齋藤智子さんpresents 香りの力で自分を癒やす アロマの処方箋 vol.11
香りは、空間、時間、人間に寄り添うもの
今回も、香りで作る空間演出のポイント・3つの間について触れていきます。
少しビジネス寄りの話も含まれますが、ご家族やご友人など、贈り物を選ぶ際にも役立つポイントですので、ぜひご参考になさってくださいね。
3つの間のその3「アロマ×人間」
香りを作るポイント3つめは人間。
「その空間に存在するのは誰か」ということを念頭に置きます。
例えば、「ベビーカーに乗った赤ちゃんとお母さん」「40代の男性ビジネスマン」「旅行中のイギリス人夫婦」「インドネシアから来ている女子留学生」など、年齢や国籍、ジェンダーなど様々な「人間」が存在します。
その方達が、香りのある空間に滞在したときにどう感じるか、また感じてほしいか。
そんなこともアロマ調香デザインでは必要な要素になります。
なぜかというと、アロマの精油は芳香成分が数百種類含まれています。
お部屋でふんわり香りを漂わせるような香りであればさほど問題ではないかもしれませんが、それでも赤ちゃんやお年寄りにとって刺激が強い精油もあるからです。
また、年齢や性別によっても好まれる傾向は異なりますし、仕事中なのか、リラックスタイムなのかによってもイメージに合う香りは変わってきます。
その香りのある空間に滞在したときにどんな人が滞在するのか、その人たちがどんな気持ちになってほしいのか、そこから考えていくことも大切になります。
いずれにせよ、「強すぎず、心地よい」そんな香りをふわりと漂わせることを覚えておいてください。
強すぎる香りからは逃げられない、と私も常日頃、運営するスクールの授業でも伝えています。
1歳未満の小さな赤ちゃんやお年寄りなどには刺激の強い精油は避けたいところ。
・ペパーミント、ローズマリー(メントール、カンファーという成分が多く含まれている精油)
・ローズやジャスミン、イランイラン(濃厚な花の精油)
優しく香るくらいで体調が悪くなるような強い作用があるわけではありませんが、濃度によっては一般の大人でも気分が悪くなったりするので注意が必要です。
香りを使いたい空間、その時間帯や滞在時間、またブレンドによる香調(トップノート、ミドルノート、ベースノート)の精油の選び方、組み立て方による香りの変化、そして空間にいる人間。
絶対にこの3つの間にあてはめて、ということではありませんが、目的に合わせて精油を選び組み立てる(デザインする)ことで、心地よく快適な空間を作ることができます。
おすすめの香らせ方
1)流行中の風邪が気になるとき
キーワード:呼吸、抗菌、リフレッシュ、去痰(痰や鼻水を排出してくれる)
レモン 1滴
オレンジスイート 2滴
ユーカリラディアータ 2滴
ティートリー 2滴
ホウショウ 1滴
パイン 1滴
フランキンセンス 1滴
2)瞑想、ヨガ、メディテーションのとき
キーワード:呼吸、鎮静、瞑想、集中、リラックス
グレープフルーツ 2滴
レモン 2滴
ティートリー 1滴
ジュニパーベリー 1滴
ヒノキ 2滴
フランキンセンス 2滴
目的に合わせて、これまでご紹介したものも含めて今の気分に寄り添う香りをお楽しみくださいね。
齋藤智子
一般社団法人プラスアロマ協会代表理事、アロマ調香デザイナー®️
京都で10代続く家に生まれ、白檀の香りに魅かれて調香の世界へ。20年間で創作した香りは6000種以上。代表作「TRANSITIONS」〜ミラノで最も美しい空気〜(Milano design award best technology賞)はミラノサローネで60万人の心を動かした。国内外で企業やブランドのアロマ空間演出を手がけるほか、美術館の創香などアート分野の企画も多い。近年は、日本各地の農家や蒸留所との連携、マーケティングやサイエンス分野の研究など香りの可能性を広げる活動も行う。著書『アロマ調香デザインの教科書』(BABジャパン出版)。
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