【よきかな源氏物語】紫式部ってどんな人?
NHK大河ドラマ『光る君へ』の聖地で物語を深掘り!
知れば知るほどおもしろい!
屛風で深掘る『源氏物語』
狩野山楽の『源⽒物語押絵貼屏風』
注目ポイント① 第5帖「若紫」
(写真右から3番目)
この場面は、第5帖の始まりのエピソードである紫の上との出会いが描かれています。
彼女は、恋多き光源氏が“生涯で最も愛した女性”といわれている人物です。
【物語のあらすじ】
ある日、通りがかりの家の軒先で、ひとりの少女・若紫と遭遇した光源氏。
少女の容姿が恋焦がれていた義母・藤壺に瓜二つだったことから、光源氏は猛烈に彼女に惹かれ、引き取ることを決意。
そして、彼女にさまざまな教養を身につけさせ、理想的な女性へと育て上げたのち、自分の妻として迎えるのでした。
注目ポイント② 『源氏物語』第9帖「葵」
(写真右から6番目)
屏風に描かれた“車争い”は、第9帖「葵」のなかでも特徴的な場面。『源氏物語』のなかでは珍しく、荒々しい騒動が描かれています。教科書で取り上げられることもあるほど、有名なエピソードです。
【物語のあらすじ】
光源氏の正妻である葵の上は、祭りに参列する光源氏を見るため、牛車に乗って出かけていた。ところが、同じタイミングで見物に来ていた光源氏の愛人・六条御息所の牛車と鉢合わせ。両者の家人が場所を取り合う形になり、最終的に六条御息所は立ち退きを余儀なくされることに。
この一件で恥をかかされたと感じた六条御息所は、のちに生霊となり、葵の上を呪い殺してしまうのでした。
狩野山楽の『源⽒物語押絵貼屏風』は右隻と左隻で分かれている大作。
企画展の前期に右隻、後期に左隻を公開予定です。
前期:2024年1 月18 日(木)~3 月4 日(月)
後期:2024年3 月6 日(水)~4 月7 日(日)
この記事の監修者
「嵯峨嵐山文華館」学芸員阿部亜紀
専門は近代日本美術史(洋画/日本画)。京都女子大学大学院博士前期課程修了。2020年4月に入職し、2023年3月に京都女子大学大学院博士後期課程を修了し学術博士を取得した。 木島櫻谷や白瀧幾之助を中心に研究している。近年担当した展覧会は「THE 百人一首」展(2020年)、「いきものがたり ~十二支になったいきものと、なれなかった猫たち~」展(2020年)、「悲運の画家たち」展(2020年)、「絵でよむ百人一首と源氏物語」(2021年)、「木島櫻谷」展(2021年)、「開館3周年記念 福美の名品展」(2022年)、「どうぶつ美術館」(2022年)など。中学3年生から大切にしている座右の銘は「努力は一瞬の苦しみ、後悔は一生の苦しみ」。京都で生まれ育った生粋の京女で京都検定2級を保有している。
この記事を書いた人
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