香水にまつわる映画3選
~「ディオール」や「エルメス」の調香師の監修作も~
『パリの調香師 しあわせの香りを探して』© LES FILMS VELVET - FRANCE 3 CINÉMA
春から初夏の花が美しい季節です。
先日、とある民家の庭先を彩るバラからほんのりと甘くフレッシュな香りが漂ってきて、道行く人々を楽しませていました。
バラの香りはさまざまな香水の原料となっていますが、こんな素敵な香りを身につけたい、と思うのは自然なことでしょう。
そこで今回は、香水にまつわる映画とドキュメンタリーを紹介します。
目次
元トップ調香師と運転手の再起を描く感動作
『パリの調香師 しあわせの香りを探して』
アンヌ(エマニュエル・ドゥヴォス)は、ディオールの香水❝ジャドール❞をはじめ、数々の名作を手がけてきた花形調香師。
けれども現在は、芳香剤や悪臭対策などの仕事を引き受けながらひっそりと暮らしています。
気難しいアンヌは、タクシー会社の運転手たちからも不評を買っていましたが、なぜかギヨーム(グレゴリー・モンテル)のことを気に入り、運転手に指名。
ギヨームはアンヌに我慢がならないものの、娘の共同親権を得るために仕事と新しい家が必要なことから、仕方なく引き受けます。
何気ない会話を通じて、ギヨームはアンヌが表舞台を退いた理由を知り、彼女もまたギヨームの隠れた才能に気付きます。
やがてアンヌは「再び香水をつくりたい」という思いを強くしますが……。
オリジナルの物語ですが、トップ調香師の世界を描くため、ディオールが撮影協力、エルメスの専属調香師が監修を務めた本作。
香りに敏感なアンヌは、タバコはNG、洗剤の香りが残っているホテルのシーツもNG、という具合で、調香師という仕事の大変さも垣間見れます。
近寄りがたいアンヌと人懐こい雰囲気のギヨームという凸凹コンビが再起をかけて奮闘する感動作です。
『パリの調香師 しあわせの香りを探して』
2019年製作
DVD ¥4,180
発売元:アット エンタテインメント
販売元:TCエンタテインメント
© LES FILMS VELVET - FRANCE 3 CINÉMA
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。