ハロウィンに観たい、ティム・バートンの傑作ファンタジー3選
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』© 2023 Disney
ハロウィンを描いた映画といえば、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』が真っ先に浮かぶ、という人は多いのでは? ハロウィン・タウンが舞台のダーク・ファンタジーで、原作や製作を鬼才ティム・バートンが手掛けて大ヒット、公開から30年を経た今でも色褪せない魅力を放っています。そんな本作とともに、数あるバートン作品の中から今あらためて観たいファンタジーとして『ティム・バートンのコープス ブライド』『ビッグ・フィッシュ』の3作を紹介します。
“カボチャ王”がクリスマスに憧れて大暴走!?
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1993年)
ハロウィン・タウンの人気者で“カボチャ王”ことジャックは、毎年同じように繰り返されるハロウィンの準備に飽き飽きしていました。そんなある日、ジャックは森の中で奇妙な扉を見つけます。扉を開けると、そこは色とりどりの光が輝く白銀の世界! クリスマス・タウンの美しさに魅了されたジャックは、薄暗い自分の町に戻って自己流でクリスマスを計画しますが……。
自分を見失っていたジャックが憧れを実現するために奮闘する姿に勇気をもらえる本作。骸骨のような姿のジャックをはじめホラーな見た目の町民たちですが、ストップモーション・アニメーションならではの手作り感と温もりがあり、とにかく可愛らしいのです。ミュージカル風なのも楽しい!
ティム・バートンは原作・製作・キャラクターデザインを手掛け、監督はヘンリー・セリック(『コララインとボタンの魔女』など)が担当。何回観てもワクワクさせられる世界観と普遍的で力強いメッセージを湛えた名作です。
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』
4K UHD 製作30周年記念コレクターズ・エディション(期間限定)発売中/
デジタル配信中(購入/レンタル)
発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン
死体の花嫁と青年が織りなすロマンティックな物語
『ティム・バートンのコープス ブライド』(2005年)
成金の両親を持つ気弱な青年ビクター(声:ジョニー・デップ)は、箔をつけるために没落貴族の娘・ビクトリア(声:エミリー・ワトソン)と結婚させられることに。ビクトリアの両親もまた、貧乏から脱するために娘を成金一家に嫁がせることに。結婚式の予行練習でしくじってばかりのビクターが森をさまよっていると、“死体の花嫁”(声:ヘレナ・ボナム=カーター)が現れ、死者の世界へ連れ去られてしまいます。死体の花嫁の悲しい過去を知ったビクターの決断は?
ティム・バートンが共同監督・製作を務める本作は、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』と同様のストップモーション・アニメーションで、おどろおどろしい死者や亡霊も愛嬌いっぱいに描かれています。面白いのは、親の言いなりで制約だらけのこの世はモノクロで陰気に描かれていて、死者の世界はカラフルにいきいきと描かれていること。死者と生者の世界が混ざり合った末に導かれるラストシーンの清らかな美しさが心に残ります。
『ティム・バートンのコープス ブライド』
ブルーレイ ¥2,619/DVD ¥1,572
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
人生を豊かにしてくれるファンタジー
『ビッグ・フィッシュ』(2003年)
釣れない魚、死を予見する魔女、旅を共にした巨人、不思議な町で出会った詩人のことなど、まるでお伽話のように自分の人生を語り、みんなを楽しませてきたエドワード。しかし、一人息子のウィルは父の“ほら話”にうんざりして、やがて疎遠に。ある日、父の死期が近いと連絡を受けたウィルは、妻を伴い実家に戻ります。ベッドに横たわりながら相変わらず荒唐無稽な話をする父に、本当のことを知りたいと言うウィルですが……。
作家ダニエル・ウォレスのベストセラー小説を原作に、ティム・バートン監督が実写映画化。若き日のエドワードをユアン・マクレガー、老いたエドワードをアルバート・フィニーが演じたほか、バートン作品常連の俳優が多く出演しています。
現実はひとつでも、その人がどう捉えるかによって世界は違ってくる。それならば想像力を豊かにして楽しく生きたい。そんな気持ちになれる見事なファンタジーです。
『ビッグ・フィッシュ』
デジタル配信中
Blu-ray ¥2,619/DVD ¥1,551
発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。
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