齋藤智子さんpresents 香りの力で自分を癒やす アロマの処方箋 vol.10
調和の取れた心地よい香りの作り方
そろそろ年末モードに入ってきましたね。
部屋に飾るクリスマスリースとともに、今年はアロマも取り入れて、ほっこり癒やされる空間を作ってみてはいかがでしょう。
では前回のおさらいを少し。
拙著『アロマ調香デザインの教科書』の中で私がお伝えしている「アロマ調香デザイン®️」は、ただ香りをブレンドするのではありません。
目的に合わせて精油を選び、精油が持つ作用(機能性)とイメージやコンセプトに合わせたデザイン性を考慮して、調和の取れた心地よい香りをつくるメソッドです。
人、空間に最適な香りを選び、それをブレンドすることで、さらに香りの心地よさを感じていただきたいと思っています。
アロマ空間デザインと3つの間
私の仕事でもある「アロマ空間デザイン」は、その名の通り、香りを使って室内などの空間を作り上げます。
空間の香りをデザインする上で大切なポイントなのが「3つの間」。
前回に引き続き、今回もアロマ空間デザインのポイント・3つの間についてお話していきます。
3つの間のその2「アロマ×時間」
香りを作るポイントのひとつが時間。
これは「いつその香りを使うのか」ということです。
例えば、
「朝の出社時に頭をクリアにしたい、だからこんな香りが使いたい」
「仕事が終わって、自宅に戻りほっと一息つく自分時間に漂わせたい」
というように、どんな時間に、どんな気持ちになりたいかを考えていきます。
朝におすすめの香りは、レモン、オレンジスイート、ペパーミントやローズマリー。
明るい印象で、頭をスッキリとさせてくれるような香りです。
夕方から夜、オンタイムからオフタイムへリラックスした雰囲気が欲しい時は、ラベンダー、オレンジスイート、シダーウッド、サンダルウッドなど、鎮静作用に優れた精油がおすすめです。
「時間」で重要なのが、香調
香りを作るコツがもうひとつあります。
それは時間と共に変化する香りを考慮すること。
少し専門的な話になりますが、香りには「香調」という考え方があります。
ブレンドオイルなどを嗅いだ時に、最初にパッと香る香りは揮発が早いことが特徴で、「トップノート」と言います。
柑橘類やスッキリしたペパーミントなどがそれにあてはまります。
その次に香りを感じるのが「ミドルノート」。ラベンダーやゼラニウム、ヒノキなどの爽やかな草木の香りがよく使われています。
そして一番最後にゆっくり立ち上がってくるような香りが「ベースノート」。
サンダルウッドやシダーウッド、フランキンセンスなど深く落ち着いた香りが用いられます。
アロマ調香デザイン®️をする上でも、とても大切な3つのグループ。
これらををうまく混ぜ合わせることで香りが持続するのです。
バランスが悪いと、あっという間に香りが薄くなったり、逆に重たいサンダルウッドしか香らない、ということになります。
これからはぜひそんなところでも精油もチェックしてみてくださいね。
おすすめの香らせ方
1)朝スッキリと気持ちよく目覚めたいとき
キーワード:クリア、リフレッシュ、頭脳明晰化、瞑想
レモン 3滴
グレープフルーツ 3滴
ローズマリー1,8シネオール 1滴
ヒノキ 2滴
フランキンセンス 1滴
2)夜、友人達が集まるホームパーティで
キーワード:リラックス、高揚感、多幸感
ベルガモット 3滴
オレンジスイート 3滴
ゼラニウム 1滴
ラベンダー 2滴
ジュニパーベリー 2滴
モミ 1滴
シダーウッド 2滴
ぜひご自身の気持ちに寄り添う香りをお楽しみくださいね!
齋藤智子
一般社団法人プラスアロマ協会代表理事、アロマ調香デザイナー®️
京都で10代続く家に生まれ、白檀の香りに魅かれて調香の世界へ。20年間で創作した香りは6000種以上。代表作「TRANSITIONS」〜ミラノで最も美しい空気〜(Milano design award best technology賞)はミラノサローネで60万人の心を動かした。国内外で企業やブランドのアロマ空間演出を手がけるほか、美術館の創香などアート分野の企画も多い。近年は、日本各地の農家や蒸留所との連携、マーケティングやサイエンス分野の研究など香りの可能性を広げる活動も行う。著書『アロマ調香デザインの教科書』(BABジャパン出版)。
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