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大人のおしゃれ手帖 10月号

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大人のおしゃれ手帖
2025年10月号

2025年9月5日(金)発売
特別価格:1620円(税込)
表紙の人:吉田羊さん

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名曲ぞろい! 映画音楽家のドキュメンタリーが公開 
~愛すべき映画にはいつも彼の音楽が流れていた~

中山恵子

フランソワーズ&ドヌーヴ姉妹の共演作とドゥミ監督最大のヒット作
『ロシュフォールの恋人たち』『ロバと王女』

フランソワーズ・ドルレアックとカトリーヌ・ドヌーヴが姉妹で共演した『ロシュフォールの恋人たち』 ©Ciné-Tamaris 1996『ロシュフォールの恋人たち』©Ciné-Tamaris 1996

 『シェルブールの雨傘』で世界的大スターとなったカトリーヌ・ドヌーヴと、1歳違いの実姉でやはり人気スターであったフランソワーズ・ドルレアックが双子を演じているのが、本格的ミュージカル作品の『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)です。

 もちろん監督はジャック・ドゥミ、音楽はミシェル・ルグラン。『雨に歌えば』のジーン・ケリー、『ウエスト・サイド物語』のジョージ・チャキリスを迎え、国際的なキャストが集結しています。フランソワーズは本作の1年後、交通事故により25歳でこの世を去ったため、美しい姉妹の共演を観ることのできる最後の作品となってしまいました。

 物語の舞台は、フランス西南部のロシュフォール。フェスティバルの季節がやってきた町では、旅芸人のエチエンヌとビルがショーの準備を始めています。一方、美しい双子の姉妹ソランジュとデルフィーヌは新しい恋が始まる予感を感じて思わず歌い出します。水兵や双子の母、彼女のかつての恋人、作曲家なども登場し、恋が生まれ、町は歌と踊りでにぎわいます。

 赤毛のフランソワーズ、ブロンドのドヌーヴ、二人の髪と色違いのワンピースの裾が歌い踊るたびに揺れて、その豊かな色彩と躍動的な音楽に、観ているだけでワクワクします。

ジャック・ドゥミとミシェル・ルグラン、カトリーヌ・ドヌーヴが3度目のタッグを組んだ『ロバと王女』©2003 Succession Demy『ロバと王女』©2003 Succession Demy

 ジャック・ドゥミとミシェル・ルグラン、カトリーヌ・ドヌーヴが3度目のタッグを組んだのが、シャルル・ペローの童話「ロバの皮」を原作とするミュージカル映画『ロバと王女』(1970年)。フランス国内で219万人を動員した、ドゥミ監督最大のヒット作です。

 病床の王妃は夫である王に「再婚するなら自分よりも美しい女性を選ぶように」と言い残して死んでしまいます。しかし、王妃より美しい女性は、実の娘である王女しかいません。父と結婚なんてイヤ、という王女は妖精に相談して様々な無理難題を突き付けますが、王はすべてを受け入れ、ロバを殺して王女に与えてしまいます。困り果てた王女はロバの皮をかぶって城から逃げ出しますが……。

 荒唐無稽な物語ですが、そこは闇をオブラートに包んで伝える役目を持つお伽話ならでは。“美しい王妃よりもさらに美しい女性”を一人二役で演じるカトリーヌ・ドヌーヴのどこか冷たい美貌とドゥミ監督によるポップな色彩、ルグランのクラシカルで華やかな音楽が絶妙にマッチしています。

『ミシェル・ルグラン&ジャック・ドゥミ レトロスペクティブ』では、『シェルブールの雨傘』な名作3作品を上映。

『ミシェル・ルグラン&ジャック・ドゥミ レトロスペクティブ』

ミシェル・ルグランとジャック・ドゥミ不朽の名作を再び!
『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』『ロバと王女』の3作品。

2025年9月19日(金)より、
新宿武蔵野館ほか全国順次公開


※この記事の内容は、2025年9月時点の情報です

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構成・文

ライター 中山恵子

ライター中山恵子

ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。

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