シミ、肝斑、色素沈着……
大人世代のシミあれこれ
やみくもに行うシミケアは、シミを余計に悪化させる可能性も。
そこでスピーディに確実に効果を実感できるノウハウを、専門家にお教えいただきました。
お話を伺ったのは・・・
髙瀬聡子先生
皮膚科医。「ウォブクリニック中目黒」総院長。
患者の立場に寄り添ったカウンセリングと高実感の治療が人気。
著書には『いちばんわかるスキンケアの教科書~健康な肌のための新常識~』がある。
萩池洋子先生
美容皮膚科医・外科医。「メディカル・スキン・ブティック青山」院長。
米国での1年の経験から、本場のレーザー理論を使い、欧米のドクターとのコラボのクリニック。
内科的・婦人科的にも患者に寄り添ったオーダーメイド治療を行う。
樫出恒代さん
漢方薬剤師・漢方ライフクリエーター。「漢方カウンセリングルームKaon」代表。
漢方によるカウンセリングのほか、バイタルフットヒーリング(オリジナルフットケア)による心身のケアも行う。
目次
今さら聞けないシミのギモンQ&A
Q1. 大人が気にするべきシミの種類は?
A. シミとひとことにいってもたくさん種類があります
シミといっても種類は多く(下記は大人のシミの一例)、その治療法も異なると髙瀬先生。
「大事なのは自分でシミの種類を断定せず、まずは専門医に診てもらい、適切なケアを行うことがシミ解消の近道に」(髙瀬先生)。
「シミに有効な治療法でも、肝斑の場合は悪化する可能性もあります」(萩池先生)。
● 日光黒子(老人性色素斑)
代表的なシミで、一般的にシミというとこれを思い浮かべる人も多い。
紫外線が原因でメラニンが大量に作られてできたシミ。黒っぽく境界がはっきりしている。
● 肝斑
30代以降、多く見られるシミの一種。
薄い褐色で目のまわりを避けるように左右対称に、頬骨に沿って生じる。
額や口の周辺に現れたり、左右で大きさ・位置が異なるタイプも。
● 炎症後色素沈着
ニキビや傷、かぶれなどによる炎症が治ったあとに生じる褐色のシミ。
炎症が原因のため、年齢に関係なく、全身にも現れる可能性がある。
Q2. シミのお手入れ、始めどきはいつ?
A. 紫外線量が低くなる冬こそ攻めどき
3人の先生が全員、11~2月は紫外線の量が最も少なく、最も美白効果を実感しやすい時期と、太鼓判。「ここでしっかり攻めのシミケアを行えば、シミ撲滅は夢ではありません」(髙瀬先生)。
「冬は湿度も低下してくるので、美白ケアを行うならば保湿ケアも重点的に !」(萩池先生)。
「シミは代謝とも深い関係があります。寒い冬は代謝が落ちやすいので、体を内側から温めることで効率のよいシミケアが可能に !」(樫出さん)。
Q3. 自宅でのシミケア。何か1品投入するなら?
A. 美容液を1本投入しましょう
クレンジングからクリームまで美白ラインは豊富。その中でも何か1品投入するならば、断然、美容液か、スポットものと髙瀬先生。
「一般的に美白ラインの中でも最も有効成分が多いのが美容液です。化粧水を選ぶ人も多いのですが、大人ならば、より効果を実感しやすい美容液を選択することをおすすめします」(髙瀬先生)。
Q4. 美白コスメを使っても、なかなか効かない気が…。
A. 古い角質が肌表面に蓄積しているのかも!
「年齢を重ねると、肌のターンオーバーが悪くなりがち。代謝が落ちて、古い角質がうまく剥がれなかったり、メラニンが肌の中に残ったままだとくすみやシミはもちろん、美白成分もスムーズに浸透していけません。週1回でいいので、ソフトピーリングやディープクレンジングを投入することをおすすめします」(萩池先生)。
Q5. 毎日の生活で心がけるシミ撲滅の習慣は?
A1. 瘀血(おけつ)を溜めないように心がけて
「漢方的に考えるとシミ、肝斑は瘀血が原因と考えられます。
瘀血とは、血の流れが悪くドロドロになり、血液が活性しない、つまり全身を巡らなくなり、滞ること。そのためにはストレスを溜めない、体を冷やさない、夜12時までに寝ることが大事。また、寝る前にシミに有効なツボを押したり、温めると、より肌に透明感が生まれます」(樫出先生)。
合谷(ごうこく)
手の甲の人差し指と親指の間のくぼんだところ。内臓の働きを活性し、気のめぐりもよくします。その結果、肌にもエネルギーが満ち、シミにも肌荒れにも効果あり。
攅竹(さんちく)
眉頭の部分にあるツボ。眉頭の少しくぼんでいる場所。目のまわりの血の巡りをよくし、メラニンの排出を促しシミに効果。
四白(しはく)
瞳の真下のくぼんでいる部分から、指1本分(約1cm)下がったところ。シミが多い頬の血行を促す。美白剤を塗った上にガーゼを置き、その上から温灸で温めると効果てきめん。
承漿(しょうしょう)
下唇の中心の下のツボ。
顔全体の血行をよくします。シミや乾燥や肌荒れにも効果的。
これがおすすめ!
もぐさを炭化させて使用するため、嫌なニオイがなく、煙も出ない。
ひとりでジワジワ温灸ができる機器。
邵氏(しょうし) 温灸器¥9,300/漢方カウンセリングルームKaon
A2. インナーケアで体をサビさせない
「紫外線の刺激を受けると、細胞はダメージを修復しようとして体内のビタミンCを大量に消費します。肌が受けるダメージを阻止し修復するためには、体の中をサビさせない抗酸化フルーツをはじめ、サビさせないサプリ、スーパーフードなどを摂取することが大事。紫外線を浴びる前の朝や、浴びたあとはできるだけ多めに摂取するとダメージを減らせます」(髙瀬先生)。
A3. 美白のカギを握るのは保湿です
「肌は乾燥すると、さまざまな刺激から体を守ろうとする防衛反応が起こります。その1つがサイトカインという炎症反応です。これもシミの沈着を悪化させる原因になってしまい保湿ケアは必須。肌がうるおっていれば、ターンオーバーが順調に行われ、シミやくすみの原因となるメラニンの色素沈着も予防できます。つまり、うるおいは肌を紫外線や外的刺激から守ってくれる肌の守護神です。特に夜は保湿重視を心がけましょう」(萩池先生)。
Q6. 洗顔の仕方によってはシミがより濃くなるって本当ですか?
A. 本当です。
洗顔はスキンケアの基本。洗顔法によってはシミが悪化する可能性もあるという髙瀬先生。「毎日の洗顔でゴシゴシと力を入れて洗うと肌に傷がつき、さらに紫外線や雑菌の影響でシミが生まれたり、濃くなる可能性も。肌への刺激を抑えるには、泡立てとすすぎがポイント。また、洗顔後、タオルでゴシゴシ拭くのではなく“押し拭き”で、水気をとりましょう」(髙瀬先生)。
●髙瀬式洗顔法 ●
step1
洗顔剤を泡立てて弾力泡を作る
洗顔剤に少量のぬるま湯を加え、指先を茶せんのようにして空気を含ませる。手で押してつぶれない程度の弾力泡ができれば完成。
step2
顔全体に泡をのせ、広げる
たっぷりの泡を顔全体にのせ、肌の上で泡を転がすような感覚で汚れを泡に吸着させる。決して
step3
頬は内から外へ。
額、あご下は横にすすぐ
少し「冷たい」と感じるぬるま湯ですすぐ。頬は顔の内から外へ、額、生え際、あご下は手を横に動かして泡を洗い流す。
step4
タオルでやさしく押し拭きする
生え際、フェイスラインのヌメリがないことを確認後、タオルで顔を押さえるようにしてやさしく水気を拭き取る。
Q7. 美白ケアのプロが実践している即効美白のお手入れとは?
A1. 週1の高濃度ビタミンC点滴で集中美白
「どんなにUV対策を徹底していても、いつのまにか日焼けしてしまうので、秋から冬にかけては高濃度ビタミンCを点滴でダイレクトに体内に入れていきます。ビタミンCはメラニンの生成を抑えるとともに抗炎症効果もあるので、週1回のペースで続けて3~4回行うと、体の中から透き通るような白い肌になっていきます」(髙瀬先生)
A2. 身体のさびつき度をチェックして、自分に合う美白ケアを選択
「“身体のさびつき度”とは、体がため込んでいる酸化ストレスのこと。紫外線、喫煙、不規則な生活習慣などにより活性酸素が過剰に発生し、酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れると上昇します。そこで、酸化ストレスと自身の抗酸化力をチェックしてから、自分に必要な美白ケアを取り入れるようにします。一度検査を行うと、ムダがなく、よりスピーディに効果を実感しやすくなります」(萩池先生)
A3. 薬膳茶で体を温めます
美白の基本は代謝を促進し、メラニンの排出をスムーズに行うことと、樫出さん。「代謝をアップさせる漢方や薬膳茶を利用すると、内側からの相乗効果で美白への効果も。日頃から冷たい飲み物は飲まず、土瓶のお湯で抽出した薬膳茶で体を内側から温めて代謝を上げることでくすみやシワも改善。またクコの実は疲労回復や代謝促進、美白効果もあります」(樫出さん)
photograph: Kosuke Akikura, Sachi Kataoka hair&make-up: Akihiro Motooka model: Kotama text: Yuka Hashimoto
※大人のおしゃれ手帖2015年12月号をもとに再編集しています
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
この記事を書いた人
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