【堤真一さん・瀬戸康史さん】インタビュー
「毎日が気づきの連続。それが二人芝居の醍醐味です」
初共演となる堤真一さんと瀬戸康史さんが挑むのは、近未来の世界を舞台にした二人芝居『A Number—数』。ある秘密を抱えた父を堤真一さん、その息子を瀬戸康史さんが演じます。SF的な要素の詰まった作品の見どころや、稽古への意気込みをたずねました。
目次
【堤真一さん・瀬戸康史さん】インタビュー 「毎日が気づきの連続。それが二人芝居の醍醐味です」
「わからない」から始めて、僕たちだけの正解を見つけたい(堤さん)
——『A Number—数』は、人間のクローンを作ることが可能となった近未来の世界を舞台にした二人芝居です。演出を手がけるジョナサン・マンビィさんと堤さんは、既に『るつぼ』『ウェンディ&ピーターパン』などでご一緒されていますよね。
堤さん(以下、堤):僕はまたジョナサンとご一緒できるなら、どんな作品でも良かったんです。でも、まさか二人芝居が来るとは思ってなかったですね。ジョナサンはどちらかというと、大人数を使った演出が得意な人なので。それは嬉しい驚きではありますけど。
瀬戸さん(以下、瀬戸):以前、ジョナサンさんのワークショップに参加したことがあるのですが、俳優の考えを尊重して自由にやらせてもらえたのが本当に楽しくて。いつかご一緒したかったので、すごく嬉しいですね。
堤:ただ、今回の脚本はとても難しいんですよね。技術が発達した世界で、人間が「命」の領域に踏み入ることが許されるのか……という答えのないテーマなので。もしかしたら、観た人が「最終的に何が言いたかったんだろう?」と思ってしまう可能性もある。ただジョナサンは、「わからない」から始まって、そこから一緒に紡いでいく演出家なんです。作品によっては、演出家と役者って先生と生徒のような関係で、役者は先生にとっての正解を求めがちになる。でもジョナサンはそうではなく、僕たちだけの正解を見つけようとしてくれる。だから自分の無知なところも全部さらけ出せるんです。
瀬戸:最初のプロットでは、父と子の関係を描いた重くて悲しい話かと思ったんです。でも台本を読み終わったとき、とても希望のある作品だと感じたんですよね。というのも、僕が演じるマイケルという人物の生き方や考え方がすごく前向きで。僕も日々ポジティブでありたいと思っているので、彼の生き方に共感しました。
堤:僕が演じる父親は、自分の息子をクローン技術で複製しようとするけれど、そういう思いは僕には理解できない。人の肉体を遺伝子で複製することができたとしても、魂は違うものじゃないかな……と。僕個人はこの父親みたいな判断はしない。だから、どんな解釈をしていくかはジョナサンと稽古をしながら話し合っていきます。
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