【50代のこよみ養生 Vol.6】記憶力もUP!冬のつらいメンタルをケアする薬膳&ツボ押し
メンタルの状態は季節によって変化することが知られていますが、東洋医学では冬は恐怖心が強くなると考えられています。今回はそんな冬のつらいメンタルをケアするための養生法と、記憶力UPにもつながる薬膳食材とツボ押しについてご紹介しましょう。
夜が長い冬は「恐怖心」が強くなる
今日は二十四節気の「大雪(たいせつ)」の5日目。日照時間は9時間48分(東京の場合)で、1年で日照時間が最も短い冬至(21日)の9時間45分に限りなく近づいてきています。
東洋医学では昼が長い季節は体内のエネルギーが外向きにめぐり、夜が長い季節は内向きにめぐると考えられており、秋分以降だんだんと強くなっていった内向きのエネルギーは、夜が14時間以上続くこの季節に最も強くなっていきます。
その内向きのエネルギーは春に備えて生命力を蓄える原動力となりますが、心のベクトルも内向きにするため、この時期は精神状態が内向的になる傾向も。そのためちょっとした物音にもビクッと反応する、昔の嫌な記憶がよみがえってきて不安になる、怖い夢を見る……といった経験が増えるかもしれません。これは恐怖心が強くなっている状態といえます。
東洋医学では、喜・怒・思(思い悩む)・悲・恐というの5つの感情を「五志(ごし)」と呼んでいて、このうち冬は恐(恐怖心)が強くなりやすいと考えられています。
最近の医学の研究では、マウスに天敵のにおいに似せた成分を嗅がせると、低体温・低代謝状態になって冬眠したように動かなくなることが報告されています。これは、天敵をほうふつさせる“恐怖のにおい”が、冬眠状態を導く可能性を示しているのだそう。冬に恐怖心が強くなるのは、寒く厳しい自然を生き抜くために体を守る、前向きな反応なのかもしれませんね。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。