あの名作小説の世界を観る喜び ~海外文学の映画化3選①~
19世紀の女性作家が描いた、自立した女性の物語
『ジェーン・エア』
『ジェーン・エア』© RUBY FILMS (JANE EYRE) LTD./THE BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2011. ALL RIGHTS RESERVED
こちらも何回も映画化されている作品で、原作はイギリスの作家シャーロット・ブロンテが1847年に出版した同名小説です。まだ女性への差別が根強かった時代で、当初は男性のペンネームで発表していました。
物語は、不遇な生い立ちの少女、ジェーン・エアがやがて職を持ち、屋敷の主人と身分違いの恋をして、結婚式を挙げようとするも恐ろしい秘密を知り、それでも困難に屈せず生きていく、というもの。今でこそ我が道を行く頼もしい女性を描いた作品は数多くありますが、出版当時は女性の自立や妻を隠した男性との恋愛話が物議を醸したといいます。
2011年版で主人公のジェーン・エアを演じたのは、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカ。屋敷の主人・ロチェスター役はマイケル・ファスベンダー。原作ではたしかご主人様は不細工なはずでしたが、ファスベンダーがハンサムなのは映画ならではの嬉しい誤算です。
どこか陰のある名画のような映像が印象的で、スリリングなムードに引き込まれます。そして、自分の心に正直に我が道を切り開いていくヒロインには、時代を超えた魅力があります。

『ジェーン・エア』
2011年製作
Blu-ray ¥5,170/DVD ¥4,180
発売元:ギャガ
販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
© RUBY FILMS (JANE EYRE) LTD./THE BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2011. ALL RIGHTS RESERVED
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
※価格は、断りのある場合を除き、消費税込みで表示しています
※この記事の内容および、掲載商品の販売有無・価格などは2025年11月時点の情報です。販売が終了している場合や、価格改定が行われている場合があります。ご了承ください
この記事のキーワード
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。




