【大人のための絵本】vol.2
モデル・アンヌさんが推す「旅に出たくなる絵本」
旅に行きたくなる絵本
行楽シーズンに、絵本の中で遠くに想いを馳せてみて!
こんにちは、アンヌです。絵本好きのわたしが今回おすすめしたい2冊は、旅に行きたい!という気分にさせてくれる作品です。
みなさん、行楽シーズンがやってきましたね。なかなか移動が難しい時代ですが、それでも「ぱーっと、すっごく遠くへ行きたい!」なんていう思いに駆られたりすることもあるのでは。
全く違う世界に行って、日常をリフレッシュするのも必要ですよね。
とはいえ、仕事や家庭の都合でフットワーク良く旅行に行けるとも限りません。
だとしたら、絵本の中で旅の夢をみてみませんか。
思えば、まだ世界を知らなかった幼少期、私も絵本のなかでたくさんの旅をしてきました。オオカミが悪さをしても壊れないレンガの家がある国。お姫様が暮らしていそうな高い塔のあるお城。道路が川で、移動手段が車ではなく船という町。そんな絵を見ながら、「ああ、いつかこんなところに実際に行ってみたい!」と夢を描くようになったのです。
その場所がイギリスや、フランス、そしてヴェニスだと知ったのは、大人になってから。自分で旅行してみて、絵本で想像した旅と重なったとき、胸がいっぱいになったのを覚えています。
遥か遠くに想いを馳せてみると、不思議と心が和んだり、目の前のことが違って見えたり、思いがけない良いアイディアが浮かんだりするかもしれませんよ。
いざ、出発できるときまで、まずは、絵の中で世界をお楽しみあれ!
『旅の絵本』(全10冊セット本)安野光雅 15,620円(福音館書店)
1977年に出版された第1巻の中部ヨーロッパの旅以来、大人気の眺める絵本シリーズ。巻を重ねるごとに、旅人がイタリア、アメリカ、中国など世界中を巡ってゆきます。街並みや人々の動作が緻密に描かれていて、見ているうちに色々なストーリーが思い浮かんだり、遠い国々への憧れで胸が高鳴ったり。そして、あれ? 童話のワンシーンや名画、有名人や騙し絵が! そんな発見も楽しい、一生ものの作品です。まずは一巻を開いてみて!
*全10冊セット本は、10枚の絵がデザインされたケース入り
『旅の絵本』安野光雅 1,540円(福音館書店)
『ぼくのたび』みやこしあきこ 1,650円(ブロンズ新社)
小さいけれど居心地の良い、自慢のホテルを経営している「ぼく」。毎日様々な国からやってくる宿泊客を迎え入れながら、遠い国へ想いを馳せて暮らしています。飛行機に乗って、自由に行きたいところへ行き、懐かしい友人と再会し食事を共に……。それができたらという「ぼく」の夢は、私たちのどこかへ行きたい、という思いと重なり、旅への後押しをしてくれるはず。どこかノスタルジックな画風も美しく、世界的にも高く評価されている作品です。
選・文/アンヌ
モデル、絵本ソムリエ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒業。モデルのほかエッセイやコラムの執筆などで活躍。最近は地域で絵本の読み聞かせ活動も行っている。
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