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大人のおしゃれ手帖 7月号

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大人のおしゃれ手帖
2026年7月号

2026年6月5日(金)発売
特別価格:1720円(税込) 
表紙の人:中谷美紀さん

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【内野聖陽さんインタビュー】
57歳でたどり着いた“いい加減”の境地。『リア王』に重ねる、男の喪失と再生

「自分の理想と戦いたい」57歳で挑むタイトルロール

実は今回、そもそもの上演案はシェイクスピアの『テンペスト』だったそう。けれども内野さん自身が『リア王』を希望しました。

「昨年、WOWOWのドラマ『GOLD SUNSET』で、シニア劇団で『リア王』をやる老人を演じたんです。それはそれで非常に大変だったんですけど、そのぶん、全部やらせてくれ、という気持ちが動いて。プロデューサーや演出家に『いや、俺、リアをやりたいんだけど』って言ったら、みんなガクッとしてました(笑)」

それでも演出の森新太郎さんはすぐに読み直し、「おもしろいじゃないですか」と賛同してくれたと言います。

「リアは、もっと年上の俳優が演じるイメージがあるかもしれませんが、実は激しい芝居なんですよ。嵐の場面はとくに有名。狂気のシーンもあるし、フィジカルも必要。娘を“お姫様抱っこ”するシーンもあったりで、できるうちにやったほうがいいですよ、と冷やかして言われましたよ(笑)」

こうして、40代の終わりに演じた『ハムレット』に続き、今度はリアを演じることになった内野さん。シェイクスピア劇にどのような魅力を感じているのかと尋ねると、問いを受け止めながらしばし思案したのちに、こう答えました。

「正直に言えば、シェイクスピアは役者にとって難しいものだと思うんです。セリフは修飾語が多くてやたらと長い。それを観客に伝えるのは簡単ではない。だから、僕にとっては、シェイクスピアは魅力的というより、手強い相手、好敵手、という感じですね」

だからこそ、今回は、シェイクスピアの台詞を自然に届けることを意識したいと続けます。

「日本語の翻訳シェイクスピアって、変に朗々としゃべる芝居になりがちなんですよ。でも、そうじゃないだろうって思っていて。難しい言葉でも、ちゃんと人間の言葉として落とし込まなきゃいけない。そのためにはとても訓練がいるし、稽古が重要です。自分がやるからには、自分の理想と戦い、理想のリアを演じたいんですよね」

力を抜くことを知った57歳が、自分の理想を目指して全力で挑む『リア王』。その舞台には、いまだからこその説得力が宿りそうです。

「稽古場が、みんなで真剣に遊べる場所になればいいなと思っています。見ごたえのあるものには、必ずなると思う。そこは期待していてほしいですね」

PROFILE

内野聖陽(うちの・せいよう)
1968年9月16日生まれ。1993年に俳優デビュー。森田芳光監督作「(ハル)」で第20回日本アカデミー賞新人賞を受賞。2007年にNHK大河ドラマ『風林火山」』で主演を務め、『JIN』『臨場』などのドラマ、映画、舞台等多くの作品に出演。2019年放送のドラマ『きのう何食べた?』での演技も話題に。近年の出演作に、舞台『芭蕉通夜舟』(24)、『笑の大学』(23)、映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(24)、ドラマ、『阿修羅のごとく』(Netflix25,PJ 〜航空救難団〜』(テレビ朝日/25)など。


内野聖陽さん出演
舞台『リア王 〜King Lear〜』

絶対王リアは退位に際し、娘たちの愛情を試す。甘言の長女・次女に領土を与え、率直な末娘コーディリアを勘当。だがふたりは父を冷遇し、リアは荒野で狂気に陥る。一方、臣下グロスター家でも私生児エドマンドが兄を陥れ、権力を狙う。裏切りと欲望が渦巻くなか、帰還したコーディリアが父を救おうとするが、王国は血塗られた悲劇へと突き進む。シェイクスピア4大悲劇のひとつ、絶望に満ちた本作を通して、演出の森新太郎氏は、いまに何を問うのか。

作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:松岡和子
演出:森新太郎
出演:内野聖陽
前田公輝 井之脇海 清水くるみ 川上友里 内田慈
大山真志 永島敬三 和田正人 杉本哲太 山路和弘 ほか
【東京】2026年9月21日(月・祝)〜10月4日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
新潟、愛知、兵庫、岡山、福岡公演あり

撮影/天日恵美子 スタイリング/中川原寛 ヘアメイク/佐藤裕子 取材・文/みよしみか

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