財群のこと。
中世からの社寺をはじめ、近代の洋館、鎌倉文士が残した芸術文化、四季折々の花……と見どころが詰まった鎌倉の日本遺産を、訪れる際の参考にしてみては?
「鎌倉観光公式ガイド」などのウェブサイトでも、日本遺産の所在地をチェックできます。
源頼朝ゆかりの「鶴岡八幡宮」は鎌倉のシンボル。朱色の社殿は国の重要文化財に指定されています。
「流鏑馬(やぶさめ)」は武者姿の射手が馬上から的を射抜く伝統神事。
鎌倉では源頼朝が鶴岡八幡宮で奉納したのが初と言われ、現在も例大祭で行われています。
鎌倉といえば「高徳院」の大仏。1252年に造立が開始され、仏像として鎌倉で唯一の国宝に指定されています。
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