松之助オーナー・平野顕子さんの N.Y.からおすそ分け vol.3
インディペンデンスデー(アメリカ独立記念日)の楽しみ方
7月4日はアメリカの独立記念日。
独立記念日とは、1776年に「アメリカ独立宣言」が公布されたことを記念した日で、アメリカにとって欠かすことのできないとても大切な日です。
それまでイギリスによって統治されていた北米13植民地が団結し、自由と平等を謳う新しい国・アメリカを作ろうと、イギリスからの独立を宣言しました。
現代にも「自由」「平等」「チャンス」などアメリカを表す言葉がいくつかありますが、それらはイギリスから独立した後に自分たちが目指す国の姿として持っていた理想であり、ずっと受け継がれてきた精神ともいえます。
今では、アメリカ建国当時から脈々と受け継がれてきた「アメリカの伝統・法・歴史・社会・人々」に対する感謝と誇りを表すものとなっています。
英語ではこの日を、インディペンデンスデー(Independence Day)や、7月4日に祝われることからザ・フォース・オブ・ジュライ(The Fourth of July)と呼ばれています。
アメリカの祝日は、1年で10日ほどしかありませんが、独立記念日はそのうちの1つであり、アメリカ人にとって感謝祭やクリスマスと同じくらい特別な日なのです。
この日は、アパレルを扱うお店から、スーパーマーケットやドラッグストアでも星条旗が描かれたパーティグッズ等を扱うコーナーが設置され、国全体がお祝いムードに包まれます。
そして、この日は“家族や仲の良い友人&知人らで集まって一緒にお祝いする”というのが定番。
近年、独立記念日を祝して「特別セール」を行う企業が増えてきたことから、ショッピングを目当てに外出する人もいますが、普段と比べると人出が少なくなるので、街や道路はビックリするぐらい閑散とします。
日中はバーベキューやピクニック、地域によってはパレードに参加し、夜は花火といった派手なイベントに足を運ぶのがアメリカ人流独立記念日の楽しみ方です。
マンハッタンではイーストリバーやハドソン川で花火大会が開催されて、音楽祭のように華やかな祭典が開催されます。
我が家も例外でなく、毎年義理の弟夫婦の家に家族みんなで集まり、おいしい料理を囲みながら楽しいひと時を過ごすのが恒例です。その年によってはバーベキューやピクニックを企画することもあります。
今年は4日が月曜日にあたり、三連休でゆっくりと楽しむことができました。
まずは義弟の家に集合して、一緒にスーパーにお買い物へ。
オイスターや帆立、ワインなどを調達!
今回、料理はもっぱら義妹が作ってくれたので、私はお料理の助手と洗い物、お花を生けることに徹しました!
夕暮れ時になると、外でいい風を感じながらのディナーとおいしいワインに舌鼓♪
私は日本人、夫はウクライナ人、生活をしているのはアメリカ。
もともと言葉も習慣も違いますが、みんな気持ちのいい人たちで、私自身も無理しないでいられる。家族の距離感も心地いいんです。
平野顕子
料理研究家、スイーツ店「松之助」オーナー
京都の能装束織元の家に生まれる。47歳でアメリカ・東コネチカット州立大学に留学。17世紀から伝わるアメリカ・ニューイングランド地方の伝統的なお菓子作りを学び、帰国後、京都・高倉御池に「Café & Pantry 松之助」、東京・代官山に「MATSUNOSUKE N.Y.」と、アップルパイとアメリカンベーキングの専門店をオープン。京都と東京にはお菓子教室を開校。2010年、京都・西陣にパンケーキハウス「カフェ・ラインベック」をオープン。著書に『アメリカンスタイルのアップルパイ・バイブル』(河出書房新社)、『「松之助」オーナー・平野顕子のやってみはったら! 60歳からのサードライフ』(主婦と生活社)など多数。プライベートではひとまわり以上年下のイーゴさんと再婚し、サードライフを過ごす。
text/Emiko Yashiro(atrio)
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