【松坂桃李さんインタビュー】時代劇を、“今の物語”として受け取って
松坂桃李さんが主演する映画『雪の花 ―ともに在りて―』(1月24日公開)は、江戸時代に疫病から人々を救うため奔走した、実在の医師の姿を描いた時代劇。フィルム撮影ならではの緊張感が漂う現場で、松坂さんが受け取ったことは……?
目次
【松坂桃李さんインタビュー】時代劇を、“今の物語”として受け取って
“自分が参加する意義”を考えるようになりました
多くの話題作で多彩な役柄を演じ、世代を代表する俳優となった松坂桃李さん。30代半ばの今、以前と比べて変化したことのひとつが“作品に参加する意義”について考えるようになったこと。
「中身は20代の頃とあまり変わっていない気がしますが(笑)。でも、『今だからこそ、この作品を届ける意義がある』と思えるものに、積極的に参加したいと思うようになりました。」
そうした意志のもとに出演を決めたのが、1月24日公開の映画『雪の花 ―ともに在りて―』。松坂さんは、江戸時代末期を舞台に、死に至る病として恐れられていた疫病から人々の命を救おうと奔走した実在の医師・笠原良策を演じています。
「未知のものに対する恐怖心は、今も昔も変わらない。コロナ禍を経験した今だからこそ、そのことをより感じるようになったし、この作品をやる意義があると強く思えました。良策さんのように未曾有の疫病に立ち向かった人がいたからこそ、未来ある人々の命が救われて、今にも繋がっている。舞台は江戸時代ですが、現在と地続きで繋がっている話だと捉えて演じました」
監督を務めるのは黒澤明監督に師事し、黒澤氏の遺作シナリオ『雨あがる』で劇場映画デビューを果たした小泉堯史氏。全編フィルム撮影とあって、現場は経験したことのない緊張感が漂っていたと振り返ります。
「小泉監督をはじめ、スタッフさんは黒澤組を経験した方々ばかり。緊張感はありましたが、当時の俳優さんたちもこの空気のなかでやっていたのかな…と考えると、同時に高揚感や興奮もあって。監督もやはり黒澤イズムを受け継いでいるのか、天気の具合や雲の形、日の入り方まで、こだわって撮影していました。自然とともに映画を撮影するというのも、初めての感覚。小泉組では、寄りのカットのときほどカメラの存在感がなくなるのも印象的でしたね。遠くから望遠レンズで撮っているので、演じる側はカメラを気にせず、自然にお芝居ができるのがありがたかったです」
「本番までの過程がどれだけ大事か」を再認識できたのも、本作を通じて得られたもののひとつ。
「監督からは、『とにかく何度も本を読んでほしい』と言われていました。読めば読むほど自分の解釈が変わってくるし、1日置いてから読むとまた違って見えてくる。そういう繰り返しによって、少しずつ役の肉づけができるのだと教えていただきました」
さらに監督から、「本番では素直に演じてくれれば、それでいい」という言葉も。
「入念に本読みやリハーサルを重ねた上で、本番では相手のセリフを素直に聞き、目に映るものを素直に受け止め、そこから出てくる感情を素直に発信する。『素直に演じる』という言葉の意味が、僕なりに少しだけわかったような気がします」
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