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大人のおしゃれ手帖 12月号

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大人のおしゃれ手帖
2024年12月号

2024年11月7日(木)発売
特別価格:1650円(税込)
表紙の人:天海祐希さん

2024年12月号

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体がだるさ、気力のなさ、風邪っぽさ……原因は免疫力の低下かも

大人のおしゃれ手帖編集部

残暑続きで体がだるい、気力が出ない、すぐ風邪っぽくなる…そんなプチ不調は免疫力低下、自律神経の乱れが原因です。そこで毎日の生活の中で無理なくできる免疫力アップの方法をご紹介。

教えてくれたのは・・・
新潟大学医学部名誉教授・医学博士
安保 徹 さん
東北大学医学部卒業。1996年に白血球の自律神経支配のメカニズムを解明し、免疫学の最前線で活躍。著書は『免疫力を高めれば、薬はいらない!』(三笠書房)、『免疫力をあげる食べ方』(小社)ほか多数。

夏の疲れで免疫力が下がっていませんか?

まずは自分の生活習慣をCHECK!
下のチェック項目は、どれも免疫力を下げてしまう生活習慣ばかりです。
チェックが03個なら、今のところは問題ありませんが、10個以上チェックがついた人は要注意。
ストレスや体の冷え、自律神経の乱れなどで免疫力がダウンしている可能性が高いので、疲れやすく、風邪やインフルエンザなどの感染症にもかかりやすくなります。
今までの生活習慣を見直しましょう。

□  平熱が36.0℃未満である
□  夏でも手先や足先が冷える
□  パソコンやスマートフォンを使う時間が長い
□  夜12時過ぎまで起きている
□  常用しているサプリメントや薬がある
□  風邪をひいたらすぐに薬を飲む
□  この夏、冷房で寒い思いをした
□  冷たい食べ物や飲み物が好き
□  育児や介護に必死で取り組んでいる
□  責任感が強く、なにごとも手を抜けない
□  甘いものや白米、小麦など精製されたものをよく食べる
□  ダイエットをがんばっている
□  ついつい食べすぎてしまう
□  自分の感情を押し殺すことが多い
□  最近、声を出して笑っていない


40・50代女性の不調の原因は免疫力を下げる生活習慣

本人としては充実した毎日で、精神的にはストレスを感じていなくても、睡眠不足や不規則な生活、長時間のパソコンやスマートフォン、入浴はシャワーのみ、などの生活を続けていると、知らず知らずのうちに自律神経のバランスが乱れ、体にストレスが蓄積されます。

「たとえば、更年期を迎えると、体にさまざまな変化が起こりますが、心身にストレスの少ない、免疫力の高い人なら問題なく乗り越えられます。つらい更年期症状に悩まされるのは、これまでの生活習慣にどこか無理があったということです」

加えて、夏の間、冷房にさらされて、冷たい食べ物や飲み物をとりすぎた体が悲鳴を上げている、とも。
「講演先で冷房が効きすぎて寒いと、こっそり28℃に変えるんです。体が冷えると、自律神経のバランスが崩れて免疫力が下がってしまう」 

また、生活習慣を改めたほうがいいとわかっていても、日々のやるべきことに追われ、今の生活を簡単に変えられない人が多いのも事実です。

「疲れたら休む、充分に寝る、体を冷やさない、がんばりすぎない、という当たり前の基本がとにかく大切で、健康になる方法はそれしかない。みなさん、大病をするまで生活を変えないんですね。今、起こっている不調は体からのSOS。生活を見直すチャンスだととらえて、ストレスや病気に強い体をつくってください」(安保さん)


40代から下り坂? 知っておきたい免疫のしくみ

「免疫力が落ちると風邪をひく」「体が温まるものを食べて免疫力アップ」などとよくいわれますが、そもそも免疫力とは何なのでしょうか?

「私たちが生まれながらにして持つ、体の防御システムのことです。疫を免れるという文字の通り、体の異常を常に監視して、体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原菌、またがん細胞などの外敵を防御するのが免疫力なのです」(安保さん)

免疫力がきちんと備わっていると、たとえ細菌やウイルスにさらされても感染の確率が低くなり、感染したとしても軽く済むのだそう。

ところが、免疫力は年齢とともに少しずつ低下していきます。40代くらいからは、意識して免疫力を保つ工夫が必要になってきます。免疫力アップを意識した生活を心がけましょう。


免疫は腸に6割。では残りの4割は?

免疫が働くのは、細胞単位のとても小さな世界です。普段は「今、免疫が働いてる」と実感することはあまりありませんが、免疫細胞は私たちの皮膚や粘膜、腸などに存在して、体を守ってくれています。

「特に腸の粘膜には免疫細胞の約6割が集結しており、摂取した食べ物からくる有害物質や毒素など、体に有害な侵入物を排除しています。免疫の6割が腸にあるといわれるのはそのためです」 

また、風邪をひいたときに、発熱したり、鼻水が出たり、のどが腫れるのも、ウイルスから体を守るための免疫反応のひとつ。

「人間にはもともと自然に備わった治癒力があるのだから、風邪をひいたり、熱が出たときに、無理に薬で症状を抑えずに、温かくしてゆっくり休むことも大切ですよ」


白血球の数で免疫力がわかる?

血液成分の一種である白血球数などの数値が目安に

免疫の主役・白血球には左表の種類があり、生まれつきある「自然免疫系」と外敵と戦うことで身につく「獲得免疫系」の連携で体を守っています。
自分の免疫力を知りたい場合は、血液検査で「白血球数」や「白血球分画」を調べましょう。白血球総数が4000/㎍以下なら免疫力が低下している可能性が。
また、白血球のうちリンパ球比率が30%以下の場合、50%以上と高すぎる場合も要注意です。


今、注目の「自律神経」は免疫力とどう関係する?

バランスが重要なのに交感神経優位の人が急増中

自律神経とは、自分の意思とは関係なく、内臓や血管、呼吸などを調整している神経のことで、交感神経と副交感神経の2種類があります。
「交感神経は、日中の活動時に優位になる神経で、白血球の中の顆粒球を支配しています。副交感神経は、夜のリラックスしたときに優位になり、リンパ球を支配しています。これのどちらかが過剰になると顆粒球やリンパ球のバランスが悪くなり、免疫力のダウンを招いてしまいます。最近は特に交感神経が過剰になる人が多いですね」


イラスト/はまだなぎさ 文/佐治 環
※大人のおしゃれ手帖2016年10月号をもとに再編集したものです。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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