更年期女性の「抜け毛」「薄毛」
その原因と対策
年齢を重ねるごとに気になる髪のボリュームダウン。
更年期女性に見られる抜け毛・薄毛の主な原因や予防法、対策をご紹介します。
更年期女性の抜け毛・薄毛は、女性ホルモン「エストロゲン」の減少が原因のひとつと考えられています。
エストロゲンは妊娠の準備のほか、女性の健康に関わるさまざまな役割をもつホルモンです。
具体的には、血管をしなやかにする、骨密度を保つ、肌の潤いを保つ、髪の毛の健康を保つ、などの働きがあります。
更年期になるとエストロゲンが急激に減少することで、髪の毛の健康や成長が維持できなくなることがあるといわれています。
また、女性にもわずかに男性ホルモンがあり、エストロゲンなどの女性ホルモンの分泌量が圧倒的に多いときには活性を持つことはありませんが、更年期を迎え、エストロゲンなどの分泌量が減少してくるのに伴い、男性ホルモンが活性化してしまうことも。
これも女性の抜け毛の原因に関係しているといわれています。
抜け毛・薄毛の予防と対策
髪を育てる食べ物をとる
健やかな髪を育てるためには、栄養バランスのよい食事が大切です。
特に、タンパク質と亜鉛は意識してとりたい栄養素。
タンパク質は筋肉や肌、爪、髪をつくるもとになります。
亜鉛は、髪の主成分であるケラチンの合成に関わる栄養素です。
タンパク質は肉類や魚介類、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれています。パンだけ、おにぎりだけ、など炭水化物中心の食事が多いとタンパク質不足になりやすいので気をつけましょう。
亜鉛は牡蠣や赤身肉、甲殻類、うなぎ、煮干し、卵黄、チーズなどに多く含まれています。サプリメントで亜鉛を摂る場合は過剰摂取に注意しましょう。亜鉛を過剰摂取すると、神経症状、免疫障害、銅欠乏症などを起こすことがあります。
タンパク質や亜鉛のほか、パントテン酸(ビタミンB5)も◎。
パントテン酸は、毛や爪を増強する効果があるといわれています(パントテン酸を主成分とした育毛用の薬剤があるくいらいです)。
パントテン酸は、鶏肉、鶏レバー、干ししいたけ、アボカド、納豆などに含まれています。
頭皮マッサージをする
抜け毛・薄毛を防ぐには頭皮の血流をよくすることも効果的です。
血流をよくする頭皮マッサージの方法をご紹介します。
1. 5本の指先を頭皮に置き、耳の上から頭の中心に向かって円を描くように揉みほぐす。
2. 指の位置を変えながら頭皮全体を揉みほぐす。
3. 人さし指・中指・薬指を使って頭皮を押しながら、耳の上から頭頂部に向かって地肌を引き上げる。
4. 両手の指先を頭頂部に置き、気持ちよいと感じる部分を押す。1か所につき3秒が目安。
ドライヤーで髪のボリュームを出す
毛量が減ってくるとボリュームが出にくくなり、ぺたんこ髪になりがち。
ぺたんこ髪はドライヤーの乾かし方を工夫することで、ふんわりとボリュームアップさせることができます。
乾かし方のコツは、トップに分け目をつけずに、根元を立ち上げるように左右交互にドライヤーを当てて乾かすこと。
この方法で乾かすと分け目も目立ちにくくなります。
また、しっかりボリュームを出したいときは、乾いた髪のトップにカーラーを1~3本巻いて、ドライヤーで温風を当てるのもおすすめです。
育毛剤を使う
抜け毛・薄毛の予防には育毛剤を使うのもひとつの方法です。
女性用の育毛剤はドラッグストアなどでさまざまな種類が販売されています。
育毛剤を選ぶときは、配合成分や容器の種類などを見て、悩みに適した使いやすいものを選びましょう。
育毛剤には、抜け毛を防ぐ成分や血行をよくする成分、フケ・かゆみを防ぐ成分などが配合されています。
香りが苦手な人は香料の有無もチェックしましょう。
容器はスプレータイプやボトルタイプなどがあります。
(まとめ)
髪の毛が外見に与える影響は大きいもの。
年齢を重ねても健やかな髪を保てるように、日常生活でもできる工夫を取り入れていきたいですね。
監修
肌クリニック大宮 院長
相馬孝光
さいたま市大宮区で皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科のクリニックを運営。一般皮膚科から皮膚外科手術・美容皮膚科・アンチエイジング・医療脱毛の相談まで幅広く診療。患者さんの症状が改善して笑顔になってもらう瞬間にやりがいを感じて日々の診療にあたっている。
構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 画像協力/PIXTA
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