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大人のおしゃれ手帖 9月号

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大人のおしゃれ手帖
2025年9月号

2025年8月7日(木)発売
特別価格:1590円(税込)
表紙の人:木村多江さん

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【老眼の疑問】疲れ目、かすみ目、ピントのぼやけは老眼の始まり。大人のための目のエイジングとの向き合い方

久武ミキ

パソコンやスマホの画面がぼやける、活字を読むのがつらくなる、遠くを見てから近くを見るとピントが合いにくい。個人差はあるものの、だいたい40代半ばに差しかかると始まるとされている老眼。「もともと近視の人は老眼になるタイミングが遅くなる」「老眼鏡を一度かけると視力低下が進む」など、さまざまなウワサがある老眼の疑問、加齢による視力の変化や日常的な目のケアについて、眼鏡作製技能士の齋藤さんにお話を伺ってきました。

老眼はなぜ起こる?

目の水晶体が濁る白内障、視神経の異常から視野が狭くなったり視力が低下したりする緑内障、涙の減少によって起こるドライアイ、まぶしさを感じやすくなる瞳孔の縮小など、目の病気はさまざまにありますが、加齢による視力の変化で“誰もが通る道”とされるのは、やはり「老眼」です。老眼は病気ではありませんが、この“ものが見えにくくなる”という現象は、目のピントを合わせる調節機能が加齢によって衰えることが原因とされています。

老眼が始まるサインはある?

老眼の始まりには特にサインのようなものはなく、老眼になる時期やタイミングにも個人差があるため「ある日突然近くのものがぼやけて見えにくい」という症状があらわれることがほとんどです。視力のピークは10〜20代。その後、目の筋力や機能はゆっくりと下降し、40〜50代で見え方の変化を自覚する人が増えていきます。ちなみにもともと近視だった場合、老眼になりにくいという説について「近視の人の場合、メガネをはずせばもともと近くにピントが合っているため、老眼になってピント合わせの力が弱くなっても、近くは見えやすい状態にあります。そのため「老眼になるタイミングが遅い」と感じているだけで、老眼にならないということではありません。誰でも必ず老眼になるタイミングは訪れます」(齋藤さん)

老眼の初期症状

「目がかすむ」「目が疲れやすい」「薄暗いところだとものが見えにくい」「細かい字を読むと疲れる」などの症状を感じ始めたら、「かろうじてまだ見えているから大丈夫!」と我慢せず、眼科で検診を受け、老眼鏡を作ることも前向きに考え始めてほしいもの。「視力や目の見え方は年々変化しています。目も体の一部。検診によって緑内障やドライアイといった別の目の病気が見つかることもありますので、一年に一度は眼科を訪れて定期的に視力チェックなどを行ってほしいと思います」(齋藤さん)。

老眼に働きかける目のエイジングケア

「特に現代人はパソコンやスマホを見る機会が増えていて、日常的に目の疲労やストレスを感じやすいことから、加齢による見え方の変化が早まりやすいと考えられます。日頃から目のケアを継続していくことは、視力の衰えや目の健康のためにとても大切です」と語る齋藤さんおすすめの目のリフレッシュ法は「遠くを見ること」と「ホットタオルで目を温めること」。24時間365日休まず働く目は常に緊張状態です。「目はどんな時でもピントを合わせようと努めるのですが、これが長時間続くと眼精疲労を引き起こします。1日のうち何回かは目を休める時間を作って労ってください」(齋藤さん)。

最近の老眼鏡事情

「もはや見た目だけで老眼鏡だとわかるものはほとんどありません」と齋藤さんが語るとおり、メガネ業界は日進月歩を続けています。中でもレンズ機能の進化には目を見張るものが。「今は、1枚のレンズで遠くから近くまでの度数を網羅する「累進多焦点レンズ」が主流です。以前のようにレンズの一部分に拡大鏡がついたものはもうほぼありません。見た目だけでは普通のメガネか老眼鏡か判別することが難しいほど自然です。これにより、レンズ部分が広く大きくないと作れなかった老眼鏡も、さまざまなデザインで作ることができるようになり、選択肢が広がりました。老眼鏡は、お気に入りのデザインを見つけて、遠近、中近、手元用など、使用するシーン別に複数作っておくのがおすすめです」とのこと。予算を考えれば一度に全部を作ることが難しくても、一本ずつ、生活スタイルの変化に合わせて必要な老眼鏡を揃えていくのがよいでしょう。

眼鏡の買い替えどき

レンズが割れたり、眼鏡のテンプルが折れたりでもしない限り、なかなか買い替えるタイミングがつかみにくい眼鏡。プロがおすすめする買い替えのタイミングとはいつなのでしょうか。「老眼鏡をかけていても年々見え方は変化していきます。「一度老眼鏡をかけると老眼が進む」などというウワサを耳にしたことがある人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。むしろ、見えにくい状態を我慢して老眼鏡をかけずに過ごすほうが目には負担になります。眼鏡の買い替えについてはだいたい2〜3年に一度。疲れやすいな、見えにくくなったななど、目や見え方に違和感を感じたら、まずは私たち眼鏡作製技能士に相談してください」と齋藤さん。日本メガネ協会によると、眼鏡作製技能士は全国各地の眼鏡店に在籍しています。今回取材にご協力いただいた東京メガネでも現在92名の眼鏡作製技能士が在籍しており、一人ひとりのライフスタイルに合わせた眼鏡選び、眼鏡作製をサポートしてくれます。

老眼鏡のご相談は、眼鏡作製技能士が在籍する全国の眼鏡店へ。

全国各地の眼鏡店に在籍する眼鏡作製技能士は現在8,747名(※)。遠近、中近、手元用などライフスタイルの変化に応じた希望の眼鏡作製、視力の変化についてのご相談に、お近くの眼鏡店を訪ねてみてはいかがですか。
※2025年6月現在

【日本メガネ協会】
眼鏡作製技能士についてはこちらのサイトをご覧ください。
https://kakegokochi.com/

■今回取材にご協力いただいたのは、東京メガネ 眼鏡作製技能士 齋藤容子さん
現在92名の眼鏡作製技能士が在籍する東京メガネ。眼科とも連携し、老眼鏡を使いたいシーンや生活環境に合わせた老眼鏡を提案します。

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エディター/ライター 久武ミキ

エディター/ライター久武ミキ

出版社、広告会社勤務を経て独立。女性誌、専門誌などでビューティー&ウェルネス、アートを中心に、ライフスタイルにまつわる記事を多数執筆。東京と鎌倉で2拠点生活をおくる猫好き編集者。

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