【香菜子さんの鎌倉移住と新しい暮らし】
整えていくなかで、次の暮らしが見えてきた〈第8回〉
モデルとして、「おぱんつ君」の生みの親でもありアーティストとしても幅広く活躍する香菜子さん。昨年2025年6月に、50歳にして鎌倉へ移住、東京との二拠点生活をスタートさせました。東京で長らく住んでいたマンションを売却して、鎌倉の家に移りました。現在は、鎌倉の自宅と仕事場のある東京のアトリエを往復する日々。
二拠点生活を始めてからもうすぐ一年。ここ鎌倉での暮らしは、香菜子さんにとってどんな時間だったのでしょうか。
次の生活に向けて、少しずつ整理
鎌倉に引っ越して、
もうすぐ一年が経とうとしています。
賃貸の家に住みながら、
一度、腰を据えて、
「どんな家に住みたいか」
「どんな暮らしがしたいか」
「今の仕事のスタイルで、ベストな生活とは何か」
そんなことを、ゆっくり考える時間を持つようになりました。
今の年齢になって、
ただの住み替えではなく、
これからどう生きていきたいか。
文字にすると少し大げさにも感じますが、
自然とそんな流れのなかにいるように思います。
今の賃貸の住まいは、
いずれ出ることが決まっている場所です。
だからこそ、
次の暮らしに向けて、
身の回りのものを少しずつ整理することが、
いつしか習慣になっていました。
整理の基準は、
「要る・要らない」ではなく、
「次の住まいに必要かどうか。
これからも使っていたいか」
という視点です。
そんなふうに、少しずつ暮らしを整えていくなかで、
次に住む場所も決まりました。
どこに住むか、ということ以上に、
どんなふうに暮らしたいか。
その輪郭が少しずつ見えてきた頃に、
自然とその場所が決まっていったように思います。
急いで決めるのではなく、
一度立ち止まって、
これからの暮らしを考える時間を持ちたかった。
今振り返ると、
そんな時間だったのだと思います。
季節の気配が、すぐそばにある
<自然のなかを歩く時間が、日常になっていきました>

自然が多い鎌倉での暮らしは、
道を歩いているだけでも、
季節の変化を感じさせてくれます。
春先には、蕗(ふき)のつぼみや野の花が咲き、
つくしが顔を出し、
よもぎもあちこちに芽吹いている。
朝は、うぐいすの声で目が覚めることもあります。
田舎で育った私にとっては、
「ああ、そうだ。春ってこうだったな」と、
記憶がふっとよみがえるような時間です。
そして、そんな風景を
心地よいと感じている自分に気づきます。
自然が近くにある暮らしがしたかったのだと。
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