愛猫を看取れなかった私の心を救ってくれた。特別な猫本屋「Cat's Meow Books」【東京・三軒茶屋】
記事公開日
月刊誌『大人のおしゃれ手帖』の読者組織「ミモザ会」の公式ブロガーによる『ミモザ会ブログ』。フォトグラファーの野中典子さんによる、猫日記をお届けします。
こんにちは。フォトグラファーの野中典子です。
朝晩はすっかり涼しくなり、夜長に本を開きたくなる季節になりましたね。
先日、我が家にひとつの封筒が届きました。差出人は、東京・三軒茶屋の猫本専門店「Cat's Meow Books(キャッツミャウブックス)」。開けてみるとその中には、大ファンの歌人・仁尾智さんとイラストレーター・小泉さよさんの新刊『猫のいる家にまだいたい』が。しかも、お二人のダブル直筆サイン入り!!! 待ちに待った本との対面は、何度経験しても胸が躍る瞬間です。
今回は読書の秋にちなんで、私がもう何年も通い続けている……いえ、正確には"注文し続けている"猫本屋さんのお話です。
猫好きのためのおすすめスポット
猫が必ずどこかに出てくる本屋さん「Cat's Meow Books」

小説でもエッセイでも、どこかに猫が出てくる本ならOK。そんなちょっと変わったルールの本屋さんです。
以前お店を訪ねたときは、本棚のあいだで猫店員さんがのんびりお昼寝をしていたので、起こさないようにそっと店内を回りました。リラックスして過ごす猫たちの姿を眺めているだけで癒やされる、幸せな空間でした。
以前、オーナーの安村正也さんがこのお店を開くまでが綴られた『夢の猫本屋ができるまで』も読んだのですが、これがまた面白くて……。
安村さんは、救えなかった猫との出会いをきっかけに、保護猫にこだわるようになったのだそうで、猫への思いも人一倍。保護猫をお店に迎えて「猫店員」として接客を手伝ってもらう代わりに、売上の一部を保護猫団体に寄付して、不幸な猫を少しでも減らす一助にする。猫と本屋が助け合う、まさにウィンウィンの関係を築いています。その発想に、すっかり共感してしまいました。
読んだあとは、届く本の重みが少し違って感じられるようになり、それ以来、私の猫本はほぼこちらの通販で。しかもその寄付が売上の10%だと知ってからは、「この1冊がどこかの猫のごはんになるなら」と、注文ボタンを押す指にも力が入ります。まあ、自分への言い訳にもちょうどいいのですが(笑)。
サイン本を予約して"待つ"楽しみ

なかでも一番好きな作家・青山美智子さんの本は、ほぼ100%こちらで購入しています。インスタライブなど青山さんのイベントもたびたび開かれていて、ファンとしてはうれしい限りです。
最新刊の『海辺のエール』も、もちろんサイン本を予約して手に入れました。今は、どこに猫が出てくるのかをワクワクしながら読み進めています。
発売日を指折り数えて、届いた封筒を開けるあの瞬間。お店で偶然出会う一冊もいいけれど、"待つ"楽しみもまた格別です。
そして本につけてくれるオリジナルのブックカバーが、また可愛いのです! さらにグッズも大好きで気づけばTシャツや手拭い、文具など、我が家にじわじわ増えています(笑)。
愛猫の写真が、短歌になった日
以前、仁尾さんの著書『猫と写真と短歌と僕と』の購入者特典「愛猫が短歌になるかもしれないキャンペーン」に、今は亡き愛猫ゆずがエノコログサをくわえた写真で応募したことがあります。すると、なんと一首詠んでいただけたのです。
いま僕はエノコログサの別名が
「猫じゃらし」である理由を見てる 仁尾智
この写真は私のとびきりのお気に入り。シャッターを切った瞬間の思いがちゃんと伝わっている……と、心から嬉しくなりました。たった三十一文字で、あの時の楽しかった記憶や愛おしい時間が生き生きとよみがえってきたことにも驚きました。
私にとって大切な一冊『また猫と 猫の挽歌集』
そしてもう一冊、私にとって特別な本があります。それは、仁尾さんの『また猫と 猫の挽歌集』。この本を企画・編集したのは、Cat's Meow Booksの安村さんです。挽歌とは、亡き人を悼む歌のこと。猫との別れを詠んだ115首がおさめられています。
8年前、もうすぐ8歳の誕生日を迎えるはずだったゆずが、突然の病気で旅立ちました。最期をそばで看取ってあげられなかったこと、病気に気づいてあげられなかったこと。それからずっと、自分を責め続けてきました。
この本の特装版の購入者特典「リクエスト短歌」に、そんな苦しい思いをしたためて応募したところ、仁尾さんから手書きの短歌が届きました。その歌を読んだ瞬間、涙が止まりませんでした。
はじめから誰のせいでもないことで
あなたはあなたにゆるされていい 仁尾智
この本を読んで、辛いのも悔やんでいるのも、自分だけではないと知りました。愛猫を亡くした辛さは消えないけれど、それを抱きしめながら前を向いていい。別れの辛さを嘆くよりも、出会えた幸せを大切にしよう……そう思えるようになったのです。
正直に言うと、今でもページをめくるたびに涙があふれて、なかなか読み進められません。それでも本を閉じたあとは、不思議と温かな気持ちになれるのです。これからもずっと読み続けていきたい、大切な一冊です。

秋の夜長、あなたの心にそっと寄り添ってくれる一冊も、ここで見つかるかもしれません。
この記事の画像一覧
この記事を書いた人
フォトグラファー野中典子
猫と暮らし始めたことをきっかけに「成長の記録を綺麗に残したい」との思いで一眼レフを購入。写真にこだわったブログを始めたところ評判になり、少しずつライター、フォトグラファーとして仕事の依頼が来るようになりました。現在は猫の魅力をより多くの人に伝えたいとの思いで、「猫写真家さくらもえぎ」として雑誌、カレンダーへの写真の提供、写真展への参加など猫愛全開で活動中。
Instagram:@sakuramoegi
Website:https://sakuramoegi.com/
Googleで大人のおしゃれ手帖webをフォロー!
Googleで大人のおしゃれ手帖webをフォロー!
















