良質な睡眠に導く、就寝直前と起床直後の習慣とは
グッズやサプリ、良い効果をもたらす食品など、「睡眠の質」向上への関心が高まる昨今。
良質の睡眠は、脳や体のパフォーマンスを高め、肥満や生活習慣病、認知症などの予防にも役立ちます。
就寝前だけでなく、朝の過ごし方も見直してみて。
良質な睡眠を得るには?
3人の先生に、おさえておきたいポイントを伺いました。
目次
朝日を浴びるとその日の晩も眠りやすい
寝つきが悪いという人に試してほしいのが、朝、太陽の光を浴びること。
体内時計がリセットされるとともに、「セロトニン」というホルモンが分泌されます。
「セロトニンはイライラを抑え、心のバランスを整えてくれる幸せホルモン。また夜の眠りを誘うメラトニンの原料にもなるのです」(石原先生)。
セロトニンは14〜16時間後にメラトニンに変わるので、朝起きたらカーテンを開けて、しっかり日光を浴びましょう。午前中のウォーキングもおすすめです。
キウイやホットミルク、就寝前にとると快眠に
睡眠との関係で注目を集めているのが、キウイフルーツ。
不眠症の人に就寝1時間前にキウイフルーツ2個を食べてもらったところ、睡眠の質が大きく改善されたという研究結果が報告されています。
これはキウイに「トリプトファン」という必須アミノ酸の一種が含まれているからだそう。
トリプトファンはキウイ以外にも、青魚や肉、卵、大豆、乳製品、アボカドなどに含まれています。
「胃腸に負担をかけたくない就寝前なら、ホットミルクもいいでしょう」(久保先生)。
テレビや照明をつけたまま寝る女性は太りやすい
あなたは灯をつけたまま寝る派? それとも真っ暗にして寝る派ですか?
アメリカ国立衛生研究所の調査によると、部屋の照明やテレビをつけたまま眠っていた女性では、5㎏以上体重が増えた割合が高いという報告があります。
「人工的な光が、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌や体内リズムに悪影響を与えるのではないかと考えられています」(久保先生)。
寝るときは真っ暗にしたほうが、睡眠の質にもダイエットにもよさそうです。
パジャマ選びは「心地よさ」重視で
睡眠科学 パジャマ¥14,300/ワコール(ワコールお客様センター)
コットンやリネンにシルクなど、さまざまな素材のパジャマがありますが、自分が心地よいものがいちばん。
「心地よさはリラックス感につながり、眠りを誘います。リカバリーウェアなども自分に合っていればOKです」(石原先生)。
ただ1つ気をつけたいのは体を締めつけないこと。
「小さな石が1つでも靴の中に入っていると、気になって歩けなくなりますよね。締めつけは意識していなくてもストレスになるので、ゆったりしたものを選んで」(今津先生)。
寝だめは×。生活リズムが崩れるうえ、病気のリスクも
日頃の睡眠不足を解消すべく、週末はゆっくりと朝寝坊を楽しみたいところですが、健康のためにはNG。
平日と休日の就寝・起床リズムのズレは体内時計を狂わせて、肥満や心臓病のリスクを高めるという研究結果が報告されています。
休日の朝寝坊はほどほどにして、体内時計のリズムをなるべく一定に保つのが健康の秘訣。
「1時間以上の昼寝も糖尿病の発症リスクが31%増えるというデータがあります。昼寝をするなら30分以内にとどめて」(久保先生)。
睡眠は“量より質”。長すぎると問題も
睡眠は脳や体の疲労を回復させるだけでなく、深い(ノンレム)睡眠時は、認知症の原因ともいわれる「アミロイドβ」という脳内のゴミを排出するおそうじタイムでもあります。
とはいえ睡眠時間が長すぎるのも問題。
「65歳以上の高齢者で軽度認知障害(MCI)と診断された人は、そうでない人に比べて、睡眠時間が5.41時間以上と長い傾向が見られました。
睡眠時間の長さが脳の糖代謝に悪影響を与えている可能性が指摘されています」(久保先生)。
大人世代は睡眠の長さより、質を高めることを考えて。
50代以降は成長ホルモンの分泌のピークがなくなる!
成長ホルモンは、骨や筋肉の成長や細胞の修復、たんぱく質の合成にかかわるホルモンです。
日中にも分泌されていますが、就寝直後の数時間に分泌量が大きく増えます。
ただし、これは10~30代の若い人のお話。
研究によると、中高年層には成長ホルモンの大きなピークは見られないとのこと。
「残念ながら50代以降は、成長ホルモンによるアンチエイジング効果は期待薄。ほかの健康習慣を積み重ねていきましょう」(久保先生)。
教えてくれたのは・・・
久保 明先生
医学博士・東海大学医学部客員教授・医療法人財団百葉の会銀座医院院長補佐。アンチエイジング医学の専門家。『最新医学でわかった新健康常識 カラダに良いこと 悪いこと』(永岡書店)など著書多数。
今津嘉宏先生
芝大門いまづクリニック院長。外科医としての豊富な経験を活かしつつ、漢方医学に基づいた生活指導を行う。著書に『最強の免疫力』(ワニブックス)、『健康保険が使える漢方薬の事典』(つちや書店)など。
石原新菜先生
イシハラクリニック副院長、内科医。漢方医学、自然療法、食事療法を中心とした診療を行っているほか、テレビやラジオ、雑誌などでも活躍中。主な著書に『石原新菜的やせるのは、どっち?』(小学館)などがある。
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ワコールお客様センター 0120-307-056
撮影/木村 慎 スタイリング/石井あすか 文/寺本 彩 協力/UTUWA、TITLES
大人のおしゃれ手帖2023年2月号より抜粋
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