「幸福力」の鍛え方【心療内科医・海原順子さんに聞く】
「○○を増やせば、幸福度は上がります」
変化に富み、多様性が進む今の時代、自分の生き方を他人任せにせず、運を味方にするための行動をしている人―
〝運がいい人〟とはそんな人かもしれません。幸福を招くヒントは、日々の暮らしのそこここに転がっています。
教えてくれたのは・・・
医学博士、心療内科医
海原純子さん
日本医科大学特任教授を経て昭和女子大学ダイバーシティ機構客員教授。またジャズシンガーとしても活動。著書に『幸福力 幸せを生み出す方法』(潮文庫)など多数。
暮らしのなかでポジティブな感情を増やせば
幸福度は上がります
子育てが一段落する、体調にも変化が表れる、働き方も考えどき……ライフスタイルが変わって新たなフェーズに入る50代。
そんななか、あらためて自分自身の「幸福」について考えてみたいものです。
ところで、「幸福」ってそもそもどんな状態のことなのでしょうか。
心療内科医の海原純子さんにその考え方について聞いてみました。
「幸福とは、良い出来事や嬉しいことがたくさん起こるということではなく、ふとしたときに、心がしんと落ち着く瞬間がたくさんあることではないかと思います」
たとえば家族とともに穏やかに過ごす、愛情や平安に満ちた時間や感謝の気持ち、今日は仕事がうまくいったという自己肯定感、友だちから気持ちを打ち明けられた信頼感、何かものを作ることに熱中し、創造性や好奇心といったポジティブな感情に満ちたとき。
こういった経験を振り返りながら、少しずつ積み重ねていくことが大事なのだそう。
とはいえ、生きていれば、傷つくことや、落ち込むことも。
そうしたときも心のベクトルをマイナスからプラスに向ける方法があります。
「ポジティブサイコロジーという心理学の分野では、〝3対1の法則〟というものがあります。ネガティブな気分になったときを1とすると、それに対してすぐに緊急処置として、ほっとすることを3つ行うと、鬱のスパイラルに巻き込まれるのを回避できるというバランス法です。〝ほっとすること〟というのは、難しいことではなく、お茶を飲む、深呼吸をする、散歩をするといった、いつでも簡単にできることでいいのです。
つまり、〝幸福な人〟とは、嫌なことを転換し、乗り越えていく力を持っている人と言い換えることもできるのではないでしょうか」
また、世代によって「幸福」と感じること、めざす幸せが異なる面も。
ライフスタイルの転換期である50代は、幸福というものをどうとらえたらいいのでしょうか。
「50代という数字に惑わされて、もう50なんだからと何かをあきらめている人が案外多い気がします。でも50代は、本当はとてもいい年齢。若くはないけれど年寄りでもない。
仕事はある程度自分の采配で進められる、子どもの手が離れたのなら、自分の時間を持てる。
自分の幸福を組み立てやすいとも言えます。
たとえば、自分がやりたいと思っていてもなかなかできなかったことをもう一度思い出して、今の人生のなかに贅沢な形で加えてみること。
本当の贅沢というのは、それで儲けなくていい、人と比較しなくていい、人から褒められなくてもいい、ということです。
そんなもの・ことを見つけて、努力していくプロセス、瞬間の積み重ねが、幸福に導いてくれるのだと思います」
photograph: Keiichi Suto illustration: Lily attic text: Mie Minezawa
大人のおしゃれ手帖2026年1月号より抜粋
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