【大阪・関西万博】絶対観てほしいパビリオンを奈良・薬師寺のお坊さんといっしょに体験レポート!
薬師寺のお坊さんも出演! EXPOホールでの日替わりイベントはちょっとした穴場!
2025年6月3日(火)・4日(水)には、EXPOホール「シャインハット」にて、伝統文化未来共創Projectによる「令和今昔四季物語絵巻」が上演されました。
パビリオンの予約は争奪戦状態ですが、EXPOホールでの日替わりイベントはちょっとした穴場かも。見応え・聞き応えのあるイベントが目白押し、しかも無料なのでぜひチェックしてみて!
能・狂言・巫女舞・神楽・雅楽といった伝統芸能を生成AI技術を活用した映像によって演出した壮大な舞台に、薬師寺のお坊さんたちは《盂蘭盆会(うらぼんえ):悔過(けか)と盂蘭盆会の祈り》というシーンで出演。
「悔過(けか)」というのは、仏さまの前で罪や過ちを懺悔(さんげ)することで、薬師寺では旧暦2月の法要「修二会(しゅにえ)」(十種の造花がご本尊に供えられるところから「花会式」とも呼ばれます)などで、悔過の作法を勤めます。
盂蘭盆会は、いわゆるお盆の法要。ご先祖さんの精霊をお迎えし、その菩提を願う法要です。
「令和今昔四季物語絵巻」には、人間国宝を含むさまざまな伝統芸能の継承者の皆さんが出演してはりました。《大晦日 清め:住吉大社 小笠原流追儺歩射(ついなほしゃ)式》では実際に弓が射られ、会場からはどよめきの声が上がっていました。
《元旦:能「翁(おきな)」奉納》(能楽シテ方金剛流二十六世宗家・人間国宝、金剛永謹(ひさのり)さん/能楽囃子大倉流小鼓方・人間国宝、大倉源次郎さん)。「翁」は、「能にして能にあらず」とされる、別格の祝言曲だそうです。
《花見・種まき:狂言 三番三(さんばそう)鈴の段》(能楽師大藏流狂言方・人間国宝、茂山七五三(しめ)さん、同十四世当主、茂山千五郎さん)。「三番三」は、翁に続けて狂言方が舞う曲。
左から《中秋の名月:住吉大社 観月祭 奉納舞楽「蘭陵王」》(天王寺楽所〈がくそ〉雅亮会理事長、小野真龍さん)、《新嘗祭:「倭文」》(京舞井上流五世家元・人間国宝、井上八千代さん)。
奈良時代に伝わった舞楽と、江戸時代後期に形作られた京舞。ガラッと趣が違いますが、どこか通ずる部分もある気がします。
《調和の精神 山の声と平和の風》では、奈良・吉野の金峯山寺(きんぷせんじ)のお坊さんたちによる法螺貝の吹奏と巫女舞が共演。これでも一部をご紹介したのですが、出演者はなんと総勢200名! 2日間で5000人を超える観客が訪れ、日本古来の“儀礼芸術”に触れ、その精神的・文化的な豊かさを再認識する機会となりました。
またまたちなみにですが、私も学生時代に巫女さん(のバイト)してました、薬師寺で。「浦安の舞」の講習も受けて、必死に練習してお祭りで奉納させてもらったんですが、ほぼほぼ忘れてしまいました。ふた昔前の話ですから、仕方ない!
ギャラリーEASTでは、革新する「日本の美」を体験することができるイベントも開催されていたので、覗いてきました(6月3〜8日 ※終了しています)。司会進行役を務めてはったのは、伝統芸能に精通する落語家・桂吉坊さん。薬師寺ともご縁のある方なので、思いがけないご登場にびっくり。
文楽(=人形浄瑠璃)の竹本織太夫さん(左)と、鶴澤清志郎さん(右)による素浄瑠璃&解説を拝聴。フレンドリーでわかりやすい解説が楽しかったです。
文楽では、太夫さんが全ての登場人物のセリフや状況説明などの語りを、三味線はBGMから効果音までを担当、二人一組でこなします(=義太夫節)。
大雑把にゆうて、江戸時代には上方(関西、主に大阪)では文楽、江戸では歌舞伎が人気を博していたようです。久々に文楽も観たいし、なんなら取材もしてみたいです。説明がめっちゃ難しいですが。
次回は映画監督・河瀬直美さんが手がけたシグネチャーパビリオン「Dialogue Theater - いのちのあかし - 」の魅力をご紹介します。ほなまた!
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