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大人のおしゃれ手帖 11月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2024年11月号

2024年10月7日(月)発売
特別価格:1480円(税込) 
表紙の人:西田尚美さん

2024年11月号

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【移住にチャレンジ】東京から山口へ <50歳で移住、「ごはん屋さん」はじめます!>
vol.2 仕事はどうする? 住まいはどうする? 

伊藤啓子、大人のおしゃれ手帖編集部

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伊藤啓子さん50歳。子どもの頃からの夢だった「ごはん屋さん」を立ち上げるため、現在、アパレルの仕事を続けながら、パートナーとともに移住先の山口県とアパレル会社のある東京を往復しながら2拠点生活を送っています。前回は移住への決意と、移住先を決めるまでの紆余曲折が語られました。
第2回目では、「移住に向けた準備」です。計画を実行するために「考えることは山ほどあった」と伊藤さん。その中でも「仕事のこと」「パートナーや実家との関係性」といったことから解決していったといいます。これから移住や新しいことを考えている方、ぜひ参考に!

ホワイトボードを使ってリビング会議
パートナーと移住の理解を深める

↑夜な夜なお酒を飲みながら、パートナーとお互いのイメージを固めていった。やりたいことが多すぎて、いつもボードは真っ黒でした。

「50歳になったら生まれ故郷である山口へ移住する」45歳で決意したあと、
最初に取り組んだことは「移住に向けた計画をより具体的にすること」でした。
本来、私は計画性よりも勢いで行動するタイプ。しかし今回の移住は自分ひとりではなく、パートナーの彼も一緒です。ノリだけで走りだせば「こんなはずじゃなかった」とお互い後悔することは目に見えていましたから、まずふたりのイメージをより具体的にすることが先決。「山口のどこに住む?」「移住後の生活は?」「お店はどこに出す?」「どんなお店にしたい?」「スケジュールは?」など、課題はたくさんありました。
最初のころは晩酌をしながら、イメージを語り合っていました。それはとても楽しい時間でしたが、なかなか具体的なイメージがすり合っていきません。そもそもお互い想いが強いタイプなので、言い合いになることもありました。
そこで実践したのが、お互いの考えを具体的に書くことで、すり合わせていく方法。会社で使うような大きなホワイトボードを自宅に購入し、ふたりの意見をボードに書き出していきました。さながらリビング会議。そうすることで、お互い明確に理解できるようになり、話し合いもスムーズになりました。

移住後も仕事を続けられることに
職場の仲間や会社の理解に感謝

↑ブランドメンバーと。それぞれが自分らしい夢を持っていて、これからも一緒に成長したいと思える素敵な同志たち。

2023年4月、49歳になり、移住に向けた準備もあと1年となりました。
移住に向けた準備を着々と進めながらも、この頃の私が一番悩んでいたのは「仕事」のことでした。当時は、「Elura(エルーラ)」というブランドの責任者をしていました。エルーラは「私が私を好きでいるために、必要な服たち」をコンセプトに40、50代の大人女性に向けて立ち上げたブランドです。

私にとって、想いのあるブランド。もう少しブランド成長の力になりたい、みんなと一緒にがんばりたいという想いは心の中にずっとありました。けれど東京を離れた後、今までのように仕事をすることは物理的に難しい、やはり離れるしかないのかなと悩んでいました。
そんな想いや悩みを、当時の上司やブランドメンバーに率直に相談をさせてもらっていました。みんな私の夢を応援してくれると同時に、何か新しい形で出来ることがないかと一緒に考えてくれました。
これまでは職場のメンバーに(恥ずかしさもあって)、自己開示をしたことがありませんでした。しかし、私が夢や悩みを率直に相談することで、逆にメンバーからも夢や悩みを聞くことが増えました。素直に夢や不安を語り合える、そういった関係性を大人になってから築けたことは私にとって宝物です。
最終的にリモートと出張ベースというかたちで、山口移住後もブランドの仕事を継続できることになりました。関わり方は違うけれど、大好きなブランドの仕事を移住後も続けるチャンスをいただき、応援してくださる会社やメンバーには本当に感謝しています。

弊誌2023年11月号の特集「素敵なあの人の定番服」にブランドのディレクターとして登場してくれた伊藤さん。「いつも素敵に写真を撮っていただけるので、スナップ撮影は楽しみでした」

移住先の「住まい」は中古マンションをリノベ
実家に遠すぎず近すぎずの立地で

中古マンションのリノベーション打ち合わせ。「老後になっても暮らしやすいことをイメージして計画しました」

移住するにあたり大事なことのひとつとして、「住まい」があります。
地方、特に田舎への移住というと素敵な古民家や、庭がある一軒家をイメージされる方が多いかもしれません。しかし、私はこの数十年間、アパートまたはマンションでしか生活していません。その生活スタイルに、体がすっかり慣れてしまっています。
母親から「一軒家はとにかく“草むしり・草刈り”が大変。夏なんてやっても、やっても追いつかないのよ」「あなたは特に出来なさそうだから(笑)、住むなら慣れているマンションの方が便利じゃない?」というアドバイスもあり、住まいは自分たちが住みやすい中古マンションを購入し、リノベーションすることになりました。
次に考えたのが、実家との距離感です。これまでずっと離れて暮らしていたので、親子とはいえ、近すぎるといろいろ起こりそう(笑)。しかし両親が老いていくことを考えると、何かあればすぐに駆け付けられる距離が良いなとも。実家から近すぎず&遠すぎずの距離、車で10分の場所で探すことになりました。

先入観にしばられずニュートラルに
その地域との新しい関係性を

移住するにあたり移住後の生活や仕事、住まいなど考えなくてはならないことはたくさんあります。好きなこと・やりたい気持ちが先行して、こんなはずではなかったと後悔しないためにも、事前に情報を得たり、経験者の話を聞いたり、いろんな想定をしておくことはとても大事だと思います。
また情報を得る中で、「移住ってこうあるべき」「田舎ってこうだよね」といった先入観が先行してしまうこともあります。私は、「〇〇だからこうあるべき」ということは、ないんじゃないかなと思っています。どこであっても、まずは自分のしたいことや心地よいことを優先していい。それを大事にしながら、その土地やコミュニティー、地域の方々との関係性を新しく築いていく。それが「自分らしい移住」を叶えるポイントかなと思っています。

*次回は、いよいよ山口に移住したお話です! お楽しみに!


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この記事を書いた人(写真・文)

伊藤啓子

1974年生まれ、山口県出身。50歳をむかえた2024年春、山口県へUターン移住。現在は、夢だった飲食店オープンに向けた準備を実行中。 インスタグラムにて店舗オープンに向けての情報を発信中です。

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Instagram:@_base1974

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

ファッション、美容、更年期対策など、50代女性の暮らしを豊かにする記事を毎日更新中! ※記事の画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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