【更年期の養生 Vol.7】慢性化した疲れ、原因は「内臓疲労」かも。今年のうちにケアしよう
いよいよ暮れも押し迫ってきました。「今年もよくがんばった」と自分をほめたい半面、疲れがなかなか抜けないのが悩み⋯⋯なんてことはありませんか?
もしかしたらそれは「内臓疲労」かも。東洋医学で今年のうちにケアしておきましょう。
更年期は肉体的にも社会的にも「内臓疲労」が生じやすい世代
寝ても休んでも、いくら食べても、なかなかとれない慢性的な疲れ。もしかしたらその疲れの原因は「内臓疲労」かもしれません。
一般的な疲労とは筋肉や脳に生じる短期的な疲れですが、内臓疲労とは長期的な生活習慣やストレスの積み重ねなどから内臓の働きが落ちている状態。いったいなぜ、この内臓疲労が慢性的な疲れの原因となるのでしょうか。
東洋医学では、内臓疲労の中心にあるのは「脾(ひ)」の疲れだと考えられています。脾とは五臓のひとつで、消化吸収に加えてエネルギーの生産と分配、水分代謝などをになうほか、「思い悩む」感情とも深く関わっています。つまり、脾が疲れていると消化吸収がうまくいかず、エネルギーの生産と分配が十分に行われないために元気が出ず、水分代謝が滞るために体が重だるくなり、思い悩みやすくなるということ。脾の疲れが長引くと、これらが慢性的な疲れにつながるわけです。
特に更年期は、五臓の「腎(じん)」の力が自然と低下しやすい世代。腎には体全体の熱源が蓄えられており、脾の消化吸収の熱源は腎の熱源からくるものなので、腎の力の低下は消化吸収力の低下にもつながることに。すると消化不良になりやすく、エネルギーを生産・分配する力も弱くなってしまうため、慢性的な疲れを招いてしまうのです。
また、脾はストレスの影響を受けやすい場所でもあります。更年期は家族関係、親の介護、職場での役割変化などさまざまな人間関係や社会環境の変化にさらされる世代なので、ストレスが大きく、そのひずみが脾に大きな負担となってのしかかりやすい状況でもあります。
だからこそ年末年始は、内臓疲労をやわらげる養生で慢性的な疲れを軽くしていくのがいいでしょう。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
Twitter:@MomoOtsubo
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