【著者インタビュー】行正り香さん
人生を豊かにする住まい作り。残りの人生をいかに過ごすか?
『人生を変える リノベーション』
料理家としても、インテリアデザイナーとしても活躍する行正り香さんの新刊のテーマは人生を豊かにする住まい作り。
残りの人生をいかに過ごすか、考えるきっかけになりそうです。
住まいを変えることで時間の使い方も変化する
ライフステージが大きく変化する人も多い50代。「人生の節目をポジティブに迎えたい」と考えたとき自分の空間を変えるのはとても有効な手段だと行正り香さんは話します。
「もう一度、自分の人生を生き直そうと思ったら、やっぱり好きなことをして、充実した時間を過ごしたいですよね。ワイン、料理、音楽など好きなことは人それぞれですが、そのための場を作ることで、家での過ごし方や時間の使い方も変わります。
もし自分の『好き』が分からなければ、『嫌い』に目を向けるのも手。私はごちゃごちゃした部屋はイヤ、賑やかすぎる色使いは苦手……など、嫌いなことをハッキリさせていくと、その先に好きなことが必ず見つかります」
部屋の雰囲気を変えるには、照明やラグを替えるだけでもいい、と行正さん。
そうしたリノベーションや模様替えのノウハウをまとめたのが新刊の『人生を変えるリノベーション』です。
「リノベーションの本の多くは水回りやバリアフリーなど機能性に特化していますが、本書では〝人生を豊かにするためのリノベーション〟に目を向けています。予算や優先順位の考え方など、現実的なプロセスについても、ステップごとに分かりやすくまとめました」
自分好みの空間を作り上げるのは楽しい反面、難しさもありますが、「視野を広げること」でセンスは磨けるそう。
「お気に入りのショップにバッグやアクセサリーを買いに行ったら、目当ての商品だけでなく、床や壁の素材や色使い、装飾など全体像を見て、そのショップの世界観を作り出す要素がどこにあるのか考えてみるといいですよ。お買い物ひとつでも、視点を変えることで自分の審美眼をトレーニングできるんです」
この日取材に訪れた行正さんのスタジオは、北欧家具を中心に自身が集めた絵画や照明、オブジェに囲まれた心地いい空間。
「私にとって、家は思い出をコレクションするための場所でもあるんです。『これはデンマークへ旅行したときに手に入れた家具』『これは娘がプレゼントしてくれたもの』と、ひとつひとつのアイテムに思い出が詰まっています。
飾るときは美術館のアートキュレーターになったつもりで、『どうしたら自分の思い出を美しくディスプレイできるか』を考えています」
『人生を変える リノベーション』
行正り香
¥2,640(講談社)
行正さんの自邸をはじめ、40代ファミリー、50代のひとり暮らし、子どもが巣立った後の60代夫婦……と、自身が監修したリノベーションや模様替えの実例を紹介。
照明や家具の配置、選び方、DIYのコツなど心地よく過ごせる空間作りのヒントが詰まっています。
この記事を書いた人
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