いつまでも美しく、若々しく! 食習慣の新常識10【Part.2】
50代になると、代謝が落ちて太りやすくなったり、肌のシミやシワが増えたりと、見た目に老化が現れやすくなります。
その原因になっているかもしれない、間違った食習慣や、若い頃のままの食生活をアップデートしましょう。
【Part.1】では、「抗酸化」「抗糖化」「抗炎症」が老化を防ぐポイントというお話をしました。
今回は、具体的な食事方法などについてご紹介します。
【1】1日3食、しっかりとる
食事の回数を減らすと、1日に摂取できる食材の種類が減り、必要な栄養素が網羅できなくなるなど、体作りにも影響が出るので、1日3食、規則正しくとることが大切。
ただ、50代は代謝が落ちるので、食べ方のコツを押さえましょう。
【朝】朝の果物は「金」
果物には睡眠中に失った水分を補給し、エネルギーとなる炭水化物やビタミン、ミネラル、食物繊維などが含まれ、朝必要な栄養素を手軽にとれます。
調理の必要もないので、慌ただしい朝に便利。
【昼】パスタや揚げものは昼に
胃や膵臓、肝臓などの働きが活発になる昼は、エネルギーが消費されやすく、脂肪が蓄積されにくい時間帯。
揚げものやパスタ、ラーメンなど糖質の多いメニューがどうしても食べたいときは昼がおすすめ。
【夜】夜は体を修復する食事を
筋肉や骨は、夜寝ているときにも生成・修復されます。
筋肉にはたんぱく質やビタミンCが、骨はたんぱく質やカルシウム、マグネシウム、リン、ビタミンD3が必要なので夕食での摂取が◎。
【2】体内の糖化が進む“こんがり焼き色”に注意を
「糖化」を招く要因は、「コゲを作る調理法」と「高血糖状態」。
トーストやパンケーキ、焼きおにぎりなどのこんがりした焼き色もコゲの一種です。
調理法は「生」がおすすめ。
次いで、蒸す、煮る、炒める、焼く、揚げるの順に糖化がすすみやすくなるので、料理をする際に意識してみて。
糖化を防ぐには、ビタミンB1、B6の摂取を。
ビタミンB1は豚もも肉、大豆製品、ウナギ、ゴマなどに、ビタミンB6は、牛肉、鶏肉、カツオ、マグロ、ニンニク、ピーマンなどに含まれます。
緑茶に含まれるカテキンも抗糖化物質のひとつです。
【3】食の情報は正しく理解し、ブームに惑わされない
「乳製品は、牛乳より豆乳でとったほうがいい」ーーそんな勘違いをしていませんか?
豆乳はそもそも乳製品ではありません。
また、乳糖不耐症の人には豆乳がおすすめですが、栄養的な優劣があるわけではありません。
正しい知識を持つことも食生活を整えるポイントです。
そして、「〇〇だけダイエット」や、「これを食べればがんにならない」といった食ブームに振り回されないこと。
人間には、自分で作ることができない栄養素が多くあり、食物からとるしかありません。
また、同時に摂取することで吸収がよくなったり、働きが高まったりするものもあります。
野菜や肉、魚、穀物など、多彩な食品からバランスよく食べることが大切にされる理由はここにあります。
【4】大人におやつは不要
おやつは子どもの習慣です。
どうしても食べたいなら、不足しがちな栄養素を補うつもりで。
たとえばチーズでカルシムやたんぱく質、フルーツで食物繊維やビタミンを摂取すると◎。
夕食が遅くなりそうなら、甘いものよりおにぎりなど腹持ちのよいもののほうがおすすめです。
【5】50代は、血管をケアする食事を
血管は加齢に伴って硬くなり、栄養や酸素が細胞に届きにくくなったり、動脈硬化が進んで脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高まったりします。
血管のいちばん内側にある「内皮細胞」を健やかに保つには、内皮細胞を傷つける塩分を控えたり、内皮細胞を作る材料となるたんぱく質や良質の油を含む食品(魚や大豆など)をとる、血管の酸化を防ぐビタミンやフィトケミカルを含む野菜などを摂取するように心がけましょう。
【6】~【10】は、【Part.3】に続く
●お話を伺った方
堀 知佐子先生
アンチエイジングをテーマにしたレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。
管理栄養士、食生活アドバイザーなどの資格を生かし、各メディアで活躍。
大人のおしゃれ手帖2020年5月号より抜粋
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