体は股関節が10割!【医学療法士監修】
ストレッチ・筋トレ・整えるの3ステップで歩ける体の基礎づくり
歩いたりスポーツしたり、健康に動くための要となるのが股関節。
全身でいちばん大きい関節です。
この股関節まわりを整えて、強くしなやかにすることで、タフな体を手に入れましょう。
教えていただいたのは・・・
理学療法士
山口正貴さん
東京大学医学部附属病院リハビリテーション部理学療法士。医療・予防業務に携わりながら、腰痛について研究。著書に『骨盤・股関節の医学』(さくら舎)など。
股関節が硬くなると日常の動作が困難に
歩いたり座ったりの動きの要になる股関節。
「股関節は外からは見えません。膝を高く上げたときのズボンの折り目の奥のほうにあります」と、理学療法士の山口正貴さん。
年齢とともに、軟骨の摩耗や筋肉の老化によって股関節が硬くなります。すると、全身の動きに影響が。
「股関節を伸ばす動き(伸展)が悪くなると姿勢が前傾になり腰が曲がった状態に。曲げる動き(屈曲)が悪いと、立ったり座ったりが困難になり、膝や腰に負担がかかります。内や外に開いたりひねるのが難しくなると、浴槽がまたげない、靴下を履いたり着替えるのが困難になることも。転倒リスクも上がります」
股関節は、骨盤の中の寛骨臼に大腿骨の先がはまった部分です。そもそも日本人、特に女性は寛骨臼が浅い人が多く、加齢で軟骨がすり減ると痛みが出やすい一因になっています。
「股関節まわりの筋肉の柔軟性をあげると可動域が広がり、筋力が高まれば関節の負担が減ります。股関節のトレーニングで、年齢を重ねてもずっと、動ける体をつくりましょう」
脚と体幹をつなぐ最大の関節
体の中心に位置し、骨盤と大腿骨をつないでいるのが股関節。
体重を支えたり、歩いたりするのに不可欠な関節です。
大腿骨の先にある球状の骨頭が、骨盤にある寛骨臼のくぼみにはまってソケットになっています。
柔軟性や筋力が落ちると、軟骨がすり減ったり関節唇が挟まれて痛みが出ることがあります。
股関節について知っておきたいこと
⚫︎ 更年期に股関節が痛みやすいのはなぜ?
更年期前後から、痛みを感じる人が増える股関節。理由のひとつは、骨粗しょう症により骨盤や大腿骨の軟骨が減って骨同士があたりやすくなること。これが変形性股関節症です。
また、加齢によって筋力や柔軟性が衰え、姿勢が変わることで、骨が動いたときに股関節にある関節唇がこすれて痛みが出る場合もあります。
日ごろから筋肉をしなやかにし、筋力をつけることが股関節の痛みの予防になります。
⚫︎ 骨盤と股関節は仲よし
体の中心を支えているのが骨盤。中心部にある三角形の仙骨と左右に広がる寛骨からなります。寛骨のくぼみに大腿骨がはまった部分が股関節で、全身の重さをここでしっかり支え、前後左右どの方向にも動かせます。ただし、骨盤の角度や広さによって動かしやすさに個人差があります。股関節が硬くなると骨盤が前傾したり後傾したりして姿勢が悪くなるなど、ふたつは相互に影響しあっています。
⚫︎ 股関節がよくなるとメリットいっぱい
□ 筋肉の負担が減り動きやすくなる
□ 疲れにくくなる
□ 姿勢がよくなる
□ 血流がよくなって代謝もアップ
□ 肩こり、腰痛になりにくくなる
□ けがのリスクが低くなる
股関節が硬いとそれを補うために筋肉が力を使い疲労しやすくなります。股関節がしなやかになると、動作がスムーズになり疲労も軽減し、血流もアップ。肩や腰、膝の筋肉も疲れないので、コリや痛みが出にくくなります。
⚫︎ 股関節が硬いとソックスも履けない
□ 足の爪が切れない
□ ソックスを履けない
□ 立ったり座ったりするのが大変
□ しゃがんだ姿勢で後ろに転んでしまう
□ 膝や腰に痛みが出る
□ 姿勢が悪くなり腰が曲がる
□ 進行すると歩行困難に
股関節は、脚の上げ下ろしはもちろん、姿勢を保持する役割もあり痛みが出ると長時間座ることも難しくなります。脚が上がらないと転倒リスクが高まり、骨折につながります。
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