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2024年12月号

2024年11月7日(木)発売
特別価格:1650円(税込)
表紙の人:天海祐希さん

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大人世代の美容バイブル『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』

大人のおしゃれ手帖編集部

42歳になったらやめる美容、はじめる美容

年齢とともに変化する肌を前向きに受け入れ、適切に対処するには何が必要なのか。大人の肌に必要なケアについて、明解な美容理論に基づいて書かれた『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』。著者の茂田正和さんに、大人の美容について考えるヒントを伺いました。

茂田正和

著者 茂田正和

化粧品開発者/「OSAJI」ディレクター。医学と科学の両軸の観点から皮膚科学を研究。自身で化粧品企画会社を創業する。体の内側から肌をサポートするため、栄養学をも取り入れた美容理論を打ち立て、その普及と啓蒙を行うためさまざまな取り組みを行う。


老化を否定する"アンチ"エイジングではなく
時間とともに魅力が増す美容を

42歳を境に、減り始めると言われる女性ホルモン。白髪やシワ、シミ、たるみなど、それまで気にしなかった変化に戸惑いながらも、どんなケアをしたらよいのか分からず迷ってしまうことも。一方で、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ…」と思うあまり、ストレスをためる人も少なくありません。
そうした人にとってひとつの答えとなるのが、コスメブランド「OSAJI」の生みの親である茂田正和さんの初の著書、『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』。年齢による変化をポジティブに愛でるためのヒント、そして大人世代が「やめるべきケア」「はじめるべきケア」がロジカルに説明されています。
「世の中に“毛穴が目立たなくなる化粧水”“ほうれい線が薄くなるクリーム”のようなものはたくさんあるけれど、ほうれい線があったからといって、実生活で問題が生じるかというと、そんなことはありませんよね。周囲やメディアが『ほうれい線をなくしましょう』と言っているからといって、『自分もやらなきゃ』と考える必要はないんです。美容のあり方は、自分自身で判断していいものだと思うんです。自身が気になっていてコンプレックスに感じているならば、スキンケアで手を打ってもいいし、医療に頼るのも悪くない。でも、老化によるシミやシワがネガティブなものではなく、その人自身の個性やチャームポイントにだってなりうる。だから、どうやって美容と向き合うかは、各個人の価値観や考えで前向きな気持ちで行うべきだと思うんです。この本を読んだ人が、そんな風に自由に考えてくれたらうれしいですね」

感覚的なものさしを持つことで
自分にふさわしいケアが見つかる

大人世代の美容ケアは選択肢が多いがゆえに、自分にとっての正解を見つけづらいもの。自分にふさわしいケア方法を見つけるには、何を基準にすべきなのでしょうか。
「自分の“好き嫌い”で判断すること。つまり、感覚的なものさしを持つことですね。たとえば器であれば、その器にごはんをよそって手に取ったときに『好き』と思えるか、それともしっくりこないのか。食生活にしても、毎日丁寧に作ったごはんを食べられたら理想的だけど、友達と外でお酒を飲むのが何より好きな人なら、それでいい。憧れの人が使っている、メディアで話題だった…など、商品やサービスを選ぶ動機はさまざまですが、最終的な判断はあくまでも『自分』であってほしいと思います」
さらに、美容ケアにおいては「誰のための美容なのか」を考えることも大切です。
「誰かに見せるためなのか、自分自身が心地よく過ごすためなのか、自己表現の一種なのか。同世代の人に負けたくない、という競争心がモチベーションになっている人もいると思います。美容に対して前向きに取り組む理由はどんなものでもいいのです。きれいでいたい、清潔感を保ちたい、印象のいい自分でいたい、そんな気持ちをバックアップするのが美容であることは確か。だからこそ、自分自身が美容を味方につけて目指すべき姿をいったん整理することが大切です。それが見えていないと、新しい情報に振り回されたり、ムダなことに手を出すことになる。目的がはっきりしていれば、自分にとっての要不要が判断でき、美容ケアもシンプルになります」

毎日時代は変化する。だからこそ
普遍とは変わり続けること。その時々に必要なケアを

とはいえ大人世代の中には、これまで家族や仕事を優先し、自分の好き嫌いを後回しにしていた人も。そんな人が自分軸で判断するためのヒントはあるのでしょうか。
「みずからターニングポイント=変化点を設けるのがいいと思います。いきなり『明日から本能で生きよう』と思っても、なかなか実践はできませんよね。夫が定年したら、子どもが卒業したら、仕事をやめたら…。自分なりに変化のタイミングを決めて、そのときに向けて準備を始めればいい。僕自身も45歳になったらこれをする、50歳になったらあれをする…と常に公言してきました。人生にはいくつかのターニングポイントが訪れるものですが、それを受け身で待つのではなく、自分で決めるのもよいのではないでしょうか」
そして、変化のタイミングに応じて自分にふさわしいものを探していくことが、美容はもちろん、心地よい生活にもつながります。
「普遍とは変わり続けること、というのが僕の座右の銘。世の中は変わっていくのだから、その中で普遍的な人間でいるためには自分が変わるしかない。変わらないことを美徳とする考えもあるけど、人はそのときの自分に必要なものを本能的に求めるのだから、変化を認めて受け入れることも大切だと思います」

生き方・暮らし方がその人の美しさを生む。
根本から生活を変えるきっかけを作れたら

今回の著書で、これまで培ってきた美容理論をひとつの形にできたという茂田さん。次なる自身の課題として、ホルモンバランスの変化に寄り添った、体の内側からのケアを提案していきたいと考えているそう。
「最近はコロナ禍の影響もあって、心身の不調を訴える人や、肌のトラブルを抱えている人が世代を問わず増えています。そうした不調の原因を探っていくと、大抵の場合は自律神経に行き着くんですよね。ただ、自律神経の乱れによる不調に対処するための薬はあっても、ほとんどは対症療法にすぎず、根本的な改善にはなりません。自律神経を整えるには、規則正しい睡眠やバランスの取れた食事を意識しましょう、とよく言われますよね。もちろん、それらは大切なことですが、根源にあるストレスや不安の原因が解決できなければ、いくら長く睡眠を取ったり、表層のケアをしても同じことなんです。僕の仕事の中心は、プロダクトやサービスの開発でしたが、今後はもっと本質的な仕事に重点を置きたい。生活のあり方が変わるきっかけを作り、必要な人に向けて提供していくことも、これからのテーマになると考えています」


取材後記

私が茂田さんに出会ったのは10年ほど前。当時、私の肌は荒れ果てていました。顔中に無数の吹き出物、乾燥からくる掻痒感。肌は硬くなり、ゴワゴワした分厚い仮面をかぶっているようでした。当時、茂田さんへの取材を通してニュートラルな肌とはどういう状態のことか、また体の一部である肌がどのようなメカニズムで生まれるのかを知ることができました。美しい肌とはトラブルのない肌のことを指すのに、それが作られる体の仕組みを理解せずに、あれこれ美容法を試していた自分を恥ずかしく感じたのを覚えています。

まずは荒れた肌をゼロに戻すためのメソッド、その次に肌が健やかな状態をキープするための心がけとケアを実践しました。その後は全くと言っていいほど肌トラブルに見舞われることなく過ごしています。茂田さんの著書『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』には、私自身が美容の信条にしている茂田メソッドがたっぷりと詰まっています。その時その年齢の、ベストな肌状態をつくるための知恵が詰まっている一冊。美容の基本が詰まったバイブルをぜひご覧ください。

『大人のおしゃれ手帖』編集長 橘真子


42歳になったらやめる美容、はじめる美容

『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』(宝島社)

¥1,500+税
コスメブランド「OSAJI」代表の茂田さんによる最新スキンケア理論を初の書籍化。「スキンケアの誤解」について、化粧品ディレクターならではの知識をもとに、わかりやすく解説します。

ご購入のご案内 『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』

撮影/近藤沙菜 文/工藤花衣
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