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大人のおしゃれ手帖 1月号

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大人のおしゃれ手帖
2026年1月号

2025年12月5日(金)発売
特別価格:1640円(税込) 
表紙の人:中谷美紀さん

2026年1月号

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【中谷美紀さんインタビュー】
「ようやく憧れの50代になれる。今はワクワクしています」美しく時を刻む信念

大人のおしゃれ手帖編集部

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年齢を重ねたからこそ表現できる美しさを
これからも探求しつづけます

ニット¥83,050、パンツ¥90,750/ともにトーテム(トーテム クライアントサービス)、ハット¥91,300 /ボルサリーノ(中央帽子)、ピアス¥187,000 /ベッティーナジャヴァエリ、ネックカフ¥47,300/ロンハーマン(ともにロンハーマン)

いよいよ新しい1年のスタート。はじまりの季節には、心地よい流れを呼び込んで、軽やかに一歩を踏み出したい。
そう願いつつ、心のありようを少し変えるだけでも、運は味方してくれるはず。中谷美紀さんも、「自分は運がいい、と信じています」と微笑みます。

「悪いことがあっても、そこから学びや新たな道が見えてきたり、自分に足りないも
のに気づけたり……。結果的には、ピンチもチャンスに変わるんです」

やりたいことは、頭で考えるだけでなく、具体的に紙に書き出すことも。

「ただ、それに執着はしません。書いたものの存在を忘れて、数年後に見つけたら全
部叶っていた、なんてことも(笑)。でもそれはスピリチュアルというより、脳が願望を叶えるために、無意識のうちに働いてくれるんでしょうね」

願いを込めるときに意識しているのは、あいまいさのない、まっすぐな言葉。

「日本語には特有の慎ましさや謙虚さがあって、それは美しい文化でもありますが、ときに自分の心を縛ってしまうことも。だから叶えたい願いがあるときは、英語で『I can do it.』と口にしてきました。そうすると気持ちも切り替わって、力が湧いてくるんです」

心を健やかに保ち、よどみをためないためには、身の回りを清らかに整えておくことも要となります。

「陶芸家の黒田泰蔵さんのアトリエに伺ったとき、何度も黒田さんがおっしゃっていたのが、『お掃除が大事』ということ。隅々までお掃除が行き届いていて、あの白磁の美しい〝白〟を保つには、ちりひとつあってはいけないのだと実感しました。掃除が億劫に感じる日もありますが、そんなときも黒田さんの声が頭の中で再生されて、『きれいにしなくては』と思います。
場を清めるには窓を開けて換気することも欠かせません。ドラマや映画の撮影では、ときにほこりっぽい場所で支度することも。空気が淀んでいると感じたら、必ず窓を開けて空気を入れ換えます」

首に巻いたニット¥39,600、ニット¥28,600/ともにロンハーマン、シャツ¥58,300 /セブリン(すべてロンハーマン)、3連リング¥352,000、小指¥198,000 /ともにスピネリキルコリン(リトルリーグ インク)

1月には、新しい章となる50代へ。
「ようやく憧れの50 代になれる。今はワクワクしています」と声を弾ませます。

「40代になったときもやっと肩の力が抜けたような気になったんですよね。やはり若いときは、老舗のお店を訪ねるときに引け目を感じることもあったので。最近はお店の方が同世代や年下になって、緊張せずに堂々と入れることが嬉しいです」

そして、今の自分だからこそ、できる表現もある。それは年を重ねる喜びでもあります。

「たとえばピナ・バウシュが纏っていた空気は、どんなに鍛錬した若いダンサーにも出せないもの。それはもちろん、彼女の天賦の才あってのことですが、やはり重ねてきた年月があるから。
たとえ体が若い頃のように動かなくても、成熟した人間にしか醸し出せないものがあると感じています。同じように、私たちの仕事でも、50代だからこそ生み出せるものが、まだまだ増えていくはず」

タイ付きシャツ¥88,000/エストネーション、中に着たニット¥39,600 /コラム(ともにエストネーション)、スカート¥36,300/ロンハーマン、3連リング¥352,000/スピネリキルコリン(リトルリーグ インク)、シューズ¥198,000 /ジェイエムウエストン(ジェイエムウエストン 青山店)

自然を享受して学び、ともに歩む暮らしを今も、これからも。

これからの10年で思い描いているのは、〝自然とともにある暮らし〟。

「とはいえ専業主婦には向かないタイプなので。職業人として精神的・経済的に自立した上で自然との暮らしを両立できればいいですね。正直なところ、オーストリアにいると、だんだん物欲もなくなってきて。雑草を見分けたり、雲を眺めたり、山で苔を観察しているだけでも満たされます。だからこそ失うことを恐れず、好きな仕事に挑戦できるんです」

これからの未来でも、楽しみは続いていく。自然と生きることで〝次世代につなぐ〟という意識も育まれていきました。

「ご近所には無農薬で野菜やハーブを育て、鶏を飼って、週末には自分の畑で収穫できたものだけでつくったピザを売っている人も。そうした暮らしに身を置いていると、土地は所有しているというより、〝一時的に借りているだけ〟という意識になりますし、採れたものもみんなで分け合おうという考えに。
そこには金銭的な豊かさとは違う心の豊かさがあるんですよね。足るを知るというか、〝それこそが幸せ〟だと実感する日々なんです」

MIKI NAKATANI
1976 年、東京都生まれ。1993年に俳優デビュー。2006年、映画『嫌われ松子の一生』で数々の映画賞を受賞。近作にドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』、映画『レジェンド&バタフライ』。ほか、絵本、エッセイ集、旅行記の執筆など、活動は多岐にわたる。近著に『オフ・ブロードウェイ奮闘記』(幻冬舎)。


撮影/伊藤彰紀[aosora] スタイリスト/田中雅美 ヘアメイク/下田英里 nail: Michiko Kawamura[NAILHOUSE AKIKO] 文/工藤花衣

大人のおしゃれ手帖2026年1月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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  • ニット¥83,050、パンツ¥90,750/ともにトーテム(トーテム クライアントサービス)、ハット¥91,300 /ボルサリーノ(中央帽子)、ピアス¥187,000 /ベッティーナジャヴァエリ、ネックカフ¥47,300/ロンハーマン(ともにロンハーマン)
  • 首に巻いたニット¥39,600、ニット¥28,600/ともにロンハーマン、シャツ¥58,300 /セブリン(すべてロンハーマン)、3連リング¥352,000、小指¥198,000 /ともにスピネリキルコリン(リトルリーグ インク)
  • タイ付きシャツ¥88,000/エストネーション、中に着たニット¥39,600 /コラム(ともにエストネーション)、スカート¥36,300/ロンハーマン、3連リング¥352,000/スピネリキルコリン(リトルリーグ インク)、シューズ¥198,000 /ジェイエムウエストン(ジェイエムウエストン 青山店)
  • ニット¥83,050、パンツ¥90,750/ともにトーテム(トーテム クライアントサービス)、ハット¥91,300 /ボルサリーノ(中央帽子)、ピアス¥187,000 /ベッティーナジャヴァエリ、ネックカフ¥47,300/ロンハーマン(ともにロンハーマン)

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