近藤サトさん、高田聖子さん、藤田一照さんが名答!
大人の「もやもや」相談室 web版②
大なり小なり、暮らしていれば心の「もやもや」はつきもの。
大人のお悩みに、各界で活躍する3名の方からアドバイスをいただきました!
第2回目は「人前で食べるのが恥ずかしい」です。
<お悩み>
「コロナ禍以降、人前で食べるのが恥ずかしくて……」
コロナでマスク生活になり、外食ができない時期が長かったせいか、人前で食事をするのが苦手になってしまいました。一人飯とかで周りが知らない人ならまだいいのですが、知っている人の前だと恥ずかしいのです。なのでランチや飲みに誘われても行きません。この春には、社員旅行が予定されていることを知り、今から欠席しようと考えております。が、これでは楽しみが半減していくので何とか克服したいのですが、どうすればよいでしょうか。アドバイスお願いいたします。
advice
「2年かけてついた習慣は
2年かけて手放す気持ちで」
――藤田一照さん(曹洞宗僧侶)
僕自身はあまり感じたことのない悩みなので答えるのが難しいですが……。でも振り返ってみれば、以前はみんな、普通に人前で食べていたんですよね。この2年でマスク常用が習慣になったわけだから、また2年かけて慣らしていくしかない。時間が解決してくれると思うので、無理はせず、ゆっくり元に戻していけばいいのではないでしょうか。
短期で身についた習慣というのは、短期で手放せるものなので、実際には2年もかからないと思いますが、焦ると余計に苦手意識が強くなってしまうと思うので、気楽にやること。何ごとも、深刻になるとろくなことがありませんから。
advice
「自分が気にするほど
周りは見ていないはず」
――近藤サトさん(フリーアナウンサー)
マスクをするようになってから、いろんな面で生活に支障が出ていますよね。表情が読み取れないからどうしたってコミュニケーションの精度が落ちるし、“以心伝心”ができない。顔が覚えられず、私も日々苦戦しています。
だから、ごはんを食べるくらいで恥ずかしがっていちゃだめ! 飲み会も社員旅行も行った方が、絶対に楽しいですよ。
それに、あなたが思っているよりも、周りはマスクの下の顔を注視してはいないはず。それよりもごはんがおいしいかどうか、どんな会話をしているかどうかの方が大事。がんばって克服してください!
advice
「鏡の前で「食べ方」の練習をしてみては」
――高田聖子さん(女優)
この方の気持ち、私もよく分かります。マスクを外すって、この3年隠していたところを見られるようなものですから。そもそも、ものを食べているところを見られることが、恥ずかしいという感覚があります。しかも、長く人と食事をしていなかったから、自分がどうやって人前で食べていたのか忘れてしまいますよね。
社員旅行については、「恥ずかしいんです〜。でも徐々に慣れていきますので」と正直に言うのはどうでしょう。それも難しければ、家で鏡を見ながら素敵な食べ方を練習してみる。自分の食べ方に納得したうえで、大勢の食事会や社員旅行へ参加してはいかがでしょうか。
<アドバイスをいただいた方>
藤田一照さん(曹洞宗僧侶)
1954年生まれ。28歳で東京大学大学院を中退し禅道場に入山し、曹洞宗僧侶に。33歳で渡米し、禅の普及に従事した後、2005年に帰国。著書に『ブッダが教える愉快な生き方』(NHK出版)など。
近藤サトさん(フリーアナウンサー)
1991年、フジテレビにアナウンサーとして入社し、報道番組を担当。1998年に同社を退社し、フリーランスに転身。2011年より母校の日本大学芸術学部放送学科特任教授も務める。
高田聖子さん(女優)
1987年「阿修羅城の瞳」より劇団☆新感線に参加。以降、看板女優として活躍。1995年に様々な演劇人とコラボするプロデュースユニット「月影十番勝負」「月影番外地」を立ち上げ。
取材・文:工藤花衣 イラスト:山﨑美帆
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