【50代のこよみ養生 Vol.24】たるみ・むくみが気になるなら「春の土用」の薬膳でケア
たるみやむくみの原因は、体の中に生まれる“ぬかるみ”
春の土用の養生には、脾のケアに加えてもうひとつ押さえるべき点があります。
それは、肝(かん)も一緒に養生するということです。
五臓のひとつである肝の主な働きは、気(き=エネルギー)を上向きにめぐらせること。これは例えるなら、上に伸びる「木」のような働きといえます。
そして、飲食物を分解して栄養を作る脾の働きは、落ち葉などを分解して養分を作る「土」のようなもの。
つまり肝と脾は、木と土のように密接な関係にあるのです。
春になると木はどんどん上に伸びて成長し、その栄養源として土から養分や水分をどんどん吸収していきますよね。
同じように人間の体も、春になると肝が脾からどんどん栄養を吸収し、それを糧に気をどんどん上向きにめぐらせて、心身を活動的な状態に導いていきます。
しかし、木にストレスが加わるとどうなるでしょうか。例えば木が日当たりの悪い環境に置かれると、成長が止まり、枝葉の元気がなくなってしまいます。すると木が土から養分や水分を吸収する量も少なくなるため、土の水はけが悪くなって“ぬかるんだ森”となってしまうでしょう。
春の土用は、まさにこの“ぬかるんだ森”のような状態が体の中に発生しやすいとき。
春のストレスを受けると肝の働きは低下し、気のめぐりが悪くなるために脾の働きも低下してしまうため、余分な水分や未消化物などがたまって“ぬかるみ”のような状態になりやすいのです。すると、たるみやむくみが起こりやすくなるほか、次のような不調も現れやすくなります。
・べっとりした便が出る
・排便してもすっきりしない
・おなかやわきが張って痛む
・食欲が出ない
・おならがよく出る
・下痢したり便秘したりする
・ため息がよく出る
・うつになる
“ぬかるんだ森”を改善するためには、木が上に伸びるように成長するのを助け、土の水はけをよくして養分を作る力を高めなければなりません。
同じように私たちの体も、肝の働きを助けて気のめぐりを促進し、脾の働きを整えることが、“ぬかるみ”を改善してたるみやむくみなどをやわらげることにつながるのです。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
Twitter:@MomoOtsubo
Website:https://toyoigaku-shizen.com/
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