料理研究家・藤井 恵さん【著者インタビュー】
フライパンからトング、菜箸まで 道具愛にあふれたキッチン
年齢とともに、選ぶ道具や作る料理も変化
——年齢やライフステージの変化とともに、作る料理も使う道具も変わってくるものかと思います。いろんな道具を試すなかで、選び方はどのように変化してきましたか?
仕事では仕上がりの美しさも重要なので、きれいに焼き上がるフッ素樹脂加工のフライパンを愛用してきたけれど、最近は韓国の鉄鍋や陶製のパエリア鍋など、フッ素樹脂加工以外のものも愛用品に加わりました。米とぎざるもステンレスではなく、竹製のものを乾かして使うように。竹のざるでとぐと米が傷つきにくいからか、手の中で米が踊るような感覚なんです。
——そうした変化は、何が理由なのでしょうか。
18年間、出演してきた料理番組『キユーピー 3分クッキング』を卒業したことも大きいですね。収録では約7分間でミスなく料理を作り終えないと、すべて撮り直しになってしまうんです。撮影中は、終了時間3分前、30秒前、10秒前……とずっと指示が出続けます。そういう緊張感のなかでミスなく終えようとすると、どうしても自分にもまわりにも厳しくなってしまう。道具に対してもとにかく早く、効率よく、失敗なくできることを求めていました。今は長野と東京の二拠点生活を始めたこともあり、道具も食材も器も、地元で作られたものを丁寧に使いたいと思うようになりました。
——時間に追われていない今は、生まれるレシピも以前とは違うものになりそうですね。
きっとそうなると思います。じっくり丁寧に、でも無理なくできる料理が中心になって、反対に子育て世代に向けた時短レシピのようなものは減っていくんじゃないでしょうか。仕事と子育てと家事で手いっぱいだった頃は、何もかもが面倒だったんですよ。大好きだった料理を仕事にしたはずなのに、「なんでこんなに楽しめないんだろう、本当は一つひとつの仕事ときちんと向き合いたいのに……」と感じていた時期もありました。でも、今は全然違う。その土地の水や空気、食材の個性を感じながら、時間をかけて作るのが楽しいんです。
*次ページでは藤井さんお気に入りの道具について語っていただきました。
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