50代以降に発症しやすい「指定難病」を知る
重症筋無力症(指定難病11)
全身の筋力が低下する病気で、発症年齢の中央値は全体で59歳、男性では60歳、女性では58歳です。男女比では女性にやや多く見られます。主な症状は筋力低下と疲れやすくなることです。特に眼瞼下垂など眼の症状が起こりやすく、ほかの症状として食べ物が飲み込みにくくなることもあります。
治療は対症療法と免疫療法があります。少ない薬で症状をコントロールできれば、普通の日常生活を送ることができます。
広範脊柱管狭窄症(指定難病70)
頚椎、胸椎、腰椎の広範囲にわたり脊柱管(背骨にある神経の通り道)が狭くなり、脊髄神経の障害を引き起こす病気です。中年以降、特に60代に多く、男女比は2:1です。症状は手や下肢のしびれ、歩行障害、頻尿など。
治療では固定装具などで局所を安静にし、鎮痛消炎剤などの薬を使用します。症状によっては手術療法を行うこともあります。
前頭側頭葉変性症(指定難病127)
初老期に発症し、大脳の前頭葉や側頭葉を中心に病気が起こり、行動障害や言語障害などが徐々に進行する認知症です。「前頭側頭型認知症」「意味性認知症」「進行性非流暢性失語症」の3つに分類されます。根本的な治療薬は確立されておらず、対症療法が中心となります。
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この記事の監修者
医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長菊池大和
2004年3月、福島県立医科大学医学部卒業後、湘南東部総合病院外科・外科科長などを経て、令和元年5月1日より現職。「総合診療、救急診療を通じて、地域医療に最大限に貢献する」ことを目的に日々診療を行う。 救急センター長日本救急学会救急科専門医、日本外科学会外科専門医、日本慢性期医療協会総合診療認定医、日本医師会認定健康スポーツ医、認知症サポート医身体障害者福祉法指定医(呼吸器)、厚生労働省初期臨床研修指導医、神奈川県難病指定医、エピペン処方認定医