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大人のおしゃれ手帖 3月号

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大人のおしゃれ手帖
2025年3月号

2025年2月7日(金)発売
特別価格:1530円(税込) 
表紙の人:吉田羊さん

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【50代のリノベーション】マンション住み替え体験記
~リノベのハコが見つかった⁉ 契約までの道~ Vol.3

田中絵真

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子どもの大学進学を機に、マンションの住み替え&フルリノベーションを考えていた、都内在住・50代夫婦の私たち。きっかけは、住んでいるマンションの固定費が高くて老後の支払いが心配なこと、リノベーションして自分好みの内装や間取りで住みたいということでした。しかし、探し始めてわかったのは、多くの中古マンションが業者によってリノベーションされている「リノベーション済みマンション」であり、リノベーションされていないマンションは、市場になかなか出てこないという事情。しかも、探し始めたのは中古マンションの価格が高騰してた2023年ということもあり、物件探しは難航していました。
そんななか、久しぶりに気になる売り出し物件を発見し、内見を申し込んだのです……。

中古マンションを内見するときの準備とポイント

ここで、中古マンションの内覧に行くときに私がやった準備とコツをお伝えします。まず、内見前に、資料(マイソクと呼ばれる物件概要)をすみずみまでチェック。ここには、間取りだけではなく、戸数や管理費、修繕積立金、町内会費などの費用はもちろん、室内のトイレやガス給湯器交換などの修繕履歴、管理人の勤務体制(週何日勤務かなど)も書かれています。間取り図もよく見ておいて、疑問点(収納の位置が使いづらくないか?など)があれば現地で確認を。

現地では、外観やエントランスがぼろくないかをチェック。ゴミ捨て場や駐輪場が整理されているかも、管理状況がわかる大事なポイントです(我が家の場合は、立体駐車場などメンテナンス費用が高い物件はパスにしました)。

室内は、入った時のパッと見た印象が大切ですが、くわえて平面図ではわからない梁の場所や高さ、水回りの段差を要確認。また、間取り図でPSと書かれているのは水道管などが入ったパイプスペースで動かすことができません。希望としている間取りがあるなら、それが実現できそうかイメージしてみるのがおすすめ(すでにリノベーション会社が決まっていて一緒に内覧する場合は、プロが見てくれるので問題ないですが、我が家はそうではなかったので、チェック項目を書き出したノートを見ながら、自分でチェックしていました)。

家族そろって見に行くほうがいいので、日時は土日が多いと思いますが、平日でも不動産屋の都合が合えば、見学できます。物件によっては照明器具などがついていない場合もあるので、日のあるうちに行くのが基本。

所要時間は30分ほどでしょうか。不動産会社にきいてOKであれば、室内の気になる部分はもちろん、窓からみた景色なども写真に撮っておきます。

管理面で、気になることがあれば不動産会社の担当に質問を。うちは、修繕積立金がいくらたまっているか、前回の大規模修繕の時期と修繕内容、管理費の値上げの履歴などを聞いていました。管理組合の資料も取り寄せてもらえることが多いです。

マンションの内覧。リノベーションなら間取りや内装は関係なし

窓からの眺め。空が広い! 都心のビル群も遠くに見えます。

子どもが大学受験本番中にもかかわらず、希望の物件の内覧に出かけた私たち。場所は、現在の住まいから徒歩10分のマンションです。

その物件がよいと思った理由は立地と部屋の位置です。川に面しているので、目の前に大きな建物が建つリスクがほぼない(しかも対岸は区の施設なので、急に大きなマンションになったりはしなそう)。さらに、部屋の場所は東南角部屋の最上階で、解放感はばっちり!なことでした。

建物に入ってみると、デザインなどは昔ながらという感じがしますが、エントランスはゆとりがあるつくりで、集会所などもあります。部屋はエレベーターを降りて1番奥でした。

リフォーム前の間取り。廊下が短く細かく割られた3LDKは、マンションというより団地の間取りに近い。

70㎡弱の室内は、昔ながらの間取りで3LDKに細かく仕切られていました。一切リフォームされてない部分が多く、畳も壁紙もぼろぼろで、お世辞にもきれいな家ではありません。でも、すべて解体する予定なのでそんなことは関係なし! 

部屋を囲むようにベランダがL字にベランダがあり、4面の掃き出し窓から陽光がたっぷり入ります。南と東の景色はマンション群ですが、西側をのぞき込めば都心のビル群と(晴れていれば)東京タワーもちょこんと見えます。さらに、大きな道路からは離れていて、窓を開けていてもとても静か。「いくら景色がよくても、幹線道路沿いだと窓は開けっぱなしにできない」ということを学んだ我々にとっては、とても魅力的でした。

畳みも壁紙もボロボロの和室。

「あ、この物件いいんじゃない?」と思った点は、「天井は高くないが梁があまり気にならず、窓が多いので開放感がある」「水回りと廊下などの段差が小さい」の2点。「ここなら、壁をぶち抜けばいい感じになりそう!」ということでした。リノベーションする場合は、マンションはあくまでもそのための”ハコ”なので、内装や現在の間取りは気にしなくていいのです。

駅まで10分強、徒歩10分以内にスーパーが3か所と、利便性も合格点。散歩しやすい遊歩道があるので、高齢になって遠出がおっくうになってもぶらぶらできそうなのも◎。

トランクルーム。照明は暗いですが、棚があって天井まで収納できる。一応、換気システムもついています。

さらに、「この物件はトランクルーム付きです」とのこと。小さな部屋に住み替えるにあたり、気になるのは荷物の収納。1階にある占有のトランクルームを早速見に行きます。セメントブロックで区切られた簡素な空間ですが、棚が2段もついていて、収納力が高そう。何より、ゴルフバッグやバイク用品など荷物の多い夫は「おお~!」とニッコニコ。

この時点で、かなり乗り気になった私たち。「ひとまず検討します!」といって、その日は帰りました。

懸案事項は3つ。周辺環境は事前によく確認を!

かなり、ピンときたこの物件。しかしいくつか懸念事項もありました。

まず、築年数が古く旧耐震物件だといということです。それについては、万が一の事態で「ここにはもう住めないな‥…」となった場合は、区内にある私の実家マンションに身を寄せよう……と考えました(家の中の防災対策は、別途、必要ですが)。

もうひとつ、オートロックシステムが後付けされていて、土日と夜はエントランスが閉まってしまうこと。各戸とエントランスはシステムがつながっていないので、部屋からエントランスを開けることができません。宅配ボックスもないので、宅急便の受け取りに難あり。こちらは、不便ではあるのですが、配達日を指定するか駅やスーパーなどにある「宅配便ロッカー」を利用するということで納得しました。

大きな懸案はこの2点でしたが、今まで検討していた物件よりも1000万円以上安く、リノベーションに十分お金を掛けられそうというメリットが上回りました。

近隣にある工場。上層階からは見下ろす形なので、ふだんはあまり気にならない。

念のため、ゼネコン勤めの友人夫婦にも意見を聴きました。ハッとしたのが、「隣は工場だけれど大丈夫?」という意見。行ったときは景色に目を奪われてよく見ていなかったのですが、東側は確かに原料系の工場です。ということで、平日の昼間に前まで行きました。現地は特に騒音や臭気などなく、静かです。部屋が面しているところはコンテナが積んであるだけで、作業場は奥にあります。車の出入りも特に多くない様子。ネットで調べたところ、危険なものをつくっているわけではなさそうです。部屋の主な開口部ではないこともあり、OKと考えることにしました(このエリアは火事が起きたら大変そうな古民家も多く、それよりはよいと考えました)


周辺環境はあとからどうにもできないので、契約前に確認できてよかった(あとから、知ったのですが、工場に面している側だけ二重窓になり、騒音対策もされていました)。

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田中絵真

フリーライター 田中絵真

フリーライター田中絵真

暮らしまわり、ヘルスケアの記事を多く執筆。

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