50代の親世代も危ない? 年末年始の帰省前にチェックすべし防犯・見守り対策
年齢を重ねると、体調の変化やちょっとした事故、外出中のトラブルが起こりやすくなります。日常生活に潜む事故や病気などの健康リスク、外出時の転倒・迷子・徘徊といったトラブル、そしてオレオレ詐欺に代表される特殊詐欺や、SNS・スマホ利用をきっかけにしたネット詐欺――。
「うちの親は大丈夫かな」と心配していても、日々の仕事や生活の忙しさから普段はなかなか向き合う時間が取れない方も多いのではないでしょうか。年末年始は、帰省などで離れて暮らす家族が一緒に過ごしやすい貴重なタイミングです。この機会に、親・祖父母の生活に潜むリスクを改めて確認し、どんな対策をしていくべきか話し合っておくことが、安心して暮らすための第一歩になります。
そこで今回は、離れて暮らす高齢の親・祖父母を持つ方に向けて、知っておきたいリスクと対策を整理しました。
教えてくれたのは……
BBSS株式会社 取締役 執行役員 / プロダクト本部 本部長
森 尚久さん
ソフトバンクグループにてセキュリティソフトウェアのディストリビューション営業・EC・MD・マーケティング業務部門の責任者として長年従事した後、国内一般消費者向けのセキュリティ対策製品の開発・企画に携わる。国内1,200万以上のサブスクリプションライセンスを発行するネット詐欺対策ソフト『みやブル』をはじめとするプロダクト事業責任者およびスポークスマンとして、メディア出演・外部講演等の実績も豊富。
離れて暮らす高齢者に考えられるリスク
■健康問題
遠方に住んでいると毎日顔を見に行くことは困難。定期的に連絡を取り合っていても、電話だけのやり取りでは健康状態の把握はできません。特に家族同士の場合、心配をかけまいという思いから体の調子が悪くても言い出せないケースもあります。そのため、日常の小さな変化を家族が早めに察知できる仕組みを持つことが重要になります。
■特殊詐欺
高齢者を狙った詐欺は年間を通して発生していて、還付金詐欺、オレオレ詐欺、キャッシュカード受け取り型など手口は年々巧妙化しています。特に高齢者の場合、「普段から家族とあまり接していない」「役所や銀行を名乗られると信用してしまう」といった心理的な隙が狙われやすい傾向にあります。また近年は、SNSやインターネットをきっかけとした「フィッシング詐欺」「投資詐欺」「ロマンス詐欺」なども増えており、詐欺の被害は多様化しています。
■外出中のトラブル(徘徊/迷子/事故)
年齢を重ねると判断や反応が鈍くなり、転倒や交通事故のリスクも高まります。さらに高齢となれば自覚もない認知症を患う可能性もあり、外出中の迷子や、深夜の徘徊が起きる可能性も。特に一人暮らしの場合は何かあっても周囲が異変に気づきにくいため、外出先での安全をどう守るかが大きな課題となります。
見直しておきたい家族内での対策・ルール

日常の安否確認
・「毎週土曜日の午前中に電話をかける」「毎日帰宅する18時頃にメッセージを送る」など、定期的な安否確認の時間を設定する
・ビデオ通話を活用し、顔を見てコミュニケーションをとる機会を作る
・家族内での緊急連絡先や連絡方法を再確認しておく
電話対応のルールを決める
・自宅電話は常に留守番電話設定にする
・不明番号や非通知からは出ない
・役所や銀行が暗証番号やカード回収を求めることは「絶対にない」と共有する
・還付金、投資、振り込みなどのお金に関する話題が出たら必ず家族に連絡する
・家族の名前を騙られた時のために、合言葉を設定しておく
スマホ・ネットの使い方の確認
・SNSの設定(プライバシー・公開範囲)を見直す
・不審なDMや友だち申請は開かないようにする
・知らないアプリのインストールはしない
ネット詐欺やSNSトラブルは若い世代の被害も増加中。「最近こんな迷惑電話がかかってきたよ」「SNSで投資詐欺に遭う人が増えているみたい」など、注意喚起ではなく誰にでも起きる身近なこととして気軽に話題にすることで、親世代も抵抗感なく聞き入れやすくなるでしょう。
この記事の監修者
BBSS株式会社 取締役 執行役員 森 尚久
ソフトバンクグループにてセキュリティソフトウェアのディストリビューション営業・EC・MD・マーケティング業務部門の責任者として長年従事した後、国内一般消費者向けのセキュリティ対策製品の開発・企画に携わる。国内1,200万以上のサブスクリプションライセンスを発行するネット詐欺対策ソフト『みやブル』をはじめとするプロダクト事業責任者およびスポークスマンとして、メディア出演・外部講演等の実績も豊富。
この記事を書いた人
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