【50代のこよみ養生 Vol.15】春先の皮膚トラブルは「五臓のアロマ」で予防&改善!
五臓の不調を改善するアロマで、皮膚トラブルを解消しよう
それでは、チェック結果をもとにおすすめのアロマとその使い方をご紹介します。複数のタイプに該当する場合は、それぞれのケア方法を取り入れてください。
※マッサージオイルはボディ用の場合は植物油20mLに対して精油2〜6滴、頭部用の場合は植物油15mLに対して精油1〜4滴、フェイス用の場合は植物油10mLに対し精油1滴を加えて混ぜてください。
◉チェック①が最も多い……肝の「陽気を上昇・発散させる働き」が不足
肝の働きを低下させるいちばんの原因はストレスです。そのほか目は肝と関係が深いため、目を酷使すると肝の働きが低下したり、肝の働きが低下すると目の不調が現れたりします。スマホやパソコンなどの長時間の視聴は控えましょう。
肝の働きを高めて陽気のめぐりをよくするアロマには、グレープフルーツ、プチグレン、レモンなどがあります。顔や頭部、わき腹などのマッサージ、芳香浴などがおすすめです。なお、これらのアロマはいずれも光毒性(肌についた状態で紫外線を浴びると皮膚トラブルが起こる可能性がある)があるため、肌に塗布した直後は日光を浴びないように注意してください。
◉チェック②が最も多い……心に熱がたまっている
陽気が滞って熱が生じると、その熱が心(しん)におよぶ場合があります。心は血液循環と精神活動をつかさどる臓で、心に熱がおよぶと顔が赤くなる、汗をかきやすくなるなどのチェック項目に挙げた不調のほか、不眠やイライラなどが見られる場合もあります。
心の熱を冷まして興奮を抑えるアロマは、ネロリ、ベチバー、ラベンダー、ローズ・オットーなど。おすすめの活用法は練り香水で、イライラするときや感情が高ぶるときなどに手首や首のつけ根に少量塗って香りを感じることで、心の熱を鎮めて精神を落ち着かせることができます。練り香水は、ワセリン1gにつき精油1滴を加えて混ぜればできあがります。
◉チェック③が最も多い……肝の影響で脾の働きが低下
ストレスなどが原因で肝の働きが低下すると、その影響で消化機能をつかさどる脾(ひ)の働きも低下し、チェック項目に挙げた不調のほか便秘や下痢、腹痛などが見られる場合もあります。また、チェック①の肝の不調も同時に見られる傾向があります。
肝の影響による脾の働きの低下を改善するアロマには、カモミール・ローマン、ベルガモット、ライムなどがあります。腹部やわき腹のマッサージに用いるといいでしょう。チェック①でおすすめしたアロマと組み合わせるのも効果的です。
◉チェック④が最も多い……肺のエネルギーが不足
肺には、肝の「陽気を上昇・発散させる働き」を調整する役割があり、肺のエネルギーが不足していると肝の働きが過剰になって熱が生じ、ほてりやのぼせを招きやすくなります。また、肺は皮膚との関連も深いので、働きが低下していると敏感肌や乾燥肌にもなりやすい傾向があります。
肺のエネルギーを補うアロマは、クラリセージ、サイプレス、ティートリー、フランキンセンスなど。顔やデコルテのマッサージ、芳香浴などがおすすめです。チェック①でおすすめしたアロマと組み合わせるのも効果的です。
◉チェック⑤が最も多い……腎の精気が不足
腎(じん)は生命力のもととなる精気を蓄える臓で、冬に働きがさかんになります。冬の間にしっかりと腎に精気を蓄えていれば、春にそのエネルギーが肝へと届けられて、肝の働きが正常に高まっていきますが、腎の精気が不足していると春になっても肝が十分に働くことができません。
腎のエネルギーを補うアロマには、シダーウッド、ローズ・オットー、ジャスミンなどがあります。頭部や腰まわりのマッサージに用いるのがおすすめです。
これらの五臓に対応するアロマは、皮膚トラブル以外の関連する不調の改善も期待できます。春は香りの力で、五臓のバランスを整えておきましょう。
画像素材/PIXTA
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
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