【50代のこよみ養生 Vol.36】美しく生命力の強い蓮(はす)で、真夏の不調を養生しよう
蓮の実、葉、芯なども薬膳食材として使われている
れんこんのほかにも、薬膳でよく使われる蓮由来の食材に蓮の実(種子)があります。「蓮子(れんし)」や「蓮肉(れんにく)」とも呼ばれていて、乾燥したものが市販されているほか、最近は薬膳おやつとして商品化されているものも見かけます。胃腸を整えて下痢や軟便を抑える、頻尿や尿もれなどをやわらげるなどの薬膳効果がありますが、特にこの時期に注目したいのは暑さによって熱がたまりやすい五臓の心(しん≒心臓)を養って精神を安定させる性質で、夏の不眠やイライラの対策に最適。蓮の実は炊き込みごはんやスープなどで手軽にとり入れることができるので、ぜひ試してみてください。
蓮の葉は「荷葉(かよう)」と呼ばれ、薬膳では主に蓮の葉茶として飲まれる場合が多いです。蓮の葉には暑さによる体内の余分な熱を冷ます性質があり、熱中症、暑さによる頭痛、のどの渇きなどをやわらげるので、夏の養生にぴったり。そして蓮の実の芯も「蓮心(れんしん)」や「蓮子心(れんししん)」と呼ばれる食材として用いられ、蓮の芯茶として市販されています。蓮の実と同じく、暑さによる不眠やイライラに適しています。
これら以外にも、れんこんの節、茎、花のつぼみ、花托(かたく=花びらが落ちた後に現れるはちの巣のような部分)、おしべなど、あらゆる部分があますことなく薬膳や漢方の原料に用いられています。なんともありがたい植物。その蓮の恩恵に存分に預かって、真夏の養生に活かしてください。
画像素材/PIXTA
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
Twitter:@MomoOtsubo
Website:https://toyoigaku-shizen.com/
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