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大人のおしゃれ手帖 6月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2024年6月号

2024年5月7日(火)発売
特別価格:1400円(税込)
表紙の人:桐島かれんさん

2024年6月号

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北欧便りvol.2  日常に寄り添うカフェの魅力とは?

北欧の国ノルウェーはオスロから、大人世代に伝えたい暮らしのヒントをレポートする「北欧便り」。
第2回は、日常に欠かせないというカフェの魅力。
人々がカフェに集うのは、おいしいコーヒーだけが目的ではないようです!

北欧はコーヒーの消費量が世界一

北欧は一人あたりのコーヒー消費量が世界トップクラスです。一人が一年間にどのくらい飲むかというと、フィンランド12kg、ノルウェー9.9kg、 アイスランド 9 kg、デンマーク8.7kg(国際コーヒー機関ICO調べ)というデータがあり、ノルウェー人は1日に4杯以上ものコーヒーを飲んでいるといわれています。ちなみに日本は3.6kgですから、日本の約3倍近くの量なんですね!

「飛行機に乗ってでも飲みに行きたい!」
――オスロのカフェで極上の一杯を

北欧の中でもノルウェーは、良質なコーヒーが味わえるカフェが多いと評判です。世界バリスタチャンピオンシップの優勝者はノルウェー人が多く、彼らが出店したり働いていたりするカフェが多いから。一流のバリスタは、豆の焙煎に妥協せず、丹精こめて一つ一つ丁寧にコーヒーを淹れる職人気質に溢れています。オスロは、海外の雑誌から「飛行機に乗ってでも飲みにいきたい!」と評されたカフェが存在する、世界屈指のコーヒーの街なのです。

世界中のコーヒーマニアがひっきりなしに訪れる"カフェの聖地"「Tim Wendelboe(ティム・ウェンデルボー)」。バリスタチャンピオン世界一を誇る、コーヒー業界の神的存在ウェンデルボー氏のお店だ。スタイリッシュな店内の一角に焙煎機が置かれ、エアロプレスという抽出法で極上のブラックコーヒーが飲める。

素朴なスイーツもカフェの愉しみ

↑ 伝統的な菓子パン、カルダモンの効いた「ボッレ」(左)

ノルウェーのコーヒーは、浅煎り、フルーティで少し酸味があるのが特徴。さっぱりして軽いので何杯でも飲めます。そんなコーヒーにぴったり合うのが伝統的なパンやお菓子。なかでもボッレと呼ばれるカルダモンの入った丸いパンや北欧らしいシナモンロール、また人参ケーキ、ブラウニー、クッキーなどの焼き菓子が人気です。ノルウェーのスイーツはとってもシンプルで素朴。どれも浅煎りのコーヒーにぴったり合うんですよ。

ノルウェーの伝統的なスイーツであるココナッツボールは、ナッツやオーツ麦が入ったチョコレート菓子。ココナッツでコーティングされており意外にクリーミー。

カフェの定番はヘルシーな人参ケーキ。細かくスライスされたドライフルーツやナッツが入っていてチーズケーキがトッピングされている。しっとりとした食感の甘さ控えめな人気スイーツだ。

ノルウェー女性とカフェとの親密な関係

ノルウェー人は、日常的にカフェを利用しています。パソコンを持ち込んで仕事をしたり、友達や家族と会ってお茶を飲んだり、一人時間を楽しんだりと様々な用途に合わせて、まるで自分の家のようにリラックスして過ごします。ファッションブティックのオーナーであるエヴァ・ソフィア・ウルスルップさんも、毎日カフェに行くというカフェ・フリーク。
「お気に入りのカフェがいくつかあって、その日の気分で選ぶの。子どもや友達と一緒のときもあるけれど、一人でふらっと立ち寄ることも多いです。もちろん家でもコーヒーは飲めるけれど、オスロには最高品質のコーヒーが飲めるカフェがたくさんあるから、美味しい一杯を味わいに立ち寄るんです。人々のざわめきを感じながら、コーヒー片手にほっこりした豊かな時間を過ごせる、そんな空間が大好きなんです」

ノルウェーではなぜこんなにカフェ文化が発達したのでしょう。
「それには過酷なノルウェーの天候が影響しているといえるでしょうね。ご存じのようにノルウェーの冬は、暗くて寒くて、心が沈みがち。しかも、ノルウェー人は慎重で保守的な気質を持っていてオープンではないの。ともすれば、一人家にこもって孤独に押しつぶされそうになりがち。そこでカフェは社交場の役割をしているんです。ここに来れば、温かいコーヒーと人々がいる。少し元気になれる。カフェ文化は、人々がこの国で暮らしていくサバイバル術のひとつとして発展していったと思いますね」

「カフェ友達」との心地いい時間

カフェ通いが生活の一部になっているというエヴァ・ソフィアさんに、カフェでの過ごし方を教えてもらいました。
「ノルウェーには"カフェ友達"というのが存在するんですよ。行きつけのカフェで、よく会う人のことをそう呼ぶんです。カフェ以外では会うこともないの。ただカフェでお喋りするだけの関係なんだけれど、それがすごく心地いいんです。カフェ友達とは、何でもオープンに話をするの。私が離婚したときも、カフェに行ってあれこれ全部話したものです。とてもヒュッゲリでしょう?」
ヒュッゲリ(Hyggelig)とは、ノルウェー語で心地いい、楽しいという意味の形容詞。ノルウェー人は常に心地よい瞬間を大事にしています。ほっこりできるひとときや空間を尊重し合うのです。このように、カフェはノルウェー女性にとってなくてはならないもの、パワーチャージできる大切な場所なのです。

今日もオスロのカフェでは、二人組や三人組の女性グループがコーヒーとともに心地いい楽しいひとときを過ごしている。カフェKUROにて。

オスロのおしゃれ地区グルーネルロッカにあるカフェKURO。店内は高感度なデザイン家具が置かれミニマムモダンな雰囲気。ここのオーガニックのシナモンロールがとても美味しいと評判。土地柄、ファッション業界や広告関係者、アーティストやクリエーターの憩いの場だ。

↑ カフェでパソコンをひろげ仕事をする女性たち。コーヒー1杯で何時間居ようともお店からとやかく言われることは一切ない。極めて自由で牧歌的なノルウェーのカフェの日常風景だ。オーガニックカフェGodt Brod(ゴットブロー)にて。


写真、文:古澤恭子
出版社で女性誌編集に携わった後、2010年北欧に移住。現在ノルウェー・オスロ在住、ライター&編集者、コーディネーターとして活動。


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