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大人のおしゃれ手帖 5月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2024年5月号

2024年4月6日(土)発売
特別価格:1360円(税込)
表紙の人:南果歩さん

2024年5月号

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目覚めるシアター
〜ファッション業界の光と影に触れる〜

世の中にあふれる多くの映像作品の中から、毎回テーマやジャンルを決めて、
今観ておきたい新作映画、配信作品を厳選紹介。

秋から冬へ、おしゃれが楽しくなる季節。
今年は、ファッションの世界を舞台にした映画や、ドキュメンタリーも粒ぞろい。
目にも楽しく、社会への新しい視点や発見をもたらしてくれる3本を紹介します。

『ミセス・ハリス、パリへ行く』

©2022 FOCUS FEATURES LLC.

慎ましい家政婦の人生を変えたディオールのドレスとの出会い

第二次世界大戦で夫を亡くしたミセス・ハリスは、家政婦として働く家のクローゼットでクリスチャンディオールのドレスに一目惚れ。
美しいオートクチュールのドレスを手に入れるためにお金を貯め、ロンドンからパリへと向かう。
慎ましやかに暮らしてきた主人公が一枚のドレスに背中を押され、新しい世界への扉を開ける物語。
分け隔てのないやさしさで階級を超え、周囲の人々を味方につけていく過程に心がじんわりと温かくなる。
当時のメゾンディオールの建物やルックが再現され、華やかな見どころもたっぷり。
なかでも眼福なのが、ハリスの目線で見るファッションショーの場面。
クリスチャン・ディオールがデザインしたものを中心に、インスピレーションを得て新たに作った色とりどりのドレスも登場して、幸せな気分に満たされる。

監督:アンソニー・ファビアン
出演:レスリー・マンヴィル、イザベル・ユペール、ジェイソン・アイザックス、ランベール・ウィルソン

TOHOシネマズ シャンテほかにて全国ロードショー


『マリー・クワント  スウィンギング・ロンドンの伝説』

©2021 MQD FILM LIMITED.ALL RIGHTS RESERVED.

控えめな妻と広報担当の夫ふたりが巻き起こした革命

60年代、あくまでも自分が着たいと思う服を作り、世界中でミニスカートブームを生み出したデザイナー、マリー・クワント。
いくつものレボリューションを起こした彼女の人生を、貴重なアーカイブ映像と関係者へのインタビューで追いかける。
彼女が生み出す自由で軽やか、カラフルな洋服の数々を見ているだけで、スクリーンからあの時代の風が吹いてくるかのよう。
新しいファッションに若者たちが熱狂した社会的な背景、日本との関係が深いライセンスビジネス面や化粧品業界での躍進。
そして実は控えめな性格の彼女を広報担当として生涯支えた夫とのパートナーシップと、母親としての顔。
なりたい自分を表現するためのファッションの楽しさを追い求めたひとりの女性の生き方を、あらゆる角度から描き出すドキュメンタリー。

監督:サディ・フロスト

 

Bunkamuraル・シネマほかにて全国公開


〈Netflix〉
『ホワイト・ホット:  アバクロンビー&フィッチの盛衰』

アバクロの衰退を招いた白人至上主義を暴くドキュメント

半裸のマッチョな白人男性の店員が迎えてくれるショップ。
そこに並ぶアバクロ(アバクロンビー&フィッチ)のアイテムはアメリカ土産の定番だったという大人世代も多いのではないだろうか。
このドキュメンタリーでは、一大ブームを巻き起こしながらも失墜したブランドの影の部分が、これでもかと暴かれる。
採用基準は容姿のみ、白人至上主義でアジア系のスタッフは店頭に出られず、プラスサイズのアイテムはない。
数々の証言で明かされるCEOのあからさまな人種差別やルッキズムは衝撃的で、クローゼットに眠っているアバクロのTシャツを断捨離したくなってしまうほど。
多様性の時代のなか、排他的な姿勢による凋落は当然の流れ。
そう納得するとともに、ブランドの理念に目を向けることの大切さを思い知らされる。

監督:アリソン・クレイマン

Netflix映画『ホワイト・ホット:  アバクロンビー&フィッチの盛衰』独占配信中

 


選・文/細谷美香

大人のおしゃれ手帖2022年12月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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