「私だけじゃなかった」50代の今だから共感できる、“クセ強母”を描いた映画3選
怒りっぱなしのブチ切れ母に対して息子と夫は……。
『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』
『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』
© Untitled 23 / Channel Four Television Corporation / Mediapro Cine S.L.U.
ロンドンの小ぎれいな一軒家で、リタイヤ間近の配管工の夫と無職で引きこもりの20代の息子と暮らす中年女性のパンジー(マリアンヌ・ジャン=バプティスト)。常にイライラしているパンジーは、息子が散歩に行くといえば「不審者扱いされるよ!」と罵り、スーパーマーケットに行けば若い女性店員に「その顔なんとかして!」と怒鳴りつけ、他の客と小競り合いをする始末。身近にこんな人いたら本当にいやだな、と思わせるような女性が主人公です。
『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』
© Untitled 23 / Channel Four Television Corporation / Mediapro Cine S.L.U.
食卓でも、怒りにまかせてどうでもよいことをまくしたてるパンジー。夫と息子は黙々と食べるのみ。これがパンジーを刺激しない唯一の方法であると悟ったのかもしれませんが、これでは何を食べてもおいしくないでしょう。
『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』
© Untitled 23 / Channel Four Television Corporation / Mediapro Cine S.L.U.
そんなパンジーと対照的なのが美容師の妹で、彼女は娘たちと楽しく仲良く暮らしています。ある母の日、妹に誘われて、パンジーは亡き母の墓参りに行くことに。墓を前に、パンジーは自分が長年抱えてきた家族への複雑な思いや深い孤独と向き合います。そんな姉に、妹は優しい言葉をかけますが……。
『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』
© Untitled 23 / Channel Four Television Corporation / Mediapro Cine S.L.U.
『秘密と嘘』のマイク・リー監督が手掛けたヒューマンドラマ。パンジーの攻撃的なふるまいは病的ともいえますが、その根本にある日々の虚しさや孤独は、程度の差こそあれ、多くの人が感じたことがあるのではないでしょうか。ただ、ここまでくると、家族も無傷とはいえません。甘くない現実と微かな希望が深い余韻を残します。

『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』
2024年製作
Blu-ray ¥4,400/DVD ¥3,300 発売中
発売元:ニューセレクト
販売元:アルバトロス
© Untitled 23 / Channel Four Television Corporation / Mediapro Cine S.L.U.
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。
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