【50代のこよみ養生 Vol.36】美しく生命力の強い蓮(はす)で、真夏の不調を養生しよう
7月12日〜16日は七十二候(しちじゅうにこう)の「蓮始開(はすはじめてひらく)」。蓮が花開く頃となります。蓮はそのほとんどの部分が薬膳や漢方の原料に使われている植物で、特に真夏の養生に最適な食材がたくさん。熱中症や夏の不眠、イライラ、日焼け対策などに、ぜひ活用してください。
江戸時代、蓮(はす)を見物する「蓮見(はすみ)」が夏の風物詩だった
1年を約5日ごとに区切ったこよみの「七十二候(しちじゅうにこう)」では、7月12日〜16日は「蓮始開(はすはじめてひらく)」となります。「蓮が開花しはじめる頃」を表す呼び名であり、蓮が見頃を迎えることを告げています。
しかし、現代人の私たちには蓮の花を見る機会があまり多くはありません。蓮は池や沼に生息する植物で、その花は夜明けとともに咲きはじめ、昼頃には閉じてしまうからでしょう。早朝に花開く姿を見物する「蓮見(はすみ)」は、江戸時代の夏の風物詩だったとか。春は花見、夏は蓮見、秋は月見、冬は雪見と、江戸の人々は季節を楽しむ粋人でした。
蓮は澄んだ水よりも泥水で育つほうが美しく咲くことから、「泥中の蓮(でいちゅうのはちす/はす)」とも言われます。もとは仏教の言葉で、煩悩にまみれた世の中でも清らかに生きる姿や、逆境に負けずに生きる姿、悩みや苦しみがあるからこそ幸せになれる、などのたとえとしてよく用いられる表現です。きっと蓮見の魅力は、泥に咲く花に心が洗われ、救われる思いがすることにもあるのでしょう。
蓮の名所といえば上野の不忍池が有名ですが、全国にも蓮が栽培されている植物園などがあるので、ぜひこの時期に蓮見を体験してみたいですね。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
Twitter:@MomoOtsubo
Website:https://toyoigaku-shizen.com/
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