【50代のこよみ養生 Vol.49】芸術で不調予防!?感情からアプローチする“芸術の秋養生”
恐怖心を癒す芸術が足腰のだるさ、頻尿などを防ぐ一助に

もう少しで「立冬(りっとう=11月7日~21日)」となり、冬の節気が始まります。冬は恐の感情が現れやすい季節。恐怖心が強くなると失禁することがあるのはよく知られていますが、排尿のコントロールは腎の役割のひとつであり、恐怖心が腎の働きに影響すると失禁する場合があるのです。また、恐怖で腰が抜けることがありますが、腰もまた腎と関係が深い部位。恐の感情と腎の関係がいかに密接かを示しています。
恐怖心が強くなりすぎると腎をめぐる気が下方へ沈んでしまうので、足腰がだるい、足腰に力が入らない、頻尿、大小便をもらすなどの不調が現れやすくなります。これらは冬に起こりやすい不調でもあります。この予防にも芸術鑑賞を活かしてみてください。
五臓の理論では、恐の感情は思の感情に抑制されると考えられているので、立冬以降の芸術鑑賞は思考を刺激する言葉や文字の芸術がおすすめです。
例えば、俳句や和歌。有名な作家の句集や歳時記などの本を読んだり、書き写したりするのもいいですし、もう一歩踏み込んで自分で俳句や和歌を詠んでみると、さらに思の感情に磨きがかかります。
書道を楽しむのもいいでしょう。近年は多くの書道家がインスタなどで作品を公開しているので、まずはネット上で作品をチェックしてみて、気になる作家の作品展に足を運んでみるのもいいでしょう。もしくは、自分で書道に挑戦するのもいいですね。写真集やネットなどで季節の美しい景色を眺めながら、そのビジュアルから感じた言葉をそのまま書にしたためると、自然や季節と感性がリンクする感覚を味わえて心身の癒やしとなります。
そのほか、自然をテーマにしたドキュメンタリー映像作品を鑑賞するのもいいでしょう。『プラネットアース』のような壮大な地球と生命の大紀行ドキュメンタリーなどを鑑賞すると視野が広がり、恐怖心がやわらぎます。
感性が鋭敏になる、秋の終わりから初冬の季節。芸術の秋を楽しんで、感情面からアプローチする養生もとり入れてみてください。
画像素材/PIXTA
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
Twitter:@MomoOtsubo
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