齋藤智子さんpresents 香りの力で自分を癒やす アロマの処方箋 vol.6
更年期悩みを香りで解決 その3
朝晩の気温がぐっと下がるようになり、少しずつ秋の訪れを感じるようになりました。
日中との気温差が激しい季節の変わり目は、疲れがどっと出る時期でもあります。
だるさや疲れやすさは「自律神経」が関係しているといわれています。
自律神経は、私たちの意思に関係なくさまざまな刺激に反応して身体の機能を調整する神経で、ホルモンバランスと深く関わっています。
交感神経と副交感神経から成り立っており、一方が活発に動けば片方は静かに、とシーソーのようにバランスを保っているのです。
このバランスが崩れてしまった状態を「自律神経失調症」とよびます(厚生労働省e-ヘルスネット)。
しかし、この時期のだるさや疲れは、夏の疲れなのか更年期なのかわかりにくいものですし、理由はひとつだけではなく、複雑に絡み合っているかもしれません。
いずれにしても、自分自身で心も体も心地よく、楽にしてあげることはとても大切なことだと思います。
自分にとっての快適な状態を作り出すことができると、生活にもいいリズムが生まれると思います。
今回は、香りを使ってこのバランスを上手にとる方法をお伝えしたいと思います。
「だるい、疲れやすい」ときに選びたい香りとは
「副交感神経」を優位にする精油
「副交感神経」を優位にする精油はたくさんあります。
いわゆる、リラックスできる香りがそれにあたります。
ベルガモット、オレンジスイート、クロモジ、ホウショウ、ヒノキ、ラベンダー、ゼラニウム、ネロリ、ローズ、フランキンセンス、サンダルウッドなどです。
これらの精油は、抗うつ作用、鎮静作用があり、心を穏やかにし呼吸を深めてリラックス作用が期待できます。
柑橘類は気持ちを明るくする抗うつの働き、木の香りは森林浴のような働きによりリラックス度を深めてくれます。
一般的に、花の香りは緊張を緩めるのが得意です。
「交感神経」を優位にする精油
「交感神経」を活発にしてくれる(やる気を出してくれる)香りをご紹介します。
レモン、グレープフルーツ、ペパーミント、ローズマリー、ユーカリグロブルス、ユーカリラディアータ、ブラックペッパーなどがあります。
いずれも血液の流れが良くなることで、新しい酸素が脳へ送られ、頭脳明晰化作用やリフレッシュの働きが期待できます。
おすすめの香らせ方
朝:レモン3滴、ペパーミント1滴、ローズマリー1滴
夜:オレンジスイート3滴、ラベンダー2滴、サンダルウッド1滴
それぞれをティッシュに垂らしたり、ディフューザーで拡散したりすることで、香りを楽しんでみましょう。
この組み合わせで、朝は交感神経優位に働きやすくリフレッシュ、夜は鎮静作用の働きで副交感神経が優位に働くことでリラックス。
香りを使うことで、自律神経の働きをサポートしてあげることができます。
実は、香りを使うことで快眠認知症の改善が期待できるという研究結果も。
香りを使って自律神経の働きをコントロールをすることで、睡眠や認知機能改善につながるということですね。
今日の自律神経のバランスをとるということは、さまざまな不調に良い働きがあると思います。
次回は睡眠とアロマの話をもう少し深く掘り下げたいと思います。
齋藤智子
一般社団法人プラスアロマ協会代表理事、アロマ調香デザイナー®️
京都で10代続く家に生まれ、白檀の香りに魅かれて調香の世界へ。20年間で創作した香りは6000種以上。代表作「TRANSITIONS」〜ミラノで最も美しい空気〜(Milano design award best technology賞)はミラノサローネで60万人の心を動かした。国内外で企業やブランドのアロマ空間演出を手がけるほか、美術館の創香などアート分野の企画も多い。近年は、日本各地の農家や蒸留所との連携、マーケティングやサイエンス分野の研究など香りの可能性を広げる活動も行う。著書『アロマ調香デザインの教科書』(BABジャパン出版)。