父は奮闘、娘は複雑? 不器用な愛にホロリとする「父と娘」を描いた日本映画3選
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血の繋がらない父と娘の絆を育んだ手料理とピアノの音色に感涙
『そして、バトンは渡された』
永野芽郁主演、田中圭、石原さとみが共演した大ヒット作。瀬尾まいこによる2019年本屋大賞受賞作「そして、バトンは渡された」の映画化ですが、ラストは原作と異なっています。
血の繋がらない親に育てられ、何回も苗字が変わった高校生の優子(永野芽郁)は、現在は料理上手な義理の父親、森宮さん(田中圭)と二人暮らし。卒業式に向けてピアノを猛特訓中ですが、友達関係も恋もあまりうまくいっていません。
一方、自由奔放に生きる女性、梨花(石原さとみ)は、再婚を繰り返しながらも、愛娘で泣き虫のみぃたんと共に暮らしていました。しかし、突然に梨花は娘の前から姿を消してしまいます。
ある日、優子の元に届いた一通の手紙。優子に何かを隠していた森宮さん。そして、消えた梨花。それぞれの物語が繋がり、タイトルの意味が明らかになっていきます。
梨花の行動をどう思うか観る人によるところで、筆者は彼女に共感できないのですが、森宮さんの優子への献身ぶりに感動しました。森宮さんは東大出身のお人よしな男性で、わけあって娘になった優子を受け入れ、自分にできる父親らしいことは何かを考え、日々、夕飯とお弁当を作っています。優子に「キャラ弁はやめて」とやんわり言われても、せっせと作る森宮さん。そして、ピアノの練習をする優子の横で歌う森宮さん。なんだか泣けてきます。卒業式のシーンは娘を見守る森宮さんと一緒に、筆者も泣いてしまいました。
ピアノが上手な同級生の男子・早瀬君(旧名:岡田健史/現:水上恒司)を見つめる優子に気づいて、寂しいような複雑な表情をする森宮さんにも共感。そして、ラストの方で、優子が森宮さんに放つ一言が暴言というか、かなり子どもっぽいのですが、優子が森宮さんに対して遠慮がなくなり、本当の父と娘のようになれた瞬間のように感じられました。
また、作り笑いが処世術の優子を演じた永野芽郁を筆頭に俳優陣の演技が魅力的で、あまり現実的ではない展開にもかかわらず、その世界にぐいぐいと引き込まれます。

『そして、バトンは渡された』
2021年製作
権利元:ワーナー ブラザース ジャパン
ブルーレイ&DVD発売元・販売元:ハピネット・メディアマーケティング
©2021映画「そして、バトンは渡された」製作委員会
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。
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